《能登半島アオリイカ》『釣れる、デイエギングのススメ」アングラーズマイスター【釣りするげんパーシー】がじっくり解説!

魅惑のソルトフィールドとして知られる能登半島をホームグラウンドとするのは、アングラーズマイスターの「釣りするげんパーシー」さん。YouTuberとしても活躍しており、「釣りするげん」チャンネルは登録者数6,000人の人気コンテンツとなっている。そんな、実力も人気も兼ね備えたパーシーさんに、能登半島でデイエギングを楽しむための必勝術を紹介してもらおう!

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

石川県能登半島がホームグラウンド!

釣りするげんパーシー

石川県能登半島をメインフィールド。アジング、メバリング、エギング、ジギング、バス、フカセ釣り、投げ釣りなど季節に応じた幅広い釣りジャンルを楽しんでいる。YouTube「釣りするげんチャンネル」でも釣り情報を配信中!

アオリイカの聖地「能登半島」のポテンシャル

みなさんこんにちは。アングラーズマイスター「釣りするげんパーシー」です。

僕は石川県能登半島をメインフィールドにライトゲーム中心で1年中釣りを楽しんでいます。マイボートを所有しているのに関わらず、ほとんど船の乗らずにおかっぱりの釣りの回数のほうが多いというちょっぴり変わった(笑)アングラーです。

突然ですが近年人気急上昇中のエギングにおいて、石川県能登半島のポテンシャルが非常に高いことはご存じですか? 対象魚となるアオリイカは陸っぱりや船から狙うことができますが、船釣りでは1日で1人100杯以上の釣果が出ることもザラな、夢のフィールドなんです!

イカは夜行性なので、夜釣りでよく釣れるイメージもありますが、能登半島のポテンシャルをもってすれば日中(デイ)でも爆釣することがあります。デイエギングに難しいイメージを持っている方もいるかと思いますが、実は日中に釣りをすることのウマミもたくさんあります。

ということで、今回は「能登半島におけるデイエギングの楽しみ方」を紹介していきたいと思います。皆さんのエギングの参考になればうれしいです!

天然の生簀状態!? 能登半島の地形とアオリイカの関係性

石川県は「能登地方」と「加賀地方」に分かれており、僕のホームグラウンドでもあるのが北面に位置する「能登地方」は日本海側の海岸線で最も突出面積が大きな半島です。伝統工芸品「輪島塗」でも有名ですね。

能登半島はココ!

この能登半島の形と位置をGoogleマップで眺めてみてください。全周囲が海岸線になっており、釣りというアクティビティにおいて非常に恵まれたフィールドであることはもちろん、この恵まれた地形のおかげでアオリイカのストック量が非常に多くなっているのです。

能登半島周辺のアオリイカは春に産卵し、生まれてからはエサの捕食を繰り返しつつ北上します。その後、水温の低下と共に暖かい海域を目指して南下するのですが、ここで試練が待ち構えています。

能登半島より北(新潟~秋田)から回遊してきたアオリイカは南下するために能登半島の東面に到達します。半島を超えて福井県方面に行きたいアオリイカですが、回遊の途中で水温が低くなり、能登半島の先端を越えることができず、ここで大量のアオリイカがここで足止めされてしまうのです。

そんな地形と環境もあって、能登半島の東側から富山湾までがまさに「天然の生簀状態」となり多くのイカがストックされるというわけです。加えて、潮通しもよいためベイトが溜まりやすく、アオリイカにとって居心地のいい環境になっているところもポイントですね。

「風裏」がどこかに存在しているので、強風時も竿を出せる!

さらにもうひとつ。極細のPEラインを使用するエギングで風は大敵です! みなさん、少しでも風の影響の受けにくいエリアを探して釣りをしていることと思いますが、能登半島はその独特の地形のため、どの方向から風が吹いても必ず風裏が存在します。「せっかくの釣りを楽しみにしてたのに強風で釣りにならない~!」ということがほとんどないのも魅力ですね。

西側が「外浦」東側が「内浦」

釣りのポイントも非常に多く石川県の海岸583kmすべてがポイントとなりうるといっても過言ではありません。突き出た半島の西側を主に「外浦」東側を主に「内浦」と呼称しています。

ちなみに内浦は日の出を、外浦は日の入りを正面に見ることができるので見たい景色ありきでポイント選択をしてもいいと思います!

外浦エリア

潮の通り道になることで潮が受けやすいエリアになり磯場が多く活性の高い回遊のアオリイカがメインターゲットになります。ロケーションが抜群に良く、テンションが上がること間違いなし! 磯場をランガンする機動力が釣果アップへのポイントです。

内浦エリア

波穏やかな湾内。水深が浅く藻が生い茂っていていて、アオリイカの格好の隠れ家になっています。波ひとつない海で気持ちも穏やかに釣りを楽しむことができるでしょう。水深の変化や底質の変化、潮の効き具合を適切に見極めることで釣果を残すことができます。

デイエギングのメリットについて

僕が考えるデイエギングのメリットは大きく分けて3つ。

1.狙い所がはっきりするのでゲーム性が高くなる

視覚で得られる情報が極めて少ないナイトゲームは、同じところにキャストして、同じアクションで同じフォールでなど……釣りもシンプルになりがちです。

対して、デイエギングは五感すべてを使って釣るのが醍醐味。目で見える障害物、藻の切れ間、底質、水深の変化など、目で見える情報を頼りにイカのいる場所を推理しながら釣りをするべきですし、アタリはロッドだけでなくラインの振れも感知して神経を研ぎ澄ませます。

1回のシャクリごとにボトムに生えている藻を避けつつ、水深の変化に合わせたり障害物スレスレにエギをコントロールしたりしていて、釣果も出ているのですが、やはり狙って釣ったアオリイカは強く深く思い出に残っています。

2.初心者でも安全に釣りができる

ナイトゲームではヘッドライトを使用しますが、視界が狭く、とくに磯場を歩くときなどは注意が必要です。転んでケガをしてしまっては釣行が台無しになってしまいます。

それとは対照的にデイエギングではヘッドライトをする必要もなく、安全に釣り場に向かうことができます。エギング経験の少ないビギナーの方でも、日中、視界が確保されていれば隣の爆釣しているお兄さんの釣り方を盗むこともできますし、その場所の攻略法など気軽に話を聞けるかもしれません。

また日中は光量があるので、釣れたアオリイカの写真も撮影しやすく、映えます。せっかく釣れてくれたアオリイカですから少しでもいい写真に残したいですよね。

3.釣り以外のプラスアルファが楽しめる!

内浦の九十九湾にある道の駅「つくモール」。能登の新たな観光名所ともなっている13mのイカのモニュメント! ※こんな大きなイカの神様(笑)写真撮影と爆釣祈願は必須です

能登にエギングしに来たはいいものの、天気が悪くて釣りができなかったり、「釣り」ですから、タイミングが悪ければ釣果が伴わないことももちろんあります……でも安心してください! 能登には釣り以外の魅力もたくさんあるんです!

まずは内浦九十九湾にある道の駅「つくモール」。道の駅の敷地内には能登の観光名所となっている、全長13mの巨大なイカのモニュメントがあります。名前は「イカキング!」。実はこのモニュメント、能登に莫大な経済効果をもたらしたことで知られています。イカキング様に今後の爆釣祈願をしましょう(笑)。

施設の中ではイカ釣りの歴史についての紹介があったり、新鮮な海鮮グルメやカフェもあるので、釣りで疲れた体を癒せます。

また、日本で唯一車で砂浜を走ることができる「千里浜なぎさドライブウェイ」もおすすめ! 砂の質が固いので2WDの車で走ってもハマることがなく、打ち寄せられる波を横目で見ながら車を走らせることができます。釣り人じゃなくてもテンションが上がりますね。

ほかにも、能登は釣り場がそのまま観光地になっています。海岸線の変わった石の造形物や、自然にできた磯場の神秘的な光景など、釣りをせず車で走っているだけでいろんな発見があります。

タックル紹介

では実際に僕が釣りに行くことを想定してプランを作りましょう。参考までに、僕のエギングタックルを紹介させていただきます。

【タックル】
●ロッド:エメラルダスMX83ML(DAIWA)●リール:エメラルダスMX2508PE-H-DH(DAIWA)●ライン:セフィア8 0.6号150m (シマノ)●リーダー:フロロカーボン2号&2.5号(バリバス)

基本的には足場が高いところがほとんどなく、歩くことが多いのでロッドはシャープに使える8.3ftです。メインラインは飛距離と操作感を優先して0.6号をチョイス。リーダーの号数を変更することで堤防、藻場や磯場での対応力を高めます。

使用するエギは時期によって号数が変わりますが、新子シーズン以外は3号または3.5号だけ持ち歩きます。僕がよく使っているのはエギ王LIVE&エギ王K(ヤマシタ)や、エメラルダスピーク(DAIWA)、イージーQダートマスター(デュエル)、ダートマックス(フィッシュリーグ)です。

浅場の藻場を攻めることがありますのでシャロータイプのエギを数本持って行く事を忘れないようにしましょう。浅場ではダート系アクションが有効で、実績もあります。

しゃくり方向を横向きにする「横しゃくり」を多用することで根がかりを回避しつつ広範囲のイカに効率よくエギの存在をアピールできるので、意識してみてください。ディープタイプのエギはほとんど出番がないので仮面シンカーを数個持っていくだけにします。

僕おすすめの釣りプランとコツを紹介します!

こんな量型のアオリイカに出会えるかも!?

寝不足は禁物。まず前日は夜更かしせずに早めに寝ましょう。早朝うす暗い時間帯から釣りを開始できるように出発し、朝マズメを狙います。朝マズメはアオリイカの活性も上がる時間帯なので、移動で時間を使うのは勿体ないので、立ち位置をこまめに変えたり、キャストの位置を変えたり、同じポイントをじっくり攻めます。

日が上がったら足を使い、水中の様子を見ながら歩き、障害物、藻の切れ間、底質、水深など目で見てわかる「変化」を探します。その場所にアオリイカがついている可能性が高いです。歩いて考えながら楽しむ釣り人は、さながらRPGの主人公。

反応が薄くなったら車で移動です。海岸線を車で走りながら、「釣りができそうだな」と思ったら車を停めて歩いてみましょう。僕も過去に「こんなところで?」という場所で連発した経験があります。アオリイカは能登の全域に分布しています。人気ポイントだけに目を向けるだけでなく、人が少ない場所にこそ皆さんの爆釣ポイントがあるかもしれません。

能登でエギングをすると釣りが上達する!

近年人気爆発中のアオリイカエギングですが、しっかりと考えて釣りをすることで日中でも釣果を残すことができます。能登はアオリイカのポテンシャルが非常に高く、「能登でエギングをすると釣りが上達する」と言われるほど。数釣りをすることで、アクションのつけ方、アタリを取るなどの反復練習になるのです。

僕の運営しているYouTubeの「釣りするげん」では数を釣ることを目的とせず、1尾の価値を求めて考えながら楽しく釣りをするということを念頭に置いて釣りをしています。能登のエギング動画も複数投稿していますのでよかったらご覧ください。

皆さん、釣って楽しい、食べておいしいアオリイカエギングに挑戦してみてはいかがでしょうか? 以上、アングラーズマイスター「釣りするげんパーシー」でした。各種SNSのフォローをいただけると幸いです!

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※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。