2月シーバスはバチ抜け直撃! バチパターンの特徴&ポイント&おすすめルアーをRED中村が解説!

シーバス釣りの「旬」はいくつかありますが、中でも「バチ抜け」が発生する2~5月はひとつの節目。ゴカイなどの多毛類が大量発生するこの時期はシーバスゲームの言わばボーナスステージ。初心者でも釣りやすく、エントリーにももってこいの時期です。RED中村こと中村祐介さんに、バチ抜けルアーやこの時期のシーバスの特徴などを解説していただきます。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

解説はレッド中村こと中村祐介さん!

中村祐介(なかむら・ゆうすけ)

ルアーメーカー、ポジドライブガレージの代表を務めるプロアングラー。全国各地への遠征釣行で培ったバーサタイルな対応力が持ち味。シーバスだけでなく、ヒラスズキ釣りの名手でもある。愛称は「レッド中村」。

2月のシーバスゲームはとにかくバチ抜け! その理由は?

今回のテーマは2月のマルスズキ狙い。レッドさんはどのように攻略する?

中村「断然、川バチのパターンがおすすめっス!」

まずは今の時期、シーバスはどのような状態ですか?

2月のシーバスは産卵後の体力回復途中

中村「2月のシーバスは産卵を終えたばかりで体力を消耗した状態。産卵場となる深場から沿岸部へ戻ってきますが、この時期がちょうどバチ(多毛類の総称)が大量発生する時期と重なるんです」

多毛類の仲間がいっせいに水底から抜け出して遊泳する、いわゆるバチ抜けだ。

「バチ抜け」が起こると海面がバチで埋まることもある。

中村「バチは小魚などに比べれば捕らえやすく、産卵で体力を消耗しているシーバスが好んで捕食します」

2月は1年の間で最も水温が低く、小魚の数が少ないのも要因だ。

やっぱり2月のシーバスはバチ抜け時がチャンス!

では、肝心のバチ抜けはいつ起こるのでしょうか?

中村「バチの産卵行動は潮回りなどが大きく影響。狙うべきタイミングが絞りやすいので、寒い時期ではありますが、再現性の高い釣りが楽しめますよ」

具体的な条件や狙うべきタイミングはありますか?

中村「前提として、今回は川バチに絞ってお話したいな、と。バチの種類によって生態が異なりますからね」

川バチはいわゆるゴカイの仲間の通称。関東以南の太平洋側で、河口域に多く見られるベイトだ。

産卵後体力の落ちたシーバスにとって、バチは労せず捕食できる貴重なベイトなのだ。

中村「地域にもよりますが、バチ抜けは例年2月頃。大潮後の中潮にボトムから一斉に湧き出してくるんです。狙い目は、流れが効く満潮からの下げ潮で、シーバスもそのタイミングで盛んに捕食します」

ちなみにバチ抜けとは多毛類が一斉に産卵することで起きる現象だ。一斉に繁殖行動を始めることで繁殖の成功確率を高める狙いがある。

2月のシーバス釣りにおける最重要ポイントは「河口付近」

湧きやすく流下しやすい時間帯に神経を集中すべし!

中村「川バチは汽水の流れが緩い砂泥底に生息しています。バチ抜けが始まると、流れに乗って海へ。まずは抜ける地点の周辺を狙いつつ、潮位が下がり始めてからは本流筋狙いにシフトします」

抜けたバチは下げ潮に乗って一気に海へと下る。これを待ち受けていたシーバスが飛びついてくるのだ。

中村「シーバスは流れの中にある地形変化に定位して、流下してくるバチを居食いしているイメージですね」

湧きやすく流下しやすい時間帯が明確に存在する。神経を集中しよう。

レッド中村の「2月バチ抜けシーバス」おすすめルアーチョイス術!

次はアプローチについて。バチ抜けパターンといえば、表層をスローに攻めるイメージですが…。

中村「それがハマることもありますが、表層だけを攻めていては獲り切れない個体も多いっス。川には流れがあるので、底から抜け出たバチが必ず表層まで湧き出るとは限りません」

したがって、より強く意識しなくてはいけないのは目で見えない中層やボトムの状態なのだという。

中村「きっちりと狙ったレンジをキープし、『すべてのレンジを攻め分ける』のが川バチパターンの核心です。任意のレンジをキープするには、ルアーを使い分けるのが手っ取り早いと思います」

ボトム付近をレンジキープ!【パンチライン80】

●サイズ:80mm ●ウエイト:13g ●タイプ:シンキング ●フック:ST-46 #6

中村「川バチのサイズは、時期や地域によっては20cm以上。80mmでは小さいと感じるかもしれませんが、大切なのはレンジキープ力。ヘッドで適度に水を受けるため、流れのある場所でもきっちりとボトム付近をサーチできます」

表層直下で微ロール!【ナンバーセブン117F】

 ●サイズ:117mm ●ウエイト:13g ●タイプ:フローティング ●レンジ:0〜40cm ●フック:#4 

中村「バチは走光性があるため、月夜や明るいエリアでは表層を流れる。そんなときは、ナンバーセブンの出番。僅かな水の抵抗で微かなロールアクションを発生し、絶妙にアピール。飛距離にも優れ、広範囲を効率よく探れます」

弱ロールで1段下のレンジを攻略【エンヴィ125】

 ●サイズ:125mm ●ウエイト:15.7g ●タイプ:シンキング

中村「ナンバーセブンよりも下のレンジをドリフトさせたいときは、エンヴィ125の出番。レスポンスの良いルアーなので、デッドスローでも微妙にロールして違和感を与えずに存在感をアピール。細長いシルエットも川バチにドンピシャ!」

流れに流してナチュラルにドリフトで!

中村「シーバスは地形の変化などに着いて、流れてくるバチを待ち受けています。だからアップクロスに(上流側に)投げてレンジをキープしつつ、ルアーを流れに同調させます」

川の流れの中で、狙ったレンジをキープするコツは?

中村「細めのPEラインを使って、極力流れの抵抗を受けないようにすること。あとは、ロッドポジションで微調整ですね。リトリーブは基本的にラインスラックを取る程度で、強い波動を出さないよう意識するのがコツです」

中村「目に見える表層から中層~ボトムまで、バチのいるレンジ=シーバスが反応するレンジを捉えることが攻略のカギですね」

分かればハマる、バチ抜けシーバスの爆発力!

中村「川バチパターンはコツを掴むと面白いようにハメられます! 個人的には、年間を通じて最も好きなパターンのひとつですね。湾奥などのバチパターンとは時期や釣り方が異なることを踏まえ、ぜひチャレンジしてみてください!」

最もエントリーしやすいバチ抜けシーズン。ぜひ楽しんでもらいたい。


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