何故か釣れない! エリアトラウトのフック着ける方向あってる? フックの基礎知識

どんな釣りでもフックがなければ、魚を釣ることはできない。ゆえに、疎かにしてはならない重要項目なのだが、極限のプレッシャー下が当たり前のエリア界では時にルアーさえも凌駕するファクターにもなり得る。つまり、フックを正しく理解して扱うことこそ最もお手軽な釣果を伸ばす方法であり、盲点。「なんだ、針のページか…」と読み飛ばしたアングラーに確実に差を付けられる大切なことばかりなので、熟読すべし! 解説してくれたのはエキスパートアングラー・和田浩輝さんだ。

●文:ルアーマガジン編集部

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釣果を伸ばす最短ルートは『フック』にあり!

シンプルゆえに奥が深いフックの世界

フックがなければ魚は釣れない。ごく当たり前のことだが、エリアトラウトではフックという存在が戦略さえも左右することが時としてある。それくらい重要な存在であることをまず理解していただきたい。

和田「エリアトラウトはバーブレスフックの使用が前提となるので、糸のテンションが抜けたりすれば、普通のフックに比べてはるかに外れやすい釣りです。そうなってくると重要なのは形状で、バレにくい形状でありつつ、刺さりやすさや掛かりやすさを求めていかなくてはいけないんです。

さらに使うルアーによってフックに求められる性能も変わるので、フックの基礎知識やルアーへのマッチングなどを学んでいきましょう」

フックの基本知識

アイ

スプリットリングを接続するところ。スプーン用は横アイ、プラグ用は縦アイが基本。アイの向きによって、力が加わる方向が決まるため、針先の向きと相まって重要となるパーツ。

ポイント

針先のこと。内向きになるほど刺さりやすく、外向きになるほど針先が立ちやすい。どんなに刺さりやすくても、針先が立たなければ掛からないので、バランスが重要。

ゲイプ

針先とシャンクまでの間のこと。一般的にはワイドなほど掛かりやすく、ナローなほど貫通力が高いと言われているが、ポイントとアイの位置にもよる。

バーブレス

エリア用フックは魚へのダメージを配慮してカエシ(バーブ)がない。抜けやすいというデメリットが目立つが、バーブがない分摩擦抵抗が少ないため、フックが貫通しやすいというメリットもある。

ベンド

針が魚の口を貫通した後、ホールドする部分。針先からベンドの先端までが遠いほど保持力が高いが、その分たわみが小さく折れやすくなる。

フックパッケージに書いてある名称の意味やナンバーの読み方

例:SP-21F(ヴァンフック)

リリースされてから約20年ほど経つ今もなお、その形状自体に変化がないバランスの取れたフック。スプーン用として多くの人から熱い支持を受けている。

SPの部分はフック種類を表し、この場合は「スプーン」向けという意味。さらにワイドにSWなどがある。

数字はフックの線径の太さ。11、21、31、41と数字が大きくなるにつれ、フックの軸線径が太くなる。針が細いほうが貫通力が高くなるが、太いほうが耐久性が高くなる。

なお#8などルアーフィッシングフックのナンバー表記は、大きい方が針のサイズが小さくなり、日本の釣り針の号数と逆なので注意しよう。

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VANFOOK(ヴァンフック)

フックの向きについて

【スプーン】例:プレッソムーバー 2.4g(DAIWA)

カップ(裏面)に針先が向くように。スプーンはカップを上にしてウォブルするため、針先を上に向かせるためにはカップ側にポイントが来るようにセット。基本だが、見落としがちな部分でもあるので、注意したい。

カップ(裏面)に針先が向くように。

【クランク】例:プレッソ ワブクラ Jr.(DAIWA)

スプーン同様、針先を外に向けることで掛かる確率を高める。進行方向に針先が向いていないため、クランクなどでボトムを叩いてしまっても、針先へのダメージはなく、根掛かりもしにくい。

巻く釣りは外向きに。

【トップ】例:プレッソ ポッピンバグ(DAIWA)

トップウォーターやミノーなど、魚の目線より上で誘うモノに関しては、リアフックを内向きにすることで下からのバイトをしっかりと掛けていくことが可能に。

下から食わせる釣りは内向きに。

プラグフックは縦アイが基本…だが?

プラグはリアアイが基本縦のルアーが多く、スプリットリングを介するとどうしても針先を横に向いてしまう。そのためプラグ用の縦アイフックなどもあるが、現状ではスプリットリングを2連結にし、スプーン同様、横アイのフックをそのまま使うのが主流。可動域が増える分バレにくさにも繋がる。

和田浩輝さんのプロフィール

和田浩輝(わだ・こうき)

若くして、エリア界最強マイスターの一角に君臨する天才。その戦績は圧倒的で数々の大会で輝かしい成績を収め、見事トリプルマイスター達成。ヴァンフックのプロスタッフおよび、DAIWAフィールドスタッフを務める。

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  • 発売日:2022年11月16日

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