先日『津本式・究極の血抜き式 完全マニュアル』を執筆しましたが、今回は、家庭でも超簡単かつ気軽に試せる津本式を紹介したいと思います。用意するのはペットボトル!?
さて、2023年4月24日に発売の『津本式・革命魚レシピ』の発売を記念しまして、まずは、津本式の方法について解説したいと思います。津本さんのYouTubeと合わせて見ていただければ、理解が深まると思い[…]
●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)
用意したいのは?
包丁、ペットボトル、家庭用魚仕立てノズル! この3つ。包丁はどの家庭にもあるでしょうから、実質2アイテムです。
本当に内緒ですよ(公開していますが)。元々、この家庭用魚仕立てノズルというのは100円ショップのドレッシングボトルを参考に開発されています。家庭用仕立てノズルは確かに専用に作られており、さまざまな調整が行われていますし、ガジェットとしてカッコいいですが3000円と少ししますので、お試しでとりあえず津本式やって見たいという方は、そっちを使ってもいいんだからね! でも、家庭用魚仕立てノズルをお買い求めいただきたいところではございます(笑)
さておき、この3つで魚を生で最低5日間、いや1週間。ええ、1週間は持たせることが可能です(自己責任でお願いします)。なんなら本格的な熟成にもサイズによっては可能ですが、そこは本家の方法で安全に試してみてください。ライターはこの方法で、7日は余裕で魚を寝かせて食していますが、それは魚の目利き込みで実現している方法であることをご了承ください。
ペットボトルで津本式 究極の血抜きを行う手順
家庭用魚仕立てノズルは〜40cm程度までの魚の処理をするのに向いています。慣れてくるとそれ以上のサイズの魚も処理は可能ですが、目安としてはそれぐらいのサイズ用だとご理解ください。
用意した魚は右向きに配置します。姿造りなどは頭を左向きに盛り付けることが多いため、後ほど尾をカットする場合にその傷を隠せるからです。そういった調理、料理をしない場合は特段気にする必要はありません。
エラを開いて、ナイフや包丁で背骨の下の動脈と腎臓をカットする。
通常の津本式と同じく、エラを開き、ナイフや包丁を逆刃にして上端部に穴をあけます。このとき、背骨下を通る動脈と腎臓を撫でて切断してください。後ほど、ここにノズルを挿入して血抜きを行います。
魚の尾をカットします。
簡易の津本式では、尾からのノズル血抜きを行いません。もちろん可能な設備があれば尾からのノズル血抜きや神経締め(神経抜き)はやってもかまいませんが、こちらで尾をカットするのは簡易血抜きをする際の圧力調整のためとお考えください。
ペットボトルにノズルを装着し、真水をエラ穴から流し込む(簡易・究極の血抜き)
家庭用魚仕立てノズルを装着したペットボトルを、先ほど開けたエラの穴に挿入します。イメージとしては、穴からノズルを入れて、背骨の下に当てる感じです。その状態でぐっと水を押し込み、圧入します。
エラ、内臓を取り除く
基本的に血抜きされた、内臓、エラ部も極論を言えば日持ちしますが、メインの過食部となる身にくらべては腐りやすい部位となります。津本式では5〜7日程度の寝かせを念頭に置いた処理ですので、それらの部分は取り除いておき、保存することをお勧めします。
立て掛けからの冷蔵保存
内臓の処理が終わりましたら、魚をカゴなどのトレーに頭を下にして15分くらい立て掛けます(脱水)。その処理が終わりましたら、キッチンペーパーなどに魚をくるみ、そのままラップかビニールに入れます。水に沈める場合はラップは使えませんが、冷蔵庫で簡易に保存する場合はラップできっちり巻いて、空気が入らない状態にして保存しましょう。
冷蔵庫内に水の入ったプールが作れるのがベストですが、ほとんどの家庭ではそれが難しいでしょう。その場合はさらにラップの上からアルミホイルなどを巻いて冷蔵庫の開け閉めなどでの温度変化が抑えられるように工夫するか、蓋付きのチルド室などに保管すると良いでしょう。ただし、氷温にして凍らせないようにしましょう。
トレーにそのまま置くと、身が重みで痛んできますので、過食しないお腹側を支えに立てるように保存したり、クッションなどを敷いておくと幾分そういった身の痛みが抑えられます。
保存後のケア、寝かせたあとの処理
この状態で5日程度は十分に保存が可能です。うまくいけばそれ以上の寝かせも可能です。ですが、やはりヒスタミン中毒などは危険ですので、途中のケアができるのであればより安全ですし、状態を確かめられます。以下の保存中のルーチンを参考にしてみてください
- 1日後はドリップした水分や血液が染み込んだペーパーを交換して再び保存する
- 3日後は魚の状態を確認するために開封。いったん軽く水洗いして水分を拭き取るか、3〜5倍程度に薄めた酢で表面やお腹の中を軽く拭いておく。
- 5日目、しっかりと魚を水洗いして水気を取り食べる。
5日以上寝かせる場合は(2)の工程で間に挟んで状態を見る。
長期の寝かせを意識して失敗しないためには、どれだけケアをできるかだと思います。慣れてくると、どのタイミングでペーパーを変えれば良いか、表面を拭けば良いかなど適切なタイミングがよくわかるようになります。安全を重視して、必要以上に寝かせすぎず適切なタイミングで食べるようにしてください。必ずしも、寝かせば寝かせるほど魚は美味しくなるわけではありません。
さぁ、たったこれだけで、津本式によって可能性が広がった魚という食材をさらに堪能することが可能ですよ!静止画じゃわかりにくい!ってお方はこちらの動画をご覧ください(魚は別ですが)
正しく処理をしたら、美味しく食べるだけ!
ということで、ルアマガより発売されるレシピ集は、『魚って1週間くらいは、津本式しとけば比較的安全に保存できるでしょ」という前提で7日間の食材スパンを目安にレシピ集を作ってみようということになったのです。なので、1魚種最低7レシピを掲載しています(人気魚種集めました!)。
日の若いうちは、食味を優先したレシピ。寝かせや熟成によって旨みが増した状態ならば、焼きやその状態を活かす料理。とにかく、余らせることなく美味しくいただくことを目標にしています。津本式が面倒でやらないという方も、そのまま使っていただくことのできる料理がほとんどですので、魚レシピ集としては、かなり役立つのではないかと思っております。
アウトドアスパイスほりにし津本式
釣った魚を血抜きをすることで魚の保存力を格段に向上させ、魚の食材としての可能性を広げた津本式。このエポックメイクな処理法を開発した津本光弘氏の掲げる大きなテーマのひとつは魚を余すことなく食べ切ること。そこで魚用スパイスを模索した結果「ほりにし」とのコラボが決定!
ほりにし 津本式 わさび昆布
ひとつめの『わさび昆布』フレーバーは、その昆布の旨みと、わさびが持つ和風の辛味を厳選した塩に加え、まだ「若く」旨みが眠っている「鮮度の高い魚」でさえも、一気に味のボルテージを引き上げるようなパンチ力を有しています。
ほりにし 津本式 白味噌
ふたつめの『白味噌』フレーバーは、その名の通り、味噌風味。お味噌もグルタミン酸系の旨味が強い調味料のひとつ。オススメは、味が画一化しやすい白身魚にどうぞ。主力となる塩味を囲むように、白味噌を主体とした調味料と、配合された様々なスパイスが相まって、味のレイヤーが広がっていくことに驚かれることでしょう。
売り切れてしまったらゴメンナサイ
販売開始をしたときには想像以上の人気ですぐにアマゾンから在庫がなくなってしまいました。限定品ということもあり、次の在庫を作る予定も今の所ないので売り切れてしまったら最後です。ぜひ在庫があるうちに購入してくださいませ!
Amazon以外に購入できるショップ
Amazonには順次在庫補填を進めておりますが「ほりにし 津本式」はAmazon以外でも購入できます。ショップによっては、お一人様一本までと購入制限があるのでご注意ください!
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