2023年、近海ジギングロッドのジグザム ドラッグフォースがフルモデルチェンジした。多様化するジギングシーンの中で、シャローエリアでキャストしながらジグを操作するという特殊なシチュエーションを強く意識した4本のスピニングモデルがラインナップ。このロッドを、春の外房でテンリュウスタッフが実釣を交えて解説する。
●文:ルアマガソルト編集部 ●取材協力:テンリュウ/山正丸
実釣アングラー紹介
左・舟木 雄一(ふなき・ゆういち)
テンリュウでロッド開発や広報を担当。テストやプロモーションで全国のフィールドを飛び回り、マルチアングラーとしても活躍する人物。
右・上森 俊季(うわもり・としき)
テンリュウのロッド開発スタッフ。伊勢湾周辺をホームにするジギングのスペシャリスト。外房エリアにも足を運ぶことも多い。これまでの豊富な経験をロッド開発へとフィードバックしている。
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近海ジギングに革命を起こす!ジグザム ドラッグフォースシリーズ登場!
【NEWジグザム ドラッグフォース 仕様表】
番手 | 長さ | 継数 | アクション | 適合ジグウエイト | 適合ジグウエイト(ベスト) | 適合ライン | ドラグMAX | 自重 | 定価 |
JDF631S-2/3 | 1.90cm[6ft3in] | 1 | R | 100-180g | 100-120g | MAX PE 4.0 | 5kg/0° | 189g | 5万7000円 |
JDF621S-3/4 | 1.88cm[6ft2in] | 1 | RF | 120-200g | 120-150g | MAX PE 4.0 | 7kg/0° | 198g | 5万7500円 |
JDF611S-4/5 | 1.86cm[6ft1in] | 1 | RF | 120-230g | 150-180g | MAX PE 4.0 | 8kg/0° | 206g | 5万9000円 |
JDF601S-5/6 | 1.83cm[6ft0in] | 1 | RF | 150-250g | 180-200g | MAX PE 5.0 | 10kg/0° | 213g | 5万9500円 |
ジグザム ドラッグフォース 機種別解説
タフコンを攻略するテクニカルモデル[JDF631S-2/3]
アンダーハンドキャストと横方向へのスイミングジャークを得意とし、ジグの初動を抑え飛ばし過ぎずナチュラルなアクションで喰い渋るターゲットを攻略。水深50m程までのシャローからミッドレンジにて、100~120gのジグを操作し易くパワーに設定。細くしなやかなブランクながら、芯を残したパワーが疾走するターゲットを受け止める。
近海を広くカバーするテクニカルモデル[JDF621S-3/4]
アンダーハンドキャストで、広範囲に散るターゲットを斜め引きで探ることに特化。基本的なワンピッチジャークから激しいコンビネーションだけでなく、ジグの初動を抑えたスイミングジャークも得意なモデル。水深80m程までの浅場からやや深場にて、120~150gのジグを操作し易いパワーに設定。3番クラスのソフトティップと4番クラスの安心したバットパワーで、日本近海のフィールドを広くカバー。
強引なファイトも可能にするパワーモデル[JDF611S-4/5]
アンダーハンドキャストで、広範囲に散るターゲットを斜め引きで探ることに特化。基本的なワンピッチジャークから激しいコンビネーションだけでなく、ジグの初動を抑えたスイミングジャークも得意なモデル。水深100m程までの浅場から深場を広くカバーし、150~180gのジグを操作し易いパワーに設定。4番クラスのティップが繊細な操作を実現し、5番クラスのバットパワーで強引なファイトも可能にする。
操作性を高めたストロングモデル[JDF601S-5/6]
アンダーハンドキャストで、広範囲に散るターゲットを斜め引きで探ることに特化。基本的なワンピッチジャークから、ジグの初動を抑えたスイミングジャークも得意なモデル。水深120m程までの浅場から深場を広くカバーし、180~200gのジグを操作し易いパワーに設定。5番クラスのティップと6番クラスのバットパワーを合わせ持ち、操作性を高めると共に根際の強引なファイトを実現。
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軽快な使い心地で、荒れた海況でもストレスフリー
まずは50mの水深の場所からスタート。上森さんがチョイスしたのは『JDF611S-4/5』モデル。ジグは200gをセレクトした。
上森「魚探にはベイトの反応が出ていて、ボトムまで落としてから中層より上くらいまではしっかりしゃくっていくイメージ。ハーフピッチ気味に速巻きに緩める瞬間を入れて、食わせの間を作っています。飛ばすというよりはスイミング系ですね。今は船が流れている状態なので200g、底が取れればもっと軽くても大丈夫です」
重いジグを使い、リールも大きくゴツくなってくる近海ジギング。潮の流れや流される船の影響もあって、ジグをしゃくっていくにはそれなりの体力がいる。しかしながら、新しいジグザム ドラッグフォースはとても軽い使い心地で、アングラーへの負担が少ないのが特徴だ。
上森「潮が効いていて、風で船も流されていく中で、ラインがどんどん斜めになっていく状況ですが、ロッドが操作しやすいから軽い力でしゃくっていけますね。このロッドはとても感度が良い。太いラインを使っていますが、ライトジギングをしているような感覚で使えます」
そして、軽量化により使用感が向上したことで、感度もかなりアップしている。
上森「ジギングにおいても感度はとても重要で、ジグが受ける潮の重さで、良い潮流を攻めているなとか判断したりしていきます。あとはボトム感度。ジグが着底した瞬間がわからないと根掛かりが多発して釣りになりません。場所や時期によっては海藻の上を引いてこなくてはいけないパターンもあったりして、ジグが海藻に当たったとか、そういった情報も釣りをしながら感じ取っていく。そういった面でこのロッドは細身だから握りやすく、とても軽快に扱える操作感を備えています。細身でもしっかり魚を浮かせるパワーと粘りがあるので、安心感がありますね」
そしてこの日ファーストヒット!
超シャロー撃ちで新生シグザムドラッグフォースの真価を発揮
エリアを深場からシャローに変更。水深20mほどの沖の根に、潮が当たっている場所にやってきた。まさに外房ジギングを象徴するようなシチュエーションだ。こういった場所ではジグを落とすのではなく、アンダーからのフルキャストでアプローチしていく。ここではロッドを変えて、『JDF601S-5/6』をセレクト。
上森「まず、ジグは150gを使ってみたんですが、船もどんどん流されるし、潮の流れも速い。潮が根に当たって下から湧き上がってくるので、ジグではうまく沈んでいかない。そこで240gにチェンジしてみます」
すると、狙い通りヒット!
上森「中層を引いてくるようにスイミングさせて、フォールさせたらヒットしました!」
こちらもグッドコンディションのワラサ。掛かりは浅かったが、無事キャッチすることができた。
舟木「外房は深い場所をやる場合もあればシャローでキャストしていく釣りもある。だからどうしてもタックルは1本ではまかなえないので、複数用意しておく必要がありますね。ラインナップは4本ですが、そのどれを使い分けても同じような使用感・しゃくり感になるようにしています。だから、どんどんロッドをローテーションしていっても違和感がないと思いますよ」
上森「天候や季節によっては、もっと軽いジグを使う場合があります。去年の秋は145gのジグが使いやすかったので、ロッドは『JDF631S-2/3』や『JDF621S-3/4』などがマッチしましたよ。特に3/4番はこのシリーズの中のスタンダードな番手なので、年間を通して使用頻度の高い1本になると思います。
あらゆるシチュエーションに対応する高いトラブルレス性
外房エリアでは水深15~20mといった超シャローの根回りを狙っていくことも多い。ジグをキャストしていかなくてならないのだが、そこで不安なのがライントラブルだ。
舟木「外房のジギングではキャストという動作が出てくる。そこで、ロッドはキャストしやすくて、ジグも操作しやすくて、それでいてバレにくいという特性が必要になってきます。そういった中でも、新しいジグザムドラッグフォースはブランクスにC・N・T(カーボンナノチューブ)をコンポジットし、張りの中にも粘りを持たせてキャストしやすくバレにくい竿になっています」
一番手前のガイドにはRVガイドを採用し、ライントラブルを軽減。
舟木「そして、この釣りに多いのはキャスト時のトラブル。キャストしたときにガイドにラインが絡んで、ジグが跳ね返ってくることがあります。最悪、怪我や事故に繋がる。そういったことを防ぐために、手前をRVガイドの逆付けにしてライン絡みを軽減させています。また、ガイドセッティングを見直して、前作よりも大きな口径のものをつけています。根の荒い場所で太いリーダーを使う場合でも使いやすくなっていますし、アンダーハンドでキャストする場合のラインの抜けも良くなっていますよ」
上森「投げるシーンも多い釣りですが、ロッドの硬さもちょうど良く調整されているし、ガイドも専用のセッティングになっているので、とても快適です。まるでキャスティングロッドの感覚ですよね。太いライン、長いリーダーでも問題ありません。キャストの抜けが良いですよね」
取材・撮影協力
山正丸
千葉県いすみ市大原港から出航。外房のブリ・ヒラマサジギングでは名の知れた存在だ。山口徹船長とその女将の優しく明るいキャラクターも人気。
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