3月から11月まで毎週のように試合があるJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)ツアーに参戦するトッププロが、クラブをロッドに持ち替えてシーバス釣りに初チャレンジ。結果からいうと一流アスリートは飲み込みが早く、集中力と勝負勘が冴えまくり! 最後に爆釣劇が待っていた!! 実釣動画はゴルフ総合サイトALBA NetのALBA TVで視聴可能だ。
●文:ルアマガプラス編集部 ●取材協力:シマノ・オーナーばり・スミス・サンヨーナイロン・ハピソン
シーバス釣りに挑むのはこの二人
青木 瀬令奈(あおき・せれな)
1993年2月8日生まれ。群馬県出身。7歳からゴルフをはじめ18歳でプロデビュー。’22シーズンは資生堂レディスオープン優勝など着実に力を付けているトップ選手の一人。海釣りの経験はエサでアジ釣り1回のみ。ルアーフィッシングは初チャレンジ。2023年、超高級腕時計メーカー、リシャール・ミルと所属所属契約を締結。
成田 美寿々(なりた・みすず)
1992年10月8日生まれ。千葉県出身。トーナメントで通算13勝の強豪。とくに優勝をかけたプレーオフで5戦4勝の勝負強さが魅力だ。’22年11月に休養宣言をし、現在は復帰に向けて充電中。釣りはバスフィッシングの経験はあるが釣果はゼロ。
実釣アドバイザー
石坂 衣里(いしざか・えり)
オフショア、船釣り、トラウト、ヘラブナなど幅広い釣種を得意とするレディースアングラー。スポーツ紙などのメディアでも活躍中で、今回は先生役として同船し、的確なアドバイスで二人の釣りをサポート。
「絶対に釣る!」期待に胸を躍らせて、いざ出船!
実釣は2月初旬。ツアープロの短いオフシーズン中で、オフとはいえトレーニングやイベントなどで多忙な日々を過ごしている。
そんなお二人を海へと誘ったのがALBA TVのロケで、初めてのシーバス釣りが実現。二人は“嫁”、“旦那”と呼び合う大の仲良しというのはゴルフ界では有名。乗船前は初めてのシーバス釣りにさぞかし緊張しているのかと思いきや盟友との釣行にリラックス。
むしろ「どうやって釣るんですか?」「絶対に釣る!」とお二人とも戦闘モードで実釣に臨んでくれた。では、ゴルフのことはちょっとだけ陸に置いといて、釣りでリフレッシュしていただきましょう! 実釣後は釣れた魚をお寿司屋さんに持ち込んで美味しくいただくという楽しみも企画されている。ボウズは許されない。
【川崎 つり幸】
メタルジグをボトムまで落として巻くだけ。釣り方は簡単!
釣り方はメタルジグを使うジギング。お二人とも初めてで、石坂さんはまずベイトリールの使い方からレクチャー。
石坂「クラッチを切って親指でスプールを抑えながら糸を出して、水面までルアーを垂らしたら止めてリールのカウンターを0にしてください。親指を放してルアーを底まで沈めます」
メタルジグが着底したら船長が指示するタナまで巻き上げるのが、シーバス狙いのジギングの基本操作。
青木「初めてでも意外と簡単ですね」
そう、釣り場の水深は深くても30m前後で初心者でも着底がわかりやすく、シーバス初挑戦に最適な釣りだ。
石坂「巻くスピードやメタルジグの重さ、カラーで釣果に差が出ます。そこが面白いところです」
船釣りは船長が釣れるところに連れていってくれる。あとはお二人が釣るだけです!
初ヒットはセイゴ。目標は60cm以上のスズキだ!
実釣開始から約1時間。初挑戦のお二人だけでなく、乗合船のほかの釣り客にも魚の反応は乏しい。
石坂「この釣りでこんなに渋いのは珍しいですね」
船長が魚探でベイトフィッシュの群れを確認しながらこまめにポイントを変えて釣り進めると、8時30分に船中でセイゴクラスがバタバタっと釣れ出し、その流れで青木さんに待望の初ヒット!
青木「巻いてたらコツッときました。かわいいですけど、まずは1尾、釣れて良かった」。すぐさま成田さんも続く。
成田「やっぱりアタリがあると楽しいですね」
時合いが到来し、バラシがありつつもお二人とも数尾のセイゴをキャッチ。
青木「これ、食べれます?」
石坂「セイゴクラスの小さなシーバスはリリース。40cm以上のフッコ、いや60cm以上のスズキを頑張って釣りましょう」
お二人そろってセイゴをキャッチ。「アタリがあると楽しい!」。釣りの魅力に触れていただけたようです。
アタリがない…想定外の苦戦。実釣後の食材調達がピンチか!?
セイゴのアタリに気を良くしたお二人だが、後が続かない。セイゴの時合いから2時間、3時間と経っても周りの釣り客がポツポツ釣る程度で、船はポイントの移動を繰り返す。
石坂「これはなかなか厳しいですね。常連さんも今日は普段の1/3も釣れていないそうです」
11時半すぎの干潮潮止まりを知ってか知らずか、アタリがない時間に戯れる2人。集中すべきときのオンとオフの切り替えはさすがです。
石坂先生は二人が使うジグのタイプ、重さ、カラーを変え、動かし方をアドバイスするがシーバスは応えてくれない。時間だけが刻々とすぎ、沖上がりまで残り1時間ちょっと。このままでは実釣後のお楽しみの食材がない…。
周りで釣れ始め、スイッチオン! 目標のスズキクラスをキャッチ!!
干潮潮止まりから約2時間後、そろそろ上げの潮が効き出すという頃合いに周りの釣り客にフッコクラスがバタバタッとヒット。
成田「あの人、釣れてますね」
青木「あっちの人も釣れてる」
深い弧を描くロッド。周りの釣り客に魚が反応しだすと、一気に集中力がアップ。
成田「よし、きたっ! けっこう大きそう」
時合いにのった成田さんに良型がヒット。セイゴとはロッドの曲がり方が明らかに違う。
成田「巻いてきて落とし直すとガンッときました」
好機を逃さず、60cmのスズキをキャッチ!
上から下にメタルジグの軌道が切り換わる瞬間に見事に喰わせた。計測するとジャスト60cmのスズキクラス。目標達成!
残り1時間で連発! シーバス釣り初挑戦を大満喫!!
こうなると青木さんも負けてはいられない。成田さんが釣った後に50cm超のフッコクラスが連発。成田さんも同クラスを釣り上げ、沈滞していた船上のムードが一変。
青木「釣れてる人を見てルアーの色やリールを巻くスピードを真似したら釣れました。同じ船で情報を共有して楽しめるのも面白いですね」
成田「私もまた釣れたでござる(笑)」
お二人のロッドが交互に曲がる。
成田「最後にどハマりして楽しめました。3日目まで我慢のゴルフで最終日にその鬱憤を晴らすかのようなバーディーラッシュで逆転優勝、みたいな(笑)」
どうやらシーバスフィッシングを満喫いただけたようです。
石坂「お二人とも教えなくても周りの人を見ながら釣り方を変えて色々試していました。飲み込みが早いからこんな渋い日でもきっちり釣れたんだと思います」
食べる分のシーバスをキープして無事沖上がり。大満足の実釣となった。
沖上がり間際にお二人とも良型をバタバタと釣り、青木さんがまたかけると石坂さんは「美寿々さん、タモ入れやってみます?」と手ほどき。成田「タモは縦にして掬うそうです!」と一発でネットイン。一流は何をやっても飲み込みが早いということです。
実釣後は、食べて楽しむ!
実釣後「また釣りがしたいです」と口をそろえるお二人。
成田「次はタイに挑戦したいですね」
青木「大物が釣りたい。美味しい魚が良いですね」
成田「そう、美味しい魚(笑)」
『寿司と日本酒よってき』
神奈川県川崎市幸区中幸町4-51-6 福島ビル2F/TEL050-5589-2512
『女子プロゴルファーのシーバス初挑戦!』は大成功! 釣りにハマってくれたようです。今シーズンのご活躍を期待し、来オフもまた海でお会いしましょう!!
使用タックル紹介
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