メガバス主な「クランクベイト」をスタッフが使い方付きで全部解説

あらゆるジャンルを網羅するメガバスルアー。その膨大なアイテムを、2022年のコンセプトアルバム(カタログ)準拠で一挙に掲載! メガバスのサポートを受けるスタッフ陣オススメの使い方とともに紹介する。メガバス歴が浅いならそのバラエティ豊かなラインナップに驚き、往年のファンであれば現在のメガバスの姿を知ることができるはずだ。今回はクランクベイト11点をご紹介。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 シーバス特集

ビッグM

マグナムクランクのメガバス的回答

2.0、4.0、7.5と潜行レンジの異なる3タイプをラインナップするメガバス的マグナムクランク。各モデル共通して、サイズ感やウエイトからは想像できない軽快な巻心地が大きな武器。また巨体かつフラットサイドボディによるフラッシングは強烈であり、その威力を遺憾なく発揮させられるローリングアクションで、到達深度よりも遥かに深いレンジのバスに強烈アピールする。

山出篤さんの解説

BIG-M2.0は、他のビッグクランクと比べても引き抵抗が圧倒的に軽く、1日中巻き倒せます。より深いレンジを攻めれる4.0は、2.0よりもローリングとアピール力が増幅されています。個人的にはマッディレイクや濁りの入った状況での使用頻度が高いです。7.5は近年流行りのライブシューティングでも釣果をあげていますが、このサイズのルアーでは今まで狙うことの出来なかったレンジに届くことも大きなアドバンテージになります。

項目スペック
全長126mm、114mm
重さ2oz、2.1/8oz
タイプフローティング

グリフォン ベイトフィネス SR-X/MR-X

ベビーグリフォンもモデルチェンジ!

グリフォンのスモールサイズ版・ベビーグリフォンもオリジナルのモデルチェンジに合わせて刷新! デザインの方向性はオリジナルと同様で、ベイトフィネスの名に相応しい、超コンパクトシルエットになっている。その小ささからは想像できないほどの素早く動き回る水中での存在感は、バスに見つけさせやすく口を使わせやすいという、コンパクト&ハイアピールの極致とも言えるだろう。

狩野陽さんの解説

春先などの低水温期にミディアム~ファストリトリーブに反応できない、シャローのハードボトムに張り付いているバスを狙う時に有効です。スローリトリーブで、ハードボトムをゆっくり巻き、当てて止めるor当て続けることを意識してほしいですね。

項目スペック
全長38mm
重さ3/16oz
タイプフローティング

グリフォン SR-X/MR-X

メガバスのマスコット的ルアー

コンパクト&ハイアピール設計で知られており、メガバスのマスコット的なルアーとしてもおなじみなのがグリフォンシリーズ。2016年にモデルチェンジを果たしており、まんまるだったシルエットはやや横扁平に。もちろんハイドロダイナミクスコンセプトは踏襲されていて、障害物やボトムに接触した際の跳ね返るようなエスケープアクションと、そこからの素早い復元能力は顕在!

小松友哉さんの解説

小粒ながらワイドなアクションは、ため池はもちろんのこと、河川のワンド周りといった小場所など、ハードベイトで1尾引き出したいときに必要です。流入河川系、水門まわりなどの水の動くエリアでもOK。SRとMRはリトリーブスピードで使い分けます。

項目スペック
全長43mm
重さ1/4oz
タイプフローティング

スーパーZ Z1

メガバス最初期の意志を受け継ぐ次世代クランク

1987年にリリースされたメガバス最初のハードプラグ「Zクランク」の名を受け継いでいるのがスーパーZだ。シンプルなクランクベイトルックスながら、ボディ内部には究極とも呼べる重心移動システム「LBO II」を搭載。快適なキャストと、抜群の泳ぎだしに貢献している。中でもZ1はシリーズ中最も浅いレンジを攻略できるモデル。ため池などの小規模フィールドでも使いやすい。

長岡正孝さんの解説

6月~10月ぐらいまで、エビやゴリなどが水深1.5mぐらいまでのアシ際や石積み、木ジャカ等に寄り始めたらチャンス。エビやベイトフィッシュが逃げ惑うようなイメージで正確にストラクチャーを絡めるようにトレースし、底を叩くことを心掛けましょう。

項目スペック
全長53mm
重さ1/4oz
タイプフローティング

スーパーZ Z2

濃密コンタクトで泳ぎ続けるワームのようなクランクベイト

徹底的に突き詰められたデザインと設計により、圧倒的な泳ぎだしの良さを手に入れたスーパーZ。ボトムや障害物にコンタクトしながらも途切れることなく泳ぎ続けるその様子はさながらワームのよう。なかでもミドルレンジに対応するZ2はリップラップや消波ブロック、沈みオダなど、様々なストクチャーとコンタクトする機会が多いモデル。スーパーZの凄みを体験してみたいならこのモデルからがオススメだ。

佐久間尚之さんの解説

スーパーZは小粒にもかかわらず、LBO II搭載で飛距離がめちゃくちゃ出ます。また、スーパーZはボトムのコンタクトポイントに当ててなんぼだと思います。そのため、3タイプを水深によって使い分けますが、その中でもZ2は、最も出番が多いレンジだけに釣果も必然的についてきますよ。

項目スペック
全長53mm
重さ1/4oz
タイプフローティング

スーパーZ Z3

コンパクトクランクで水深4mオーバーを狙える!?

驚きの遠投性能とタイトなロールアクションを得意とするスーパーZシリーズは潜る性能も高い。そのスペックが最大限に活かされているのが、シリーズ中、最も深く潜ることのできるZ3。その潜行深度はマックス4mオーバー! その一方で、一般的なディープクランクのような強烈な引き抵抗ではないため、ミディアムライトクラスのロッドでも容易に扱えてしまうというから驚きだ。

山出篤さんの解説

小粒なディープクランクですが、LBO IIの恩恵で抜群の飛距離を誇ります。ディスタンスが出ることで長い距離を引いてこれるためバイトチャンスも必然的に増えてくれます。使うフィールドを選ばないサイズ感とマックス4mオーバーの潜行深度で深いレンジをスピーディに探る際に多用しています。

項目スペック
全長53mm
重さ1/4oz
タイプフローティング

フラップスラップLBO

いぶし銀フラットサイドクランクのLBO版

アメリカのトーナメントでも活躍するメガバス製フラットサイドルアー「フラップスラップ」のLBO搭載バージョン。オリジナルモデルが誇っていた、驚異的なローリング性能が、LBOによってさらに増強。一方、フラットサイドクランクの泣き所とも言えたキャスタビリティの悪さはLBOによってカバーされており、遠投性能や強風下での使用感は向上している。繊細な操作で泳ぐそのレスポンスは、タフコンディションでも心強い!

横山修史さんの解説

イメージはディープX100とシャッディングXの間を埋める感じです。テトラやリップラップなどのモノに当ててリアクション要素で食わす時にめちゃくちゃ有効です。特に秋の小魚を荒食いするタイミングでは必須。旧吉野川の場合、落ちアユパターンでなくてはなりません。

項目スペック
全長77mm
重さ7/16oz
タイプサスペンド

ディープX200 LBO

変幻自在の200もLBOを搭載!

そのシルエットから、単なるクランクベイトにとどまらず、シャッドやダイビングミノー的な様相も見せるディープX200。歴史のあるこの名作にもLBOを搭載! 「多目的重心移動」が果たしていた遠投性能、ダイビング性能、安定したスイム姿勢はLBOとハイドロダイナミクスデザインによりクリア。オリジナルよりもさらにハイピッチになったロールアクションで、現代のバスを魅了する!

小松友哉さんの解説

河川やダムなどのブレイクから一段下のレンジにいる魚に対して狙う時に出番。シャットクランク的な感覚で広範囲に探ることもできますし、障害物やここぞと言うピンスポットなど、深いレンジを幅広く1つのルアーでカバーすることができます。

項目スペック
全長70mm
重さ1/2oz
タイプフローティング
潜航深度MAX3.5m

ディープX100 LBO

あの名作はLBO化でさらにハイレスポンスに!

メガバスを代表するクランクベイトのひとつ、ディープX100にLBOを搭載。オリジナルモデルよりもスレンダーなシルエットになっているのが特徴的だ。LBOの効果も相まってアクションレスポンスは大きく向上! 着水直後からすぐさま急潜行させることができ、狙った水深をより長く狙えるようになっている。もちろん、遠投性能にも磨きがかかっているので、広大なエリアを効率的に探ることができるはずだ。

ハッシーさんの解説

LBO II搭載で飛距離もさることながら、ロール主体のナチュラルアクションの効果は、プレッシャーのかかるメジャーレイクで、威力を発揮します。特にゴロタ石や水中に沈むオダがあるような場所において、回避性能を活かしてストラクチャーに当て込んだり、その上を通す使い方はスプーキーなバスに有効です。

項目スペック
全長59mm
重さ3/8oz
タイプフローティング
潜航深度MAX2.5m

ディープシックス

水深6mでも軽快にスイム!

ディープXシリーズでは最も深くまで潜るモデルであり、その到達深度は6mオーバー。多目的重心移動の利点を最大限に活かした、メガバス製ディープクランクの集大成ともいえるだろう。また、水圧のかかるディープにおいても軽快なアクションを実現できるよう設計された極薄のダンピングリップも大きな特徴。深いレンジにおいてもしっかりと泳ぎ、食わせの間もつくりやすい。

山出篤さんの解説

秋~初冬にかけてのサーモクラインが4~5mにあるタイミングでの使用頻度が圧倒的に高いです。サーモクラインにベイトも多いため、ウォブリングの強いディープシックスでベイトを散らし、ベイトに依存気味のバスにスイッチを入れて食わすイメージ。

項目スペック
全長80mm
重さ7/8oz
タイプフローティング

ディープX300

サポートの枠を超えて使われるディープクランクの傑作。

琵琶湖ガイドで持っていない人はいないのではないかと言われるほど、誰もがその性能を認める傑作中の傑作ディープクランク。多目的重心移動を搭載しており、キャスティング時にはウエイトがテール側に移動して遠投性能に貢献。リーリングを開始するとボディ先端にウエイトが移動し、急潜行を補助。有効レンジに到達するとウエイトはボディ中央部に移動し、艶めかしいアクションを生み出すのだ。

長岡正孝さんの解説

霞ヶ浦水系では春頃から暖かくなり、適水温になるとバスが沖へ回遊しだすタイミングがあります。これはベイトを追いかけての移動のため、水深2~2.5m程の浚渫跡のハンプで一定の深度を保ちながらのタダ巻きメインに、ジャークやトゥイッチでも使います。霞ヶ浦水系でも絶対定番のディープX300です。

項目スペック
全長75mm
重さ3/4oz
タイプフローティング

解説していただいたメガバススタッフの皆さん

小松友哉(こまつ・ともや)
霞ヶ浦をホームフィールドに活躍する若手アングラー。2022年よりJBトップ50に参戦しているトーナメンターであり、オリデス片手に全国をトレイル中。
狩野陽(かの・あきら)
メガバスのお膝元・静岡県在住。ため池から西湖・河口湖まで、あらゆるフィールドに通い詰め、腕を磨く。近年は芦ノ湖のNBCトーナメントにも参戦。
横山修史(よこやま・しゅうじ)
幼少期より旧吉野川で釣りを覚えた川系フィールドのスペシャリスト。トーナメンターとして全国各地を回った経験があり、その知識は豊富。「ボギー横山」の愛称でもお馴染み。
山出篤(やまで・あつし)
西のレンタルボートフィールド筆頭・津風呂湖でのトーナメントに参戦。ストロングスタイルはもちろん、試合仕込みのサイトやフィネステクニックも超一流だ。
ハッシー
淀川番長の愛称でもお馴染みのオカッパリアングラーで、陸王オープン&ダービーでも好成績を残した。近年は全国各地のフィールドに足を伸ばし研鑽を積む。
長岡正孝(ながおか・まさたか)
メガバスからのサポート歴は20年を超える大ベテラン。年々厳しくなっていく霞ヶ浦水系に、長年メガバスアイテムでアジャストしてきた達人中の達人。
佐久間尚之(さくま・なおゆき)
国内屈指のハイプレッシャー岸釣りフィールド・五三川をホームとするアングラー。ビッグベイトを筆頭としたストロングなスタイルで激タフフィールドを攻略!

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

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