河辺裕和さんが選ぶメガバスルアー『アイウイング135』『ポップX』『X-80 トリックダーター』

36年間にわたる歴史のなかでメガバスという名のゆりかごに産み落とされてきた数々の名作ルアーたち。このページでは、数々のメガバスルアーから3つのテーマ「好きなルアー選ぶなら:偏愛」「メガバスを象徴するなら:真髄」「これは釣れる:卓越」に沿って私的な観点にて唯一無二のアイテムを選んでもらった。今回は河辺裕和さんのセレクトをご紹介。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 シーバス特集

河辺裕和さんのプロフィール

河辺裕和(かわべ・ひろかず)

国内で高比重マテリアルの有効性を知らしめたゲーリーインターナショナルのゴッドファーザー。氏が手がけた作品は数知れず、ワームでは本誌TOY殿堂入りのカットテールワームを始め、ヤマセンコーやレッグワームなど超人気作が多数。

ハードベイトではYABAIブランドを立ち上げ、フナベイトやヤバイチュッパなど釣れ筋ロングセラーで知られる。

波乗りとバスフィッシングを融合したハイセンスなスタイルは、世代を超えた憧れの存在として認知されている。

【偏愛ルアー】アイウィング135

タックル

ロッドデストロイヤーオロチX10 F5.1/2-69XT ベアリングダウン
リールスティーズ SV TW(DAIWA)K.T.F.チューン
ラインガノア アブソリュート AAA 16lb(バリバス)

これは試合でもよく使うトップウォーターのひとつ。七色貯水池で水中の立ち木のトップをねらったり、桧原湖のスモールマウスにも効果的だった。

いちばん好きなポイントは、スローに巻いたときの羽根の動き。ピクピクと悶えるようなアクションが出せる。ハネモノにもいろいろ種類があるけど、そのなかでも特にデッドスローが得意なアイテムだと思う。一方で、速めに動かさないと食ってくれないこともあって、そんなときもルアーを変えずに対応できるのがアイウィングの強み。おそらくテール側がジョイント構造になっていることで、幅広いリトリーブスピードに対応できるんだろうね。

カラーはそこまでこだわらないけど、ベイトフィッシュを食ってるようなときはベリーが白っぽいものを選ぶ。ハイスピードで使ったり、スポーニング期にイライラさせたいときは派手にしてます。

【真髄ルアー】ポップX

タックル

ロッドデストロイヤーオロチX10 F1.1/2-65XT クリフハンガー
リールスティーズCT SV TW(DAIWA)K.T.F.チューン
ラインガノア アブソリュート AAA 10lb(バリバス)

これぞメガバス! って思えるのは、やはりポップXでしょう。発売当時はまずこの造形とカラーリングに衝撃を受けた。よくこんなの作れるよな、と。お店に並んでも買えない時代だったから、すぐには手に入らなかったけど(笑)。 印象に残っているのはこのバスカラーだね。ここまでリアルなものはなかった気がするなぁ。

僕もポッパーは昔から大好きで、自分でもいくつかデザインしてきたけれど、かつては「カップで捕食音を出して誘う」なんて言われてた時代があって。だけど経験上、ガボッ! と動かして食ったケースなんて少なかった。むしろきれいに首を振らせたほうが釣れる。

トップウォーターで攻めたいけど、少し濁っていたりしてペンシルベイトではパワーが弱い。そういうときに必要なのがポッパー。そういう意味でもこのルアーは釣れる要素を押さえている。浅めのカップで小刻みにドックウォークさせやすくて、適度なポップ音とスプラッシュを備えていて、とにかくバランスがいいんです。

【卓越ルアー】X-80トリックダーター

タックル

ロッドデストロイヤーオロチX10 F4-68XT ジャバウォック
リールスティーズCT SV TW(DAIWA)K.T.F.チューン
ラインガノア アブソリュート AAA 10lb(バリバス)

僕が思い描いていた理想のダートアクションを現実のものにしてくれたジャークベイト。ワンテンも使うけれど、個人的にはこっちのダート性能が大好きです。

左右にストーン! ピョーン! と大きく跳びながら、手前にはなかなか近づいて来ない。バスの立場からすれば、逃げてはいるけれど追いつける動きなんだよね。視界から消えて、また戻ってきて、さらに食いたくなっちゃう。

「カワベがジャークベイト?」って思われそうだけど、実は昔から河口湖でよくやってたんです。得意だったのはサスペンドミノーのドラッギングジャーク。それも、ごくスローに流していく方法。

当時はニジマスが放流されていて、派手な動きだと全部マスが食ってしまう。「トン……トン……」ぐらいの弱いアクションにするとバスを選んで釣っていけるんだよね。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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