『釣ろう、京都。』海の京都を「釣り」で満喫!【その4】

続いては、丹後半島西エリアの日本海沿岸編。冬の日本海、特に丹後半島周辺エリアは吹き荒ぶ風をダイレクトに受け、内湾でさえやむなく中止となることも。取材当日は、前日からの低気圧による吹き返しで早朝から出船見合わせ。マヅメ時の朝駆け勝負ができず、皆さん落胆気味…と思いきや、ヤル気満々! 

●文:ルアーマガジンソルト編集部

2024 シーバス特集

釣ってみよう! ~丹後半島の「外湾」の釣り~

海の京都の釣りで全国的に知られているのが丹後半島のジギングだ。大型青物やマダイが釣れて、冬は寒ブリも狙える。コアなアングラーを熱中させる本格的なオフショアゲームが海の京都で楽しめるのだ。

井上信(いのうえ・まこと)

網野町に居を構える遊漁船オールブルーの船長。前職は大工という異色の遊漁船業だが確かな腕前の持ち主。船の修理なども自身で行う職人気質タイプ。丹後の海を知り尽くす男として、大型青物捕獲をサポートしてくれる。

オールブルーは京丹後市網野町の浅茂川漁港を発着とする遊漁船。ジギングのほかにタイラバやイカ釣りにも対応する。料金はジギングの乗合で1名1万3000円。詳細はホームページを参照。https://allblue.jimdo.com

その知名度は全国区「丹後のジギング」

丹後半島北西面は対馬暖流の本流が流れる海域。

釣り人の間では良型の青物が狙えるジギングのメッカとして知られている。それを体感するために訪れたのが、網野町の浅茂川漁港を拠点にする遊漁船、オールブルーさんだ。

「昨夜から波風が上がってるから、船を出せても9時頃かな」とは船長の井上さん。当初の予定よりも2時間押し。本日の釣り客は5名で、地元京都の方々と兵庫からの来客。取材リミットは午後イチまでの数時間…船長には酷なロケでしたが、皆さん頑張っていただきました!

右から、黒岡さん、仁賀さん、田原さん、本田さん、奥仲さん。黒岡さんは地元宮津、仁賀さんは京都市内から。他お三方は兵庫は豊岡市から。同じ日本海に面しているが丹後の釣りの魅力に惹かれているとのこと。

この時期からの寒ブリ(10kgクラス!)、そしてシーズン通して良型が釣れる真鯛など、結果として満足のできる釣果が望める網野エリアということで、勝負したいと思わせる釣りがどうやら待っているようだ。

井上「ターゲットは青物、真鯛かな。表層を狙えばまだシイラも出ますよ。港を出てからしばらく揺れるから気を付けて」

船を走らせる外海は結構なウネリ。宮津湾とは明らかに違う表情をみせる。出船してから約30分。到着した釣り場は水深100m近い。船長が指示する水深以深に200g前後のメタルジグを落とし、サオを勢いよくシャクってアクションをつけながら巻き上げて魚を誘う。

丹後半島東側の湾と違い、少しの風でうねりが出る。北寄りの風が吹く冬は海が荒れて出船できない日も多い。逆に夏は凪ぐ日が多い。

暖かい海の魚、シイラも喰ってきた。丹後の海の豊かさが釣果に現れる。

使うメタルジグや誘い方で釣果に差が出る奥が深い釣り。丹後エリア特有の深さと二枚潮を攻略するために丹後ジャークという釣法が編み出されているほどだ。だからこそ、その手応えを一度でも味わうと抜け出せなくなる。そこにきて、丹後の魚は美味いとなれば、足繁く通ってしまうのだろう。

ブリよりワンサイズ小型のメジロ(関東ではワラサ)もヒット。メジロもジギングの好敵手だ。

「冬場は荒れて出船できない日も多いですが、出たらやっぱり寒ブリ狙いやね。マックス13kgを上げてますよ!」と井上船長の言葉が釣り人の魂を刺激する。

ボトム付近をスローに流していたところ、ガツンとくるアタリ。なんと、良型のビッグなヒラメが。ジグの誘いによってターゲットを選べるのも魅力。

実釣は11月末。全長80cmを超えるブリがヒット。釣行前日には氷見(富山県)で寒ぶり宣言が出されたので正真正銘の寒ブリだ。冬はこれを求めて多くの釣り人がやってくる。

コアなアングラーを魅了するターゲットが居る。その釣りをサポートする遊漁船が充実している。こうやって実際に海に出てみると、全国各地から多くのアングラーが丹後半島を訪れる理由が良くわかる。

波風が上がり午前中3時間の実釣となったが、寒ブリやメジロ、ヒラメまで出て船中はおおむね好釣果。ジギング以外にもマダイを狙うタイラバや、夏のイカ釣りもそれぞれ独特の釣趣が楽しめる。


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