登山地図GPSアプリ「YAMAP(ヤマップ)」は、電波が届かない山の中でも現在地や登山ルートを把握できるほか、スマホ経由で各地の警察に「登山計画書」を提出することができるとても便利なアプリだ。このたび新たに「山岳遭難防止に向けた登山届協定」を埼玉県警察と締結。現在、すでに13の都道府県警察との協力体制が整っており、さらなる拡充が期待される。
●文:ルアーマガジンリバー編集部
アプリで作成した登山計画書をそのまま警察に提出
「YAMAP」は、電波が届かない山の中でも、スマートフォンのGPSで現在地と登山ルートがわかる、登山を楽しく安全にするアプリ。山行の軌跡や写真を活動記録として残したり、山の情報収集に活用したり、全国の登山好きと交流したりすることもできる、日本最大の登山・アウトドアプラットフォームとなっている。
「YAMAP」には、事前にコースタイムを自動計算して無理のない登山計画が作成できると同時に、「YAMAPに登山計画を提出する」を押すと、大切な家族など(緊急連絡先)にも共有できる登山計画&提出機能がある。
さらに2023年2月には、山岳遭難救助の際に有用な情報である「登山届」に関する「山岳遭難防止に向けた登山届協定」を、新たに埼玉県警察と締結。現在13の都道府県との協定が締結されており、今後もさらなる拡充が期待される(長野県、群馬県、神奈川県、岩手県、大阪府、奈良県、熊本県、鳥取県、静岡県、山口県、岐阜県、島根県、埼玉県)。
山岳遭難防止に向けた登山届協定により、YAMAPに登山計画を提出すると、各都道府県の警察へも「登山届」が共有される。さらに、「YAMAP」は日本全国25000座以上の山情報を収録しており、登山届ポストがないような里山や低山にも対応。遭難者の迅速な救助につながる非常に有用なアプリとなっている。
登山者は別に登山計画書を記入・郵送・投函したりするなどの手間が省けて利便性が上がります。一方、埼玉県警察は把握する登山届の数が大幅にアップすることが見込まれ、万が一の遭難の場合でも救助に有用な登山計画情報を早く把握でき、救助の迅速化が期待される。
登山者はもちろん、山に分け入る源流釣り師にとっても非常に便利なアプリなので、ぜひ活用していただきたい。
埼玉県の山岳遭難87件、97人、過去最多
埼玉県における令和4年(2022年)山岳遭難は87件(5件増)、97人(6人増)で過去最多となった。これは密集を避けるレジャーとして登山が人気であることが考えられる。しかしながら、遭難者のうち登山届の提出率は低く、遭難救助の対応が遅れることにもつながっていた。
「面倒」が登山届を提出しない理由
登山者は事前に登山の計画を立てる必要がある。さらに、登山口に設置されている登山届ポストで専用の書類に登山計画を記入して提出したり、事前に郵送などで登山計画を埼玉県警察に提出したりすることが必要で、登山者にとっては二度手間となっていた。また、人があまり行かない低山ではそもそも登山届ポストが設置されていないことや、「低山」だから大丈夫という登山者の気の緩みが登山届提出率が低い理由にもなっている。
遭難ZERO協定について
遭難ZERO協定とは「遭難者の位置情報に関する連携」「捜索隊員トラッキングシステムの提供」「遭難事故防止に関する啓発活動」を軸に、人命救助の最前線に立つ消防機関と連携し、山岳遭難事故による死者数ゼロを目指す2022年3月に始動したプロジェクト。新たに「登山届に関する連携」も含め、警察機関や自治体とも連携先を拡大していく予定だ。
YAMAP(ヤマップ)〜 遭難防止に役立つ登山GPSアプリ 〜
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