マルチアングラーの渡邉長士さんによる当連載。今回は、東京湾でのボートメバルゲーム。しかも、プラグ縛りで展開! 果たして、良型メバルをキャッチすることはできるのか…!?
●写真/文:渡邉長士
マルチに活躍するライトゲームエキスパート
渡邉 長士(わたなべ・たけし)
千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。DAIWAフィールドテスター。
実は、ボートでのメバル釣りは初心者レベル!? プラグオンリーで展開!
ルアマガ+をご覧になっている皆さま、こんにちは。DAIWAフィールドテスターの渡邉長士です。今回は東京湾のボートメバル釣行をレポートしたいと思います。
東京湾でのボートフィッシングはガイド船でのアジングや乗合のバチコンなどで、年間5~10回ほど釣行しますが、ボートを使用したメバル狙いは過去に1~2回ほどしか経験がなく、最後に行ったのも恐らく10年以上前と、ボートメバルはほぼ初心者レベル。
と言っても、舞台は魚影の濃い東京湾のボートゲーム。きっと釣れるに違いないと、今回はプラグオンリーで楽しんでみることにしました。
今回乗船したのは「ジョーズガイドサービス」さん。実は船長の伊藤さんは東京湾のガイド船では第一人者的な方で、そのキャリアは20年以上。横浜から出船し、シーバス、青物、クロダイ、ロックフィッシュなど、あらゆるルアーゲームに精通していますが、中でもアジング、メバリングは得意中の得意。過去にはルアマガ・ソルトのアジング王バトルBoatでもお世話になりました。
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バチコンエキスパート橋詰さんの釣行に同船。まずはバチコンからスタート!
釣行日は3月中旬。出船は午後6時ということで、その前に横浜から出船するLTアジ船の乗合バチコンで肩慣らし。水温はまだ低くかなり渋いと聞いてはいましたが、結果は8尾と微妙な数字。
これは後に聞いた話ですが、バチコンのエキスパートでもあるダイワフィールドテスターの橋詰さんは数日前の釣行で2尾ということだったらしいので、8匹は健闘だったようです。
日没後、いよいよ本命のメバルゲームがスタート!
さてさて、今回のボートメバルはその橋詰さんとDAIWAスタッフも同行。というか、自分が東京湾でのボートメバルをやりたかったため、この2人の釣行に突然お邪魔したかたちです。今回使うタックルは以下の通り。
【使用タックル】(※全てDAIWA)
- ロッド:月下美人 EX 68L-T 冴(SAE)
- リール:エアリティLT2000S-H
- ライン:UVF月下美人デュラセンサー+Si2 0.4号
- リーダー:月下美人フロロリーダー 8lb
- スナップ:月下美人 ナインスナップ T
ルアーは「月下美人 しずる50S」からスタート。最初にプラグオンリーで楽しむといいましたが、このプラグはソフトルアーとのハイブリットになっています。標準装備のツインテール状のソフトルアーに予備のソフトルアーが1本付き、サイズは50mmで1.6g(ソフトルアー込みだと2g)。
【ルアーローテーション①】
メバリングの場合は、スローからミディアムスピードでのリトリーブが基本。状況に合わせて、1秒~2秒間にリールハンドル1回転を目安にリトリーブスピードを調整するのがオススメ。
リトリーブスピードを上げるとウォブリング系のブリブリとしたアクションで広範囲にアピールしながらも、テールのソフトルアーがナチュラルな波動を出すためハイアピールながら喰わせ力の高いルアーです。
最初に攻めたウィードエリアはまだ日が完全に落ちる前ということもあり、5分ほど攻めるもノーバイト。そこで次のポイントへ移動。簡単にエリアを変えられるのもボートフィッシングの魅力です。そして普段は立ち入ることのできない工業地帯を間近に見ながらの釣りは、外房民の自分にとっては非日常の体験。これもボートフィッシングの醍醐味です。
次のポイントでは護岸から少し離れたところを流していき、護岸際にキャストしていきます。着水して数秒待ち、月下美人 しずるを少し沈めてからリトリーブスタート。すると早速ヒット! サイズは20cm程度ですが本命のメバルをキャッチ。
ボートは徐々に移動していくため、常にフレッシュなポイントを攻められるので、その後もバイトが連発。サイズは同じく20cmですが、立て続けに数尾を追加。
そこで月下美人 しずる50Sを少しアレンジ。純正のソフトルアーから「アジングビーム バチコンカスタム2.2in」にチェンジ。カラーは大好きな強夜光のフルルミノーバ。ボディーのウォブリングでアジングビームがテロテロと艶めかしく動きながら強夜光でアピールすると、このセットも好反応!
月下美人 しずる50Sは、好きなソフトルアーをセットできるため、違うアクションやカラーに変えられるのが面白くもあり実用的。他にも色々と実験したいところですが、他のルアーも使いたい。
ということで、「月下美人 稚美魚しらす」にチェンジ。「メバルプラッギングゲーム」と言いつつも、コイツは半分どころか全てソフトルアー素材のシンペンです。ボートは最初のポジションに戻り、もう一度同じストレッチを流してくためナチュラルなアクションで攻めるのが狙いなのです。
【ルアーローテーション②】
推奨アクションは「月下美人 稚美海老48」と同様に、リール1秒1回転程度で「4回リールをゆっくり巻いて3秒止める」の繰り返し。タダ巻き時は、尻尾をわずかに振りながら小魚が弱々しく泳ぐ姿を演出。リーリングを止めれば、ボディを震わせながらフォールし、メバルに口を使わせる。
稚美魚しらすはただ巻きではわずかにテールを振ってロールするため、まさに弱ったシラス。キャスト後に少し沈めてからリトリーブすると、ナチュラルアクションで2周目にも関わらずバイトが連発。ボディにはクビレがあるため、折れ曲がりフッキングしやすいのも特徴なので、口の奥にしっかりフッキングすることが多いです。
三連ボディのジョイントタイプのシンキングペンシルを投入!
次に取り出したのは「月下美人 しらすJ」の55S。コイツもシンペンですが、特徴はなんといっても3連ボディー。ハードルアーでありながらヌメヌメとしたアクションが出せるため、スレたメバルに最適です。
【ルアーローテーション③】
ハンドル1秒1回転程度のミディアムリトリーブに対応。潮の流れが速い場合やレンジが深い場合に使いやすい。有効レンジは水面下50cmから1.5m。ウエイトルームに配した3つのボールはすべて鉛素材。
下アゴには極小のリップがあり、これが地味にいい仕事をするのですが、適度な抵抗を生み出し操作感がアップし、流れの中のドリフトもやりやすくなります。これまた同じように5秒ほど沈めてからリトリーブを始めると、その直後からバイトが多発し、月下美人 しらすJでも連発しました。
【暗視スコープカメラ「サイオニクス」で撮影】
ここで以前ルアマガ+でも紹介していたナイトスコープの「サイオニクス」で写真を撮ってみると、エモい写真が撮れました。ちなみに、最も明るく見えるナイトモードではなく、トワイライトモードがベストでした。ナイトモードで撮るには東京湾は明る過ぎました(笑)。
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23エアリティ インプレッション
ちなみに、今回使っているリールはエアリティLT2000S-Hですが、ここでエアリティの雑学を1つ紹介します。22イグジストから搭載された4つのテクノロジーからなる「エアドライブデザイン」がエアリティにも継承され、より自重と回転フィールが軽くなりましたが、とことん細部までこだわっているのがローターに見ることができます。
従来まではローターとベールをつなぎ、ラインローラーを固定するビスの頭は外側にありましたが、エアドライブローターではビスの頭が内側になっています。ビスは頭の部分が当然重いため、回転するローターにおいて重いビスの頭をなるべく内側に寄せているわけです。回転レスポンスを良くするためにビスの向きにまで気を配っているわけです。
メバルのサイズアップを目指して、次のポイントへ移動!
話を釣りに戻すと、これまで数ヶ所のポイントを移動しながら20cmクラスのメバルを連発しましたが、ここで伊藤船長が「もう少し大きいのを狙いに行きましょう」と提案。もちろん異論などあるはずなく、ボートを次のポイントへ走らせます。
次に向かったのも護岸狙いですが、少し奥まったエリアにある隅の場所。この隅の部分に良型のメバルが付いているとのこと。そこでルアーを少しサイズアップして「月下美人 漣Z 60F」にチェンジ。護岸ギリギリの隅にキャストし、リトリーブを始めるとすぐにゴゴンッとヒット。これまでのメバルよりも重量感があり、確かにサイズは良さそう。
上がってきたのは26cmほどの一回り大きなメバルでした。ここでは橋詰さんとダイワスタッフも27~28cmをキャッチ。さすが経験豊富な伊藤船長。
【ルアーローテーション④】
藻場に潜む大型メバルを攻略するために開発されたシャロースリムミノー。通常のミノーでは引くことができないような場所でも攻略できるスーパーシャローランナー。表層のベイトを意識した個体に対して高いアピール力を有する。
最後に流したポイントでは護岸際に「月下美人 澪示威」をキャストし、少し深いレンジを攻めるためにフォールさせていると、フォール中にヒット。これは明らかにメバルとは違う引き。上がってきたのは40cm弱のクロダイでした。
その直後にまた大きな魚がヒットし、数分のファイトの末にキャッチしたのは65cmほどのシーバスでした。その後も数匹メバルを追加し、大満足で港へと戻りました。
ボートメバルはメチャクチャ楽しい!
今回は久しぶりの東京湾ボートメバルでしたが、やはり楽しい!関東のショアだと釣りができる場所も制限がある場所も多く、ある程度のサイズの数釣りはハードルが高めです。しかし、ボートなら数もサイズも狙うことができ、チャーターだと仲間内で気兼ねなく楽しめ、釣り人のレベルに合ったポイントや釣り方を選んでくれるため釣果も堅いです。
これならガソリンを使って往復数時間かけてオカッパリのメバルをやるよりも、コストは少し多くかかるもののタイパ(タイムパフォーマンス)は圧倒的に良いです。
実釣したタイミングではメバルのレンジはやや深めだったためジグヘッドリグの方が簡単に釣れていましたが、今回のようにプラグにこだわって遊んでも数も出て十二分に楽しめました。これはオカッパリではなかなかできないことだと思います。
橋詰さんも良型メバルをしっかりキャッチ。
オカッパリだと年末年始の頃がプリスポーンのデカメバルが狙えるハイシーズンですが、船長に今後のメバルの動向を尋ねると、東京湾のボートメバルはこれから4~5月がハイシーズンとのこと。
一年のなかでも最もサイズが狙え、数釣りもでき、時には15cm程度の大きなルアーやトップにも果敢にバイトしてくるそうです。
当日は、月下美人 稚美海老(チビエビ)48も活躍した。
これはハイシーズンにまた遊びに行くしかないですね!
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