テンリュウのハイエンドシーバスロッドシリーズ『SWAT』に、2本のベイトモデルが追加。この、玄人アングラーの遊び心をくすぐるアイテムを、シーバスプロフェッショナルの久保田剛之さんに紹介してもらった。
●文:ルアマガプラス編集部 ●取材協力:株式会社 天龍
久保田剛之さんのプロフィール
久保田剛之(くぼた・よしゆき)
地元湘南を中心に活躍するアングラー。豊富な経験から導かれるランカーシーバス捕獲理論で、コアなファン持つ。サラリーマンとして働きながら釣りも極めるというスタイルに共感するアングラーも多い。テンリュウのフィールドスタッフ。
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長期のテストでついに完成した新SWATベイトロッド
【SW842B-ML/M (Variable Caster)】
【SW932B-ML/MH(Variable Caster)】
モデル | レングス(m[ft]) | 継数 | アクション | 適合ルアーウエイト(g) | 適合ライン(lb) | 適合PEライン(号) | ロッドウエイト(g) | 本体価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SW842B-ML/M | 2.54[8’4″] | 2 | R | MAX60 | MAX25 | MAX2.5 | 129 | 53,500円 |
SW932B-ML/MH | 2.82[9’3″] | 2 | RF | MAX70 | MAX30 | MAX3.0 | 152 | 57,000円 |
バックラッシュを恐れずにフルキャストできる快適さ
SWATのベイトモデルのうち、久保田さんがメインテスターとして監修したのは「SW932B-ML/MH」。今回はこのモデルをメインに使いながら、その特徴を紹介していく。
久保田「このロッドは、中・大型河川やサーフ、干潟などで、さまざまなルアーを快適に使いながらシーバスを狙っていくためのロッド。長さは9ft3inで、遠投もしやすくなっています。ベイトロッドはスピニングロッドよりも設計が難しくて、長ければ長いほど全体のバランスを取るのが困難になってくる。ロッドが長ければ長いほどキャスト時に曲がりすぎてしまって、バックラッシュの原因に繋がります。それは曲がりの収束が遅くなってしまうから。そのために長いロッドは張りを強くしなければいけない。ただ、張りを強くしすぎると魚のバイトを弾きやすくもなる。だから、9ft台のロッドをテンリュウが作るって聞いた時に、難易度が高いことをしてるなと思ったんです」
久保田「でも、実際にテストで使っていくと、C・N・T(カーボンナノチューブ)が入っていてバットも強いし、ブランクスの曲がりのバランスも良いものができてきた。あとは自分もしつこいくらいガイドセッティングをリクエストし、懸念していたバックラッシュのしやすさみたいなものは無くなっています。本当にわずかなガイドセッティングの違いで、バックラッシュしやすかったり抑えられたりということがありましたね。だから、時間をかけてテストした甲斐がありました。ベイトロッドのロングロッドとして、かなり高次元なものが出来上がったと思います」
ベイトタックルは酔狂ではない。大きな武器になるからこそ、SWATにラインナップされている。
しなやかさと強度、そして粘りのあるC・N・T(カーボンナノチューブ)を使用することで、ロングロッドでも収束が速く、吟味したガイドセッティングによりバックラッシュを抑えている。そして、驚きなのは使用できるルアーの範囲。
久保田「自分は7gほどのポッパーから、60gオーバーのビッグベイトまでこれ1本で使いますよ。慣れればもっと軽いものとか、もう少し重たいビッグベイトも使えるようになると思います。曲がってくれるおかげで軽いものもしっかり投げられるし、重たくて体積が大きいものも投げられると。20g前後のシャローランナーやバイブレーションをメインに、小さいミノーやトップウォーター、そしてジョイントビッグベイトや大型ペンシルベイトまで、使えるルアーの幅が広い。だから、シーズンを通して出番のあるロッドになっていますよ」
上からポップX(7g)、ゲンマ110S(21g)、カゲロウ124F(22g)、メガドッグ 180(72g)と、使用できるルアーの大きさは幅広い。
※表記以上のルアー使用はメーカー保証対象外です
使い込むほどに見えてくるベイトタックルの優位性
大きなルアーが投げやすいというのはベイトタックルの大きなメリットだ。
久保田「スピニングよりもベイトタックルのほうが重たいルアーが投げやすいですよね。体積の大きいルアーも投げられるのがベイトタックル。同じ重さでも、メタルジグとプラグではルアーの大きさが異なります。スピニングだと、同じ30gでもメタルジグは投げやすくても体積の大きいルアーは投げにくかったりしますから」
負荷に強くパワフルな釣りができるのというのがベイトタックルの利点だ。
久保田「力強いファイトができるので、大型の魚が掛かったときの安心感が違いますね。また、ベイトリールはクラッチを切って指ドラグを使うことで、手前で思い切り走られた場合にも対応できます。ランカーがヒットした時のキャッチ率はベイトタックルのほうが圧倒的に高いと思いますよ」
久保田「あとはサーフエリアでも結構有利なんです。サーフは波打ち際で食ってくることも多いんですが、ここの近距離のファイトで切られたりフックが伸ばされたりということもある。ベイトタックルなら、フッキングしたらクラッチを切って指ドラグで沖に出してからゆっくりファイトをすることができるんです」
まだまだベイトタックルのメリットがある。
久保田「そして、ベイトは太いラインでも細いラインでも飛距離が変わらないんです。スピニングリールの場合細いラインの方がよく飛ぶんですが、ベイトは1号だろうが2号だろうが、ほぼ変わらない。あとは着底感度はベイトのほうが高いです。ボトムをタイトに狙いたい、着底してからすぐに巻き始めたいという釣りには向いていますね。ベイトリールはスプールからそのままラインがダイレクトに受け止めるので、感度が高いんです。スプールをサミングしながらフォールもできるので、ボトムを取る釣りにはとても有利ですね。あとは手返しが良い。クラッチを切ってすぐに投げて、着水したらすぐに巻き始めることができる。ランガンにすごい向きますね」
パワフルさや大型ルアーのキャスト性、コントロール性能の高さはベイトタックルならでは。
小・中規模フィールドで活躍するのが「SW842B-ML/M」
もう1本のSW842B-ML/Mも解説してもらった。
久保田「こちらは軽めのものを主体に投げたい場合ですね。一般的な大きさのシーバスルアーを主体にして釣りをする場合は84の方が使いやすいです。でも、マックスで60gまで使えるパワーがあるので、ビッグベイトも普通に使えますよ。ビッグベイトを投げ続けて、でも心が折れて小さいものが投げたくなる、というシチュエーションにも対応します。8ft4inというレングスなので、細かいロッドワークがしやすく、トップウォーターやミノーのジャーキングにぴったりだと思います」
久保田「ML/M表記で、ティップがミディアムライトでバットがミディアムというパワー設計です。曲がるからパワーがないということではなく、ちゃんと曲がり込んでくれて、バットで負荷を受けてくれるからパワーを発揮してくれるんです。93も軽く設計してありますが、84は短い分さらに軽く、軽快さを感じてもらえると思います。実際の重さじゃなくて、バランスからくる軽さですね。手に持った時の軽量感は感動ものです。小規模の河川とかでアキュラシーの高いキャストで攻めていくスタイルや、ピンポイント攻略がしやすいので都市部の港湾部の釣りにもオススメですね」
より軽快に取り回せて細かいアクションがつけやすいのがSW842B-ML/Mだ。
このロッドの紹介動画はコチラ!
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