ドライブのロッドスタンドは、『フォース』が2代目のモデル。フレームやレッグのビレット加工とともに、カーボンパイプが目を引く、カッコ良さ満点のアイテムに仕上がっている。複数のロッドを使いこなすエリアトラウト必携の高機能なロッドスタンドだ。注目の各部詳細をドライブ開発スタッフ佐藤潤弥さんに伺った。
●文:ルアーマガジン編集部
ロッドスタンド FORCE“フォース”(ドライブ)
4本仕様と6本仕様の2種類
ビレット加工が施されたジュラルミンフレームと4本脚。それにカーボンパイプとハンドルがセットされたのが、ロッドスタンド・フォース。タイプとして、4本仕様と6本仕様になったコンプリートパックの2タイプをラインナップ。また2022年からはカーボンパイプ採用のモデルのみが販売されている。リールフットからロッドのバットエンドまでの長さが、25cm未満のロッドに対応するので、短めのアジングロッドなどなら転用することが可能だ。
トーナメントアングラー向けに6本仕様もラインナップ
佐藤「ロッドスタンド・フォースは、基本は4本のロッドを収納できる仕様ですが、エリアトラウトトーナメントでの、タックル数6本といったレギュレーションに対応させるために、2本の増設用EXホルダーを初めからセットした、6本仕様のコンプリートパックも販売しています。ハイエンドなロッドスタンドはトーナメンター向けと思われがちですが、最近は一般のお客様の購入が目立ちます。たくさんのお客様に使っていただきたいという思いから、4本仕様、6本仕様を設定しています」
項目 | スペック |
---|---|
高さ | 45cm(組み立て時) |
地面からリールフットまでの高さ | 29cm |
折りたたみ時寸法 | 52cm |
重量/税込価格 | 4本仕様(約800g):43,450円 6本仕様(約1,050g):57,200円 |
付属品 | 六角レンチ、レッグカバー(クリア)、シリコンホルダーキャップ |
スタイリッシュでかつ試合を視野に入れた仕様
佐藤「現行のロッドスタンドフォースは、前作の「フュージョン」の良さを継承し、価格は抑えつつスタイリッシュなデザインへモデルチェンジといったコンセプトから開発がスタートしました。
安定性の高い4本脚はそのままに、さらに低重心化をして安定感をアップさせました。オプションを追加することで、最大6本まで増やすことが可能となっています。
風に対する安定感や持ち運びやすさなど、私がトーナメントを通じてあったらいいなと感じた要素を、これでもかと詰め込んだロッドスタンドです。
また釣り場にたくさん人がいる前提のエリアトラウトは、地面にロッドを置くのはトラブルの原因にもなりかねません。複数のタックルを持っている方は必要なアイテムかと思います。大切なタックルを守るためにも、しっかりとしたロッドスタンドを使って釣りを快適に楽しんでいただきたいです。
耐久性があってずっと使えますし、使用する満足感、所有感もある、パーツから細部までとことんこだわった、満足していただける商品です」
佐藤さんの実用例
クランクマイスターの佐藤さんは、実際にどのようなセッティングをホルダーに入れているかを伺ってみた。
佐藤「半分がクランク用のタックルです。エステルラインのセッティングを4本で、内訳はクランク用が0.3号2本と、0.4号が1本。スプーン用の0.3号が1本。残りはPEでボトム用が1本と、ミノー用1本。PEはどちらも0.2号を巻いています」
耐久性やメンテナンスは?
ほぼメンテナンスフリー! 一生モノとして永く使える
釣り場などのアウトドアで使うモノだから、気になるのはその耐久性。どのぐらいの長持ちするのだろうか。
佐藤「耐久性が高い素材を使っていますので、一生モノといえるほど永くお使いいただけます。ジュラルミンのフレームもカーボンパイプも、基本はメンテナンスフリーです。汚れたら拭いてあげる程度ですね。ほったらかしでも大丈夫なのは、削り出し加工の強みだともいえます。レッグカバーが汚れたり、ホルダーのシリコンキャップが傷ついたりした場合は、パーツとして販売しております」
カーボンパイプやレッグの可動部など、パーツの各所はキャップボルトで留められている。「長期間レッグの開閉などをしていると、ボルトがグラグラしてくることがありますので、それは付属の六角レンチで締めてください」。
フレーム
ジュラルミンにビレット加工を施した美しい造形!
カーボンホルダーをセットする中央部分に、ビレット加工が施されたフレームがあり、全体を繋いでいる。
佐藤「フレームとレッグには、一般的にはジュラルミンと呼ばれている2017材アルミ素材を採用しています。アルマイト加工による色づけも鮮やかになりますので、外観もよく耐久性も抜群です」
ハンドル
フィールドの状況に応じてポジションを変更可能
ハンドルは、グリップ部分をシャフトと同方向のポジションと、90度の角度になるポジションという2タイプにセットすることができる。
佐藤「通常はグリップが拾いやすく、トーナメントのインターバルなど、細かい釣り座の移動にも便利です。もうひとつのポジションは、持ち上げたときにスタンド全体がより前傾姿勢になるので、頭上に木などの障害物があるような釣り場におすすめ。付属の六角レンチとプラスドライバーを用意していただければご自身でポジションの変更が可能です」
カーボンパイプ
軽さだけを追求せず安定感をアップする肉厚に
2022年度から、ロッドスタンドはカーボンパイプを採用したモデルのみが発売されている。
佐藤「ドライブは、カーボン素材100%のホルダーです。そのメリットはまず軽量化にあります。昨年まで発売のアルミ素材のものと比べ約25%軽量化しており、持ち運びの際の疲労軽減に貢献しています。本当はさらに軽量化することもできましたが、軽ければいいというものではなく、フィールドで倒れないようにするために、ある程度重量がある、良いバランスで仕様を決定しました。また、完全カーボンにすることで、素材の高級感も違います」
パイプの直径は38mm、長さもエリアトラウトロッドのほとんどが充分に収められる。穴が2箇所空いているので、地面からリールまでの高さを2段階に設定できる。
シリコン製ホルダーキャップ
柔らかくリールフットへのダメージを解消
2019年に樹脂からシリコン製となった、ホルダーキャップ。ここにも現場のアイデアと要望が活かされている。
佐藤「柔らかい素材ですので、リールフットへのダメージがなく、トーナメントのときのように急いで投げ込んでも擦り傷がつきません。スリットが2箇所ありますので、ベイトタックルも大丈夫ですし、ハンドル同士が干渉しそうなときは、手ですぐに回転させて向きを変えることができます。以前の樹脂製ホルダーキャップからの変更修理も承っております」
折りたたみ可能な構造
コンパクトに折りたためるので車に積みやすい!
佐藤「すべてのレッグ部分が内側に可動できる仕様になっていますので、車などに収納する際はコンパクトになります」
トランクルームにも入るので、セダンタイプで釣行するアングラーにも便利でうれしい構造だ。
レッグ
大きく開く4本脚で安定感抜群
ジュラルミン素材にビレット加工を施し、安定感のある4本脚を継承してさらに進化させたレッグ部分。
佐藤「砂利や土、コンクリートなど、斜面でなければどのような釣り座のエリアにも対応します。この開き幅が、東山湖フィッシングエリアのコンクリ部分の釣り座サイズにピッタリというお声をいただいたこともあります」
レッグ先端の軟質塩化ビニル製のカバーも、2019年より標準セットとなっている。
佐藤潤弥さんのプロフィール
佐藤潤弥(さとう・じゅんや)
カラーズインターナショナル・DLIVE-F(ドライブエフ)事業部で開発を担当。トップエリアトーナメンターとしても活躍し、数多くの実績を残している。
「クランクベイトの釣りを得意としています。その釣りが好きになったのも、入社前、管理釣り場で弊社社長の新辰朗と会い、その時にダブルハンドルのエアードライブを使わせてもらったことからです。その際にクランクベイトを一定の速度でデッドスローに巻くのに、エアードライブが有効であることに感動して。そのことがきっかけとなり、現在はスタッフとして働いています」
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- 発売日:2022年11月16日
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。