総合釣り具メーカーのシマノが、3年振りのリアル開催となった「釣りフェスティバル2023」で発表したインショアコンセプト。岸釣り感覚で楽しむボートゲームとして、新たな遊び方を提案する。このコンセプトについて、深く理解する同社インストラクターの村田基さんが、実釣をもとに楽しみ方を解説してくれた。
●文:ルアマガプラス編集部 ●協力:(株)シマノ
インショアコンセプトのメインアングラーを担当!
村田 基(むらた・はじめ)
「ジム」の相性でも知られる究極のマルチアングラー。バス釣りを始め、エリアトラウトや海外の釣りなど、経験と知識の広さは業界トップ。自身のショップ「潮来つり具センター」では、気さくに接客も行う。youtubeでは積極的にコンテンツを配信している。シマノインストラクター。
岸釣り感覚で楽しめる! インショアコンセプトとは?
シマノが新たに提案するインショアコンセプトについて詳しく知りたい場合は、下記記事を参考にしてみて欲しい。新たな装備やタックルなどは必要なく、今あるショアの釣り(岸釣り)の道具で楽しむボート釣りは、アングラーに新たな可能性を示してくれるはずだ。
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東京湾インショアゲームで、シーバス&クロダイ・キビレを狙う!
『インショア』とは…正直、聞き慣れない言葉。岸から釣るショア、ボートから釣るオフショアはおなじみだが…。
村田「ショアとオフショアの中間に位置するのが、僕らが改めておすすめする『インショア』です。実はこのインショアゲーム、ルアーゲームが一般的になるはるか昔、70年代から日本でも始まって今に至るんです」
50年近く前から!? 一体どんな釣りのことを指すのだろうか?
村田「例えば東京湾には昔からエサで成長過程のスズキを狙う『フッコ船』というのがありますが、僕らは頼み込んでルアーでも釣らせてもらっていました。このスタイルが発展したのが、今のシーバスガイド船です」
なるほど、そんな経緯があったんですね。
村田「こういう沿岸部で楽しめるガイド船や乗合船が日本全国にたくさんあり、北海道ならサクラマスやアメマス狙い、東北ならアイナメ、ソイなどのロックフィッシュ狙いなど、インショアゲームはさまざまなターゲットを楽しむことができるんです」
岸釣りで使用しているタックルを流用可能!手軽に楽しもう
ボートの釣りとなると、どうしても専用の装備やタックルが必要になってくると思ってしまう。しかし村田さんはその点に関して、インショアならもっと敷居が低く、新たな楽しみ方をもとめるアングラーに最適だと解説してくれた。
村田「ショアゲームというのは釣りの登竜門であり、大半の初心者が通る道です。経験を積めばそれなりの釣果を出せるようにはなりますが、岸際だけではいかんせん魚の個体数はそれほど多くないので、特にルアーでたくさんの魚を釣り上げるのは簡単ではないでしょう」
確かに、ポイント選びの自由度という点でも、ボートはメリットが多いですが…。
村田「そこで、釣果を求めてオフショアへと歩を進めようとすると、釣る場所もタックルもショアとは全然違うので、敷居が高すぎると感じてしまう人も少なくないと思います」
そうですね、ショアからいきなりオフショアへステップアップするのは、同じ釣りとは思えないほど何もかもが違いすぎる。しかも、タックル類もオフショア用を買い直さなければならないし、そのお値段もなかなか…。
村田「だからこそ、ショアからのステップアップとして最適なのが『インショア』なんです。インショアでは、ショアで使っているフリースタイルのタックルがそのまま使えるし、狙うターゲットもほぼ同じなので、水深5mくらいまでのシャローエリアに入ってくれるボートならば、ルアーもショアと同じモノが使えます。でも、釣れる魚の数には大きな差があり、魚影が濃いエリアまでボートで近付くことができるので、ボートゲームビギナーでも2ケタ釣果だって夢ではないどころか、高確率で達成できるチャンスはあると思います」
なるほど、そういう意味で、ショアとオフショアの中間に位置するのが『インショア』ということなんですね。では、インショアで釣る場所というのは、具体的にはどんなところなんですか?
村田「前述の通りショアから攻めるような水深5mくらいのシャローエリアもあれば、浜名湖のように遠浅のフィールドならばもっと浅い場所を攻めることもあります。逆に深い場所なら30mくらいまでで、ショアで使っているリールのラインキャパシティでも十分に対応できるので安心です」
その範囲であれば、ショアの釣りの延長でイメージしやすいですね。
村田「オフショアのように100~200m、ときには300mを超えるような超深場を釣るわけではないのでルアーがボトムに着くまでの時間も短いし、巻き上げてくるときも疲れないので、お子様や女性でも気軽にチャレンジできるのも魅力ですね」
シーバス、クロダイ、キビレ、青物。インショアゲームのターゲットは豊富!
今回は横浜ベイエリアから出船。周囲の景色は高層ビルや湾岸高速道路が入り乱れる大都会で、海岸線も見渡す限りすべて整地されている。正直、魚が豊富に生息する場所には見えないだろう。
村田「ところが東京湾は世界でも有数の漁場で、ルアーフィッシングのターゲットもたくさんいます。中でもインショアゲームで僕がおすすめするターゲットはシーバスで、ボートゲーム初心者でも比較的イージーに釣果を出すことができます。ランカーサイズと言われる80cmオーバーも夢ではないでしょう」
では、シーバスはどんな場所に潜んでいるのだろう? ボートでは周囲360°がすべて海なだけに、初心者は特にどこを狙っていいのかわかりにくいですよね。
村田「ポイントに関しては、経験豊富で東京湾を知り尽くしているキャプテンに任せておけば大丈夫ですが、ここではシーバスが着きやすい典型的なスポット&攻略法を紹介しましょう」
そうか、ショアの釣りと違い、ポイントへはキャプテンが全部連れて行ってくれるわけですね。それは嬉しい!
村田「最初は港湾部や防波堤の岸壁で、壁際ギリギリまでボートで近付いてくれるので、壁沿いにルアーをキャスト&リトリーブです。水深によって使用するルアーも異なり、2m以浅を探るならばミノー、それより深ければバイブレーションが基本です。最初はただ巻きで、反応がなければトゥイッチやジャークを入れて変化を付けてみましょう」
【インショアシーバスオススメルアー】
エクスセンス ダイブアサシン125Sフラッシュブーストは水深2m前後のレンジをキープ可能。フラッシュブーストの反射アピールで集魚力も高い。
エクスセンス サルベージソリッド100ESは5m以深のディープゾーンを探るのに適していて、巻き始めてからのアクションの立ち上がりが早い。
インショアシーバス中、何とワラサがヒット!こんな嬉しいハプニングもある!
そして今、東京湾シーバスでもっとも熱いのが『ビッグベイトゲーム』らしい。ビッグベイトは見た目が派手だが、簡単には釣れないイメージが…。
村田「シーバスのエサとなるベイトフィッシュが大きくなる秋が、ビッグベイトゲームのハイシーズンです。特にコノシロの群れが接岸するのに合わせてシーバスが荒喰いするのを『コノシロパターン』と呼び、ビッグベイトが活躍するシチュエーションです」
秋のインショアゲームでビッグベイトシーバス、楽しそうですね!
村田「コノシロの群れが移動しているエリアや水深をキャプテンが指示してくれるので、そこに向かってビッグベイトの力を信じて投げ続けてください。ビッグベイトって、こんなに釣れるのか! と、感動するはずです!」
ときにはエサ釣りでもチャレンジ。その柔軟さがインショアゲームの魅力!
魚種が豊富と言うことは、他にもルアーフィッシングで楽しめるターゲットがいるのだろうか?
村田「実は僕が今、夢中になっているのがクロダイとキビレです。しかもエサ釣りが面白い! もちろんルアーを使ったブリームゲームも楽しいですが、ボートゲーム初心者がまず1尾を釣ることを考えたら、僕だったらエサ釣りでレクチャーします。しかもエサは現地調達できるので、事前に用意する必要がないという点でも手軽に楽しめます」
エサを現地調達ですか!? どんなエサを、どこで獲るんですか?
村田「ムラサキイガイと言って、パエリアやパスタに入っているムール貝と似ている二枚貝です。コレを貝殻ごとチヌ針&ガン玉というシンプルなリグに掛けて、岸壁や橋脚の際ギリギリにフォールさせるだけ。フォール時間は3秒ほどで、アタリがなければ回収して再びキャスト&フォールの繰り返しです」
スーパーマルチアングラーとして活躍する村田基さんによる、東京湾インショアゲーム実釣、いかがだっただろうか? 空いた時間で手軽にボートを利用するなど、都市港湾ならではの楽しみ方もできるインショアゲーム。興味のある方は、是非ともチャレンジしてみてほしい。
●取材協力
サニーフィッシングガイドサービス
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インショアゲームとは? 解説をyoutubeで見る
【インショアゲームって?】WHAT’S INSHORE GAME? ショア感覚で楽しむ新たなボートゲーム【インショア】
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