皆さん、こんな経験はないだろうか。「大漁に青物が釣れたのはいいんだけど、全部下処理するのに3時間くらいかかったよ…」「メーターオーバーのブリが釣れたんだけどウチのマンションでは捌けなくて、結局近所の居酒屋さんにあげちゃった…」。そんな釣り人の悩みを一気に解決してくれるお店が、実は海の京都にはあるのです。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
「時短」優先で釣り人の満足度もアップ!?
釣り人に人気の海の京都にふさわしい釣り人のための店もある。今年で開業7年目になる「釣人の駅」だ。釣った魚を有料で捌いてくれるそうだが、ほかにもうれしいサービス付き。代表の中澤正光さんにいろいろとお話をうかがった。
中澤正光(なかざわ・まさみつ)
釣り人の集まる『アフター・フィッシングステーション』としての場「釣人の駅」を北の京都に創設。丹後愛に溢れた気さくな人柄に惚れて、この施設を利用する釣り人も多い。まさに「釣り人のためのお悩み相談所」だ。
釣った魚を下ろしてくれる、釣り人のための店
釣人の駅を一言で表せば、魚の下ろし屋さんだ。
天然の魚が釣れた興奮をそのままに、地魚の魅力を最大限に味わってほしい。最高の食材を時間のロスによって味わえなくなる悩みを少しでも解消してあげられれば、釣りを趣味として楽しむ人がもっと増えるのではないか。
そんな思いから『釣人の駅』を開設したのだと言う。
中澤「免許が必要なフグ以外は大抵の魚に対応しますよ。料金は魚種とサイズ、処理の仕方で変わります。処理の種類は内臓やウロコなどを取る下処理、三枚おろし、ヒラメやカレイは五枚おろしで、カマ付きは100円追加。カマ兜割りは200円追加になります」
そこから切り身や刺身にもしてもらえる?
中澤「いや、そこまではしないです。忙しいときはクーラーボックスが5個、10個と並ぶ。お客さんをあまり待たせたくないですからね」
取材中もお客さんが来店。60cm弱の青物を5尾持ち込み、3枚おろしで身だけ。2尾はカマも、と注文。15分ほどで真空パックされた半身やカマが手渡された。
中澤「早くて丁寧をモットーにやってます。待ち時間は外にクリーンコーナーがあってタックルやクーラーボックスを洗っていただけます。家に帰って魚の処理も片付けもしなくてすむ。だから、わざわざ遠回りして来るお客さんもいます」
道具が洗えるのはありがたい。下ろしてもらえば家の台所を汚さずにすむ。何より仕事が丁寧だから魚がより美味しく味わえる。釣り人にとってうれしい限りの店だ。
原木染の天然染料から生まれる、釣り人が欲しがるものとは?
海の京都は丹後ちりめんで知られるように古くから繊維産業が盛んな地域。その丹後の繊維メーカーの一つ、株式会社大江がはじめたのが原木染だ。実は、そこから釣りに関わる新たなストーリーが始まるかもしれないというウワサを聞き、早速同社にお伺いして話を聞いてきた。
大江「原木染は間伐材のチップと水だけで作った天然染料です。繊維を染めた後の残液をね、今までは廃棄していたんですが、何か活用できないかなと考えていたんです」
純粋に木と水だけの完全なるエコ素材。
大江「その残液を薄めて試しに衣類に吹いてみたんです。すると、体臭的なニオイが消えたんですよね」
その何かが釣りにつながるということですね。
大江「色々試しましたけどね。間伐材の杉やヒノキにはもともと消臭や癒しの効果がありますからね。そんな話を私の釣り友達にしたら、ちょっと実験してみるからソレをくれ、と。そしたら、クーラーボックスなどの水洗いしてもなかなか落ちない釣具類の臭いが、見事に消えるというんですわ。コレはちょっと面白いことになってきたぞ、と。商品化? …まだ考えていませんが、何かアクションを起こせたらいいですよね」。
実際、記者も少量いただいて、レインジャケットやライフベルトに吹きかけてみたところ、潮独特の生臭さが消えました。今や市販の消臭剤の使用を止め、この残液を使用しています。釣り用グローブにも効果がありそう。
海の京都発の、釣りにも使える環境に優しい天然素材の消臭剤。期待大!
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