ティムコからフィールドを選ばず活躍するリップ付きジョイントベイト『MB-1カスタム150F』が登場。このルアーの特徴や使い方、開発の経緯などを、ルアービルダーの井佐知之さんに伺った。そして今回、このルアーのオリジナルカラーをルアマガプライム会員様に抽選でプレゼントしちゃいます!
●文:ルアマガプライム
井佐知之のプロフィール
井佐知之(いさ・ともゆき)
『MONKEY BRAIN BAITS』でハンドメイドのクランクベイトを販売。2022年より『GRASSROOTS』のルアーデザイナーとして活躍している。ティムコではルアー監修としてMB-1シリーズの開発に協力。埼玉県在住。
もともとはトップ使いを意識したミノーのハンドメイドからスタート
ティムコからリリースされているジョイントベイトのMB-1カスタムシリーズ。このルアーは井佐知之さんがMONKEY BRAIN BAITSでハンドメイド製作をしていたモデルをABS化したものである。
井佐「一番最初は、2006年あたりからヒノキで作っていたワンピースボディのミノーが元ネタですね。ボーマーのロングAの15センチモデルを使ったトップウォーターミノーイングのという釣り方があるんですけど、それをもっと進化させられないかなと思って。ダイブさせてフラッシングでアピールさせ、浮かせて食わせるっていう釣りです」
井佐「それで、最初はミノー型で作っていって、もっと生々しく、魚っぽくしたいということでジョイントにしていったと。それがMB-1です。だから、目指していたのはトップウォーターミノーイングが一番楽しめるルアーですね。ルアーとしては一定の完成系として答えは出たのですが、ウッドでジョイントルアーでアルミホイルフィニッシュでってなると作るのが大変で、販売はしていませんでした」
ティムコとのコラボでABS化されMB-1カスタムが登場
そして、このトップウォーターミノーイングを形にしたMB-1が、ティムコとのコラボレーションで生まれ変わることになった。
井佐「ビッグベイトが関東でも流行るようになって、もともとティムコの開発の方とはつながりがあったので、それでMB-1をやってみないかとなったんです。それが2018年ごろ。MB-1はアルミ板のジョイント構造になっているんですが、ABSボディなら精度も高く作れるし、これならいけるなと。それで2020年に『MB-1カスタム175F』が誕生しました。MB-1のウッド版オリジナルモデルは元々の15センチ程度だったのですが、昨今の需要に合わせて17.5センチと大きくなりました。ジョイントはアルミ板を2枚使った構造なのですが、ABSモデルは板の穴を増やして各々がカスタムできるようになっています。可動域を変えることで、ノーマル、タイトローリング、デッドスティッキングの3種類、その頭文字をとって『NTDシステム』と呼んでいます」
その後、派生モデルとして『MB-1カスタム180DSF』もリリースされた。
井佐「リップの形状を変えて、ウエイトを数グラム追加、テールも長くしてあります。深いレンジに入れやすく、水中でスローに誘うことも可能になりました。オリジナルが高浮力なのに対し、これはデッドスローフローティングにしてあるので、水中ドッグウォークもしやすくなっていますよ。リップが少し長くなっているので、ヒラを打ちやすくなっていて、後で説明する“巻きジャーク”がやりやすくなっています」
MB-1カスタム150Fは全てにおいてちょうどいいサイズ
さらに、MB-1カスタムに新たなサイズ展開となる『MB-1カスタム150F』がリリースされた。
井佐「大きくするか小さくするか、サイズ展開を考えているときに、原点のサブサーフェスで誘うジョイントミノーに立ち返って、より使いやすい大きさで作ってみようとなったんです。150mmサイズにすることで、バイトが多くなるんですよね。それでいて、一般的なルアーよりはボリュームがあるのでバイトしてくるバスの平均サイズは大きめ」
井佐「大き過ぎないから使いやすいし、ビッグベイトとまではいかないかもしれないけど、それなりの大きさのルアーなので釣ったときの満足感もある。タックルだってMHやMクラスのロッドで、気軽に使えます。ルアーのボリューム感も合わせて、全部がちょうどいいんですよね。自分でアクションを加えていって、いかにも釣れそうな動きをしてくれてると、すごくドキドキワクワクするじゃないですか。それで食ってくればバイトシーンも見える。そこにルアーフィッシングの楽しいところが詰まっているルアーになっていると思いますよ」
おすすめアクションはハンドル半回転の「巻きジャーク」
では、MB-1カスタム150Fの具体的な使い方について。動かし方は大きく分けて3つあるという。
【首振りアクション】
井佐「まずは首振り。これはノーマルモードかデッドスティッキングモードで使ってください。ロッドを下方向にチョンチョンと動かして首振りさせてください。トップウォーター的に使ったり、重りを足して深めのレンジに入れてもOK。例えばアシとか護岸とか、あらゆるカバー際でねちっこく誘いましょう」
【クランキング】
井佐「2つめはただ巻き、クランキングですね。クランクベイトを使う感覚で巻いてください。潜らせてからゆっくり巻く、スローリトリーブがオススメですね。普通のクランクベイトよりは大きくミノーシェイプなので、クランクでは食わない魚が食ってくる。また、175サイズでは反応しない魚も150サイズなら食ってきます。150Fはただ巻きですごく使いやすいんですよね。障害物の回避性能も、ミノーシェイプとしては意外に高いです。クランクの延長としてリップラップとかウィードの面を巻いたりするといいですよ。だいたい1.5メートルほど潜ります」
【巻きジャーク】
井佐「3つめは僕が『巻きジャーク』と呼んでいる釣り。リーリングでヒラを打たせる。この釣りにはギア比8.1など、エクストラハイギアを使ってください。そして、ハンドルを半回転させながらリーリングでジャークさせるんです。ハイギアを使うことでちょうどいい引き感で、ギラッギラッとフラッシングを出しながら左右に飛ぶんです。ミノーとは違った複雑なアピールでジャークできるんですよ。自分的には一番おすすめのテクニックです」
MB-1カスタム150Fは使いやすいサイズのジョイントベイトで、ルアーを操作する楽しさと、今にも食ってきそうな動きで、釣りの最中は常にワクワク感が持続する。ぜひ上記のアクションを使い分けて、脳裏に焼き付くバイトシーンをものにしよう。
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