近畿大学と、アセロラ事業を手掛ける大手食品メーカーの株式会社ニチレイフーズが共同開発した「アセロラブリヒラ」を、北関東を中心に食品スーパー136店舗を展開している株式会社ベイシアの全店舗で、2023年1月11日(水)から販売開始。販売はベイシア限定!
●文:ルアマガプラス編集部
(ブリ×ヒラマサ)+アセロラ=「アセロラブリヒラ」
「アセロラブリヒラ 」は近畿大学が開発したブリとヒラマサのハイブリット種である「ブリヒラ」に、アセロラの抗酸化機能による品質保持効果を期待して、一定期間アセロラの搾りかすを含有した餌を与えた養殖魚です。最先端の養殖技術と飼料の技術でさらなるおいしさと美しさを追求して開発された。
近畿大学水産研究所が開発したハイブリッド養殖魚「ブリヒラ」
「ブリヒラ」は、近畿大学水産研究所が異なる魚の性質を受け継ぐ交雑魚の研究を行うなかで開発された、ブリ(雌)とヒラマサ(雄)の交配による近畿大学独自の魚種だ。
冬が旬のブリは、脂のりのよさと強い旨味が特徴ですが、身が柔らかく、夏場は血合いが変色しやすくなる。一方、ヒラマサはコリコリとした食感が楽しめ、変色しにくい特徴があるものの、脂身が少なく淡白な味わいで、食べられる時期も夏に限定される。
ブリヒラは、この2つの魚種から“いいとこどり”をして、ブリの“うまみ”にヒラマサの“歯ごたえと美しさ”を兼ね備えた大変おいしい魚で、完全養殖のため一年中提供が可能だ。
水産資源の枯渇問題に立ち向かう
近畿大学水産研究所は、持続可能な食料供給の方法として「人工種苗による養殖」の研究を長年にわたり進めている。人工種苗とは人工的に生産された養殖用の稚魚や卵のことで、天然資源を減らすことなく、必要な魚を必要な量だけ生み出すことができる持続可能な養殖方法だ。
ブリヒラは自然界でも稀に自然交配しますが、一般に流通できるだけの量は存在しない。養殖に必要な量の種苗を生み出して提供できるのは、養殖研究において長年の実績で世界をけん引する近畿大学だけの技術によるもの。
生食用の青魚は、「変色しにくい」「身質が維持される」「適度な脂の乗りがあっておいしい」という要求を満たす必要があり、ブリヒラは安全な技術でそれらを満たすことが可能。また、このように天然の魚では満たせない条件を満たすことで、食品ロスの低減に貢献する。
おいしく美しくなるアセロラ飼料技術
ニチレイフーズではアセロラ商品を生産・供給しているが、その際の搾りかすが副産物になる。この搾りかすはアントシアニン系のポリフェノールとビタミンC、ビタミンEが多量に含まれており、これを養殖魚の後味の良さの向上と品質の保持(肉質の保持や色味の保持)に役立てようと、近畿大学とニチレイグループで平成30年(2018年)から共同研究を開始。
これまでに「アセロラぶり®」、「アセロラ真鯛®」の開発を行っている。※「アセロラぶり」・「アセロラ真鯛」は、株式会社ニチレイの登録商標。
ベイシアの取り組み
ベイシアは近畿大学の関連会社である株式会社食縁と、平成29年(2017年)に「持続可能な養殖水産物普及の協定」を締結し、ブリヒラの大量生産による安価な供給に向けて協力してきた。
近畿大学産の人工種苗から育てた「近大生まれのブリヒラ」を、2018年に1,000尾、19年に15,000尾、20年に20,000尾と段階的に養殖量を増やし、21年は50,000尾、本年はさらに数量を拡大して80,000尾を販売。
ベイシアらが先駆けて取り組んできたブリヒラは、いまや全国展開の寿司チェーンなどが寿司ネタとして採用するなど人気を博しており、消費者から非常に高い支持されている。
このような「人工種苗による養殖技術」を用いて育てた魚種を積極的に販売することで、食品ロスの低減や水産資源の確保など、地球環境に配慮した取り組みにも貢献したいと考えているのだ。
また、更なる養殖魚の品質向上を目指し、これまで令和3年(2021年)1月に「アセロラぶり®」、10月に「アセロラ真鯛®」の試験販売、令和4年(2022年)2月から「アセロラ真鯛®」の本格販売を開始した。ベイシアは販売とアンケート調査を担うことで、味や食感に関する消費者の意見を吸収し、さらなる質の向上を目指す。
商品詳細 『近大生まれのアセロラブリヒラ』
- ●サク(100g):税込537円
- ●刺身スライス(6切):税込429円
- ●生寿司単品(6貫):税込645円