エントリー向けからハイエンド機種まで、マイクロスプーン用など、とにかく種類が豊富で何を買えばいいのか迷いやすいのがエリアトラウト向けロッド。最初の相棒はどのように選ぶのか、ロッドの知識とともにひもといていこう。「アングラーズショップ maniac’s」店長の駒崎佑典さんに伺った。
●文:ルアーマガジン編集部
釣りが全く初めてならクランクベイトに使えるロッドから！
ビギナーが最初に手にするロッドは、どんなスペックのものが良いのだろうか。
駒崎「気にするべきロッドのスペックですが、同じライト（L）パワー表記でもメーカー各社で全然違います。エリアトラウトロッドでは、パワー表記を基準に考える時代は終わったのかもしれません。あとはテーパー。これには積極的にアワセを入れるのに向いた「掛け調子」と、魚のアタリを合わせず掛ける「乗せ調子」というのがあるのですが、自分でどういう釣りがしたいかで変わります。投げたいルアーの重さを表すパワー（対応ルアー重量）と、テーパー（竿の調子）を考え合わせると、それが欲しいロッドの答えになるといえます」
駒崎「そんな中、ビギナーに1番勧めたいルアーの種類は、クランクベイトです。トラウトは一定層を同じ速度で巻くと釣れる魚で、それをウルトラライトのロッドとナイロンラインでスプーンをやると手応えがあやふやになりがちです。とはいえスプーンは、1日の中で最も出番が多いルアーでもあります。本当はクランク用とスプーン用、2本を用意していただけると良いかもしれません」
ロッド選びは「パワー」と「テーパー」で用途を見極めよう
「パワー」と「テーパー」で導くロッドの用途
パワーとテーパーの組み合わせで、自分が出掛けるエリア、使おうと思っているルアー、そして使い方にマッチするかを判断することが可能になる。
「パワー」とは
適合するルアーの重さのこと。ML（ミディラムライト）、L（ライト）、UL（ウルトラライト）などと表記される。最近ではこの範ちゅうに当てはまらないものも多く、気になるロッドが見つかったら、適合するルアーウエイトの重さをしっかりチェックしよう。
「テーパー」とは
テーパーとは、竿がどこで曲がるかを表現したもの。ファストは先調子。エリアトラウトだと掛け調子と呼ばれることも多い。スローはロッド全体が曲がる乗せ調子。その中間的な位置づけなのがレギュラーテーパーだ。
フィールドの規模によって異なるが、主流は6ftから6ft3in前後
駒崎「今ラインナップが多いロッドの長さは、6ftから6ft3in前後ですね。感度や操作性の良さからこの長さが主流なのかもしれません。この長さで全国的に大丈夫だと思いますが、釣り場や状況によりこの範囲外のバリエーションが必要となることもあります」
最新エリアトラウトロッドの傾向
最初の1本にオススメのロッドは……
クランク用ロッド「L～MLのスローテーパー」
駒崎「浮いて、ルアーが持つ泳層を一定速で巻いてくれば釣れるというのがクランクの良いところ。フックも2つ付いていますからビギナーの方にオススメのルアーです」
スプーン用ロッド「ULのレギュラーテーパー」
駒崎「スプーンはいわば先発ピッチャー。その日の魚のレンジや色、波動とかを最初に見つけるのに使います。複数本持っていたとしても、1日の中で使う割合が最も長い。最初の1本を買うのであれば、そういうことができるスプーンロッドを選ぶのも良いですね」
駒崎「浮いて、ルアーが持つ泳層を一定速で巻いてくれば釣れるというのがクランクの良いところ。フックも2つ付いていますからビギナーの方にオススメのルアーです」
最初に買うロッドの価格帯はどれくらい？
2万円前後からスタートグレードアップではなく本数追加を
気になる最初のロッドの価格帯は？
駒崎「オススメは、エントリーモデルでも2万円前後のものから。ワンタックルだけお金の気合いを入れてもしょうがなくて、1本目から6本目まで平均点が高くないと、タックルバランスがすごく悪くなってしまいます。いきなりハイエンドを1セット買うより、エントリークラスなどで良いものを2セットの方が、同じ金額で釣果がまったく変わってきます」
ハイエンドロッドはエントリー向けロッドどう違う？
軽さや施されたコスメなどが違いますが、必ず釣果が上がるというわけではありません
駒崎「1番わかりやすいところで言うと、軽さや感度など、実釣せずとも分かってしまうぐらいのところが最大の特徴。あとはロッドに施されているコスメの部分。ただ高いロッドだから釣果が伸びるということではありません。使い方などスタイルの問題でもありますので。安くても素晴らしい曲がりのロッドはいっぱいあります」
駒崎佑典さんのプロフィール
駒崎佑典（こまざき・ゆうすけ）
マニアックス代表の駒崎佑典さん。量販店スタッフを経て、7年前にマニアックスをオープン。担当はルアー全般で、特にトラウト歴は約20年。新しいモノはほぼ全部を自身の手で確かめているという。フィールドへも足繁く通う、知識と経験、活きた情報という三拍子が揃った、頼れる存在だ。
駒崎「新規で釣りを始められた方は圧倒的に増えています。でもエリアトラウトは、魚は少なくとも見えているし、なかなかボウズで帰ることがないので、ほかのジャンルと違って離脱せずに増え続けている状態ですね」
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