「シーバス大好き営業マン」としてSNS界隈で話題沸騰中(!?)のアングラーであるDAIWAの岡本隆治さん。ルアマガプラスでも度々記事を寄稿し反響をよんでいた。そんな岡本さんの連載がこの度正式にルアマガプラスにてスタート!東京、大阪、北陸そして九州と全国各地でシーバス釣りの腕を磨き続けている求道者・岡本さんに、ランカーの狙い方からシーズナルパターン、さらにはDAIWAルアーの「マル秘な」使い方まで徹底的にアングラー目線で解説!映えある第1回目は初夏シーバスの狙い方と夏の「超定番」ルアーの使い方をアツく語って頂きます!!
●写真/文:岡本隆治
DAIWAの凄腕営業マンにして次世代シーバスアングラー筆頭格!
今年から祝!連載化!営業マンの視点でバリバリ書かせて頂きます(キリっ!)
皆様こんにちは!DAIWA営業マンの岡本と申します。
去年、ルアマガプラスさんで、不定期で記事を書かせていただいていましたが、今年からは隔月での連載予定です!今まで大阪、北陸、東京と仕事の転勤もあって様々な場所で釣りを経験してきました。今は福岡に住んでおり、九州を駆け回っています!!(笑)。
エリア毎の特徴も踏まえたシーズンナルパターン解説はもちろん、思いついた内容を様々書かせていただこうと思っています。読者の皆様が、書いて欲しい内容や釣り方などございましたら、僕のSNSアカウントにご連絡いただけると幸いです!可能な範囲でできる限り、反映させていきたいと思います(笑)。
岡本さんのSNSアカウントはこちら!
今回は「春~初夏シーズンの特徴&釣り方」と「爆発的な釣果をもたらすオススメルアー」をご紹介します!!
皆さん、冬~早春のアフターの釣りは楽しみましたか?シーバスにとって秋に並ぶ高活性なシーズンも終わり、高水温期に移行する気難しい初夏シーズンに移行します。この時期はシーバスが生活域を最も広げる時期になり、外洋~河川上流域まで様々な場所でシーバスの姿を見ることが出来ます。
一方、水温が安定しにくいことと「昼潮」に移行することで、秋から春にかけて有効だった釣りで釣果を得ることが厳しくなり、リアクション優勢の釣りになる傾向にあります。
春に比べると、私もあまり得意な時期ではありませんが、同じく、苦手な方が多い時期であると思っています。私は数釣りを意識した釣りをすることが少ないので、この初夏シーズンに良型・ランカークラスを選んで狙う際、どういったフィールド・タイミングをチョイスするか、また、その中でも幾つかの釣りについて詳しく書いていきたいと思います。
「毎日状況が激変する」初夏のフィールドチョイスについて
さて、初夏といえば・・・・昼潮、梅雨、多彩なベイト、高水温が絡み、ともかく状況が変化します。一つ一つのファクターについて考えましょう。
昼潮
昼潮とは基本的に、4月~9月にかけて、日本沿岸の大抵の海域では大潮のタイミングで、夜よりも昼に干満差が大きくなります。そのため、ナイトゲームよりも、デイゲームに強い流れが生じます。
決して、潮は大きく動けば良いということは無いです。特に潮が動きすぎると、流速が過度に上がり、ベイトが抜けたり、時合いが短くなったりと、釣りが難しくなることもあります。
しかし、高水温で溶存酸素量が減少しがちな初夏は、シーバス・ベイト共により酸素が供給される「流れ」を求め、「流れ」が生じるデイゲームに魚の活性が上がる傾向にあります。そのため、土台としてデイゲームの方が魚と出会えるケースが増えます。私のインスタを見て頂くと、面白いように、晩秋~春は真っ暗、初夏~秋のはじめは明るいという現象が起こっています(笑)。
降水
5月を越えると、気温の上昇によるスコール、梅雨に突入すれば梅雨前線による長期的な雨が降ったりと、非常に降水量が多い時期になります。この時期の雨は「恵みの雨」でありながら、狙いを外すと「試練の雨」に変わります。
雨の増水で狙うべきは、淡水~汽水のベイト(鮎・鯉科魚類・イナッコ等)についた群れ。増水により、上流から小魚が流れてくるようになり、活性が上がります。一方で海系ベイト(イワシやコノシロ等)は雨水によって増えた淡水を嫌い、沿岸域から抜ける可能性が高く、そういったベイトについた魚を狙うと、厳しい釣りになるケースが多々あります。
基本的には適度な雨と増水で、流速と濁度が上がった状況であれば、河川上流域や、堰、インレット等に向かい、逆に渇水状態であれば、外洋・干潟・河口等に向かうのがオススメです。(※増水した河川での釣りは危険が伴うので、降水予報や、水門・ダムの放水情報等を常に把握し、安全確保は徹底して下さい)
ベイト
このベイトに関しては上記の降水と重複しますが、基本的には、雨が降れば、川魚やイナッコ等のベイト。雨が少なくクリアな水質になるようなタイミングは、コノシロ・サッパ等の海のベイトを探すイメージです。
最も安定して魚が付いて釣果が出せる釣りは、常時岸際に居るようなハク等のマイクロベイトパターンになると思いますが、どうしてもランカー率が低いため、私は狙いません(笑)
高水温
夏日が続くと、すぐに水温が20℃台後半、時には30℃近くなることも多々あります。水温が上昇したタイミングは水深がある場所・流れが常時効く場所を選ぶのがマストです。例えば外洋に面した水深のある海岸や堤防。表層の水温は気温に左右され、すぐに上昇しますが、ある程度水深がある場所の低層は水温が安定します。
逆に清流と言われるような、上流域の潮の干満差に関係なく、地形の高低差による流れが常に生じるエリアまで登るのもアリかと思います。もちろんそんな清流こそ、雨が降って増水したタイミングが美味しいのですが…。
以上の考えから、この時期は同じ場所に通いこむというよりは、気象状況に応じて、その日毎にエントリーするフィールドを選ぶのがオススメです!
水温が上昇する前に「安定した」釣果を出せる釣りといえば…
さて、こういった状況が激変する初夏、釣りの幅も多岐に渡るのですが、その中でも今回は記事が公開されるのが5月の後半ということですので、水温が上昇しきる前のタイミングで安定感のある釣りを紹介します。
シーズンとしては、水温が17℃~24℃程度に収まる4月~7月頃にオススメの釣りになります。狙いのフィールドは水深が浅い河川の河口周辺や、干潟のエリア。水温が高まる前に餌を食おうと、捕食のしやすいシャローを回遊するシーバスがターゲットです。
私が経験した地域で言うと、千葉県~東京都、そして熊本のシャロー河川と干潟です。基本的にこの地域で、最も主流となっているのは、バイブレーションプラグの早巻きです。
何故初夏はバイブレーションの釣りが有効なのか?
そもそも、デイゲームで何故バイブレーションプラグの釣りが主流となっているのでしょうか。
春や秋のハイシーズンに比べ、高水温期はシャローに差しているとは言えど、シーバス自体の活性が高くなく、捕食態勢に無い魚が多い状況になりがちです。
そのニュートラルなシーバスに口を使わせたい、追わないシーバスの目の前にルアーが通る頻度を高めたい、ハイピッチなアクションと波動、さらには早巻きのスピードでリアクションさせたい…という狙いを両立しやすいためだと考えます。また、干潟では回遊を当てる必要もあるので、手返しという面でも早巻きは効率が良いという面もあります。
さて、一見高水温期にバッチリハマるバイブレーションの釣りですが、弱点もあります。それが下記の通り↓↓
バイブレーションの弱点1:圧倒的根掛かりリスク
シャローを引くとともかく根掛る!(苦笑) 特に魚が付きやすい牡蠣瀬周りを引いて釣っていると、1日に何個もルアーを無くすことなんてザラです。でも無くす覚悟が無くては魚を拾えない…。釣りに夢中になって感覚が麻痺し、沢山のバイブを無くし、釣りを終えた時に損失額を改めて算出し、憂鬱な帰路についたアングラーも少なくないはず…(泣)環境にも良いとは言えないですよね。
バイブレーションの弱点2:水位が下がるとシーバスに発見される確率が下がる。
水深が1m前後になると、キャストした先でバイブレーションはボトムを引きずったり、ボトムギリギリを進んできます。ハゼ食いや甲殻類食いの場合は、ボトムを引いたバイブが作りだす砂煙が効果的な場面も多いと思われますが、ベイト食いで上を意識したシーバスを相手にすると、シーバスの視界に入らず見つけてもらえない可能性が高いです。
バイブレーションの弱点3:姿勢
バイブレーションは頭にウェイトが集中し、背中にラインアイがあり、お尻を上に上げた姿勢で泳ぎます。小魚の水平姿勢からは、かけ離れた姿勢です。ケースバイケースですが、シーバスはルアーの姿勢が水平であることを異常に気にする事があります。そういった時に、この姿勢がアダとなることもあり得ます。
バイブレーションの弱点4:ロッドアクションへの反応
バイブレーションはタダ巻きや、リフトアンドフォールが得意なルアーで、シャローで繰り出すジャークやトゥイッチなどのアクションが苦手です。もちろんミニエントなど、ジャークを得意とするバイブもあるのですが、浅いフィールドではフォール時間を与えるとボトムを叩き過ぎたり、そもそも、小刻みな連続ジャーク等は糸絡みの原因です。
岡本的!初夏の「超定番」ルアーはコレ!『モアザン グルービン65S/70HS(DAIWA)』
さて、バイブレーションの釣りの長所と短所が見えたところで、その長所を残しつつ、短所を補えるルアーが欲しくなりますね…それが、今回紹介させて頂く「モアザン グルービン65S/70HS(DAIWA)」です!
千葉の干潟をメインフィールドにしておられる、山内勝己テスターが監修した釣れ釣れルアーです!
小粒でシャローを引くのに適した65S。少しレンジを入れるのにもってこいな70HSがあります。
一見、リップ付きシンペンのような…フラットサイドクランクベイトのような…そんな見た目。他のルアーにはない、かなり尖った存在になります。
このグルービン、ボディ自体は「シンペン」になります。スローに巻くと、お腹で水流を受け、ボディが作り出すフラフラとしたテールスイングアクションをみせます。
しかし、ある一定の巻きスピードを超えると、ワイドリップが水を掴みだし、アクションの起点がボディからリップに切り替わります。つまり「ミノープラグ」と同じ原理のアクションに切り替わります。ただ、ユラユラとウォブンロールする通常のミノーと違い、大きなウェイトを背負ったシンペンボディのグルービンは、そのアクションが、ピリピリとタイトに震えるバイブレーションアクションになるのです。
さてそんなグルービンの良さとは何かというと…「バイブのようなアクションで、バイブより浅い場所をバイブのように使える」ことです!
これまでのバイブでは、水深が浅すぎると、シーバスの目線より上にルアーを引く事ができませんでした。しかし、このグルービンは、シーバスの目線の上で、バイブレーションアクションをしながら引く事が出来るんです。
シーバスから見つけてもらえる可能性が高く、バイブのリアクション要素を残しており、さらに、リップがあるおかげで根掛かりもしにくい!さらにさらに!姿勢は水平姿勢!
まさに「バイブの良さを残したまま、バイブの弱点を克服したルアー」バイブの釣りをすればするほど、このルアーの凄さが伝わると思います!
「もう一つ」のデイゲームでの使い方も教えます!
さて、このグルービンは早巻きだけではなく、機敏にトゥイッチにも反応します。河川の流れに乗せつつ、竿先でチョンチョンとアクションを付けてあげると、ヒラッヒラッとヒラ打ちします。これって、渓流用のシンキングミノーにそっくりですよね。
個人的に早巻きじゃなく、トゥイッチを入れる場面は2つ。
ひとつは 狙いの障害物や、沈み根等があり、そこでしっかり見せて食わせたい時。牡蠣瀬が盛り上がってヨレが発生している、大きな石が沈んでいる、橋脚やポールがある…等、「明らかにココに付いている」って所でこの使い方の出番です。
ナイトだったり、濁っている場合はゆったりと流し込んで食わせることが出来ますが、光量のあるデイゲームで、見切られることなく、さらに確実に見せてアピールしたい…そんな時に、流れに乗せて、そのピンでターンさせつつ、トゥイッチを仕掛けて、フラッシングさせるのがオススメです。まさに渓流のミノーイングと同じ攻め方ですね!
そしてもうひとつは、あまりに水温が上がり、シーバスの活性が下がり、追いかける事が出来ないタイミング。こらはピンの攻めでは無く、広範囲を探る中で、明らかにショートバイトが続く、チェイスはあるが追い付けずに帰っていく、スレ掛かりが多発する…といったケースに有効です。
特に高水温期、どうも追い切らない魚には効果てきめん!チョンチョンと表層を平打ちながら、食わせの間を演出できるトゥイッチは是非武器にしてみて下さい!
グルービンでさらに釣れるための「裏ワザ」もあった!
この釣りは、基本的に投げて巻くだけの釣りなので、だれでも簡単に魚を出すことが出来ますが、その中でも沢山釣るためのコツのようなものがあります。
「ロッドを優しく持つ」
この釣りをある程度すると、巻いている中で、ある一瞬にヒットが集中することに気づくと思います。それは「テンションが抜けた瞬間」です。
流れから抜けた瞬間、リールの巻きがもたついた瞬間、ボトムタッチをして外れた瞬間…等。「フッとテンションが抜けた瞬間」=「グルービンがシンペンに戻った瞬間」にガツン!とヒットが来るのです。
その瞬間をより多く作りだすために、ロッドを優しく握るのがオススメです。ロッドを強く握ってしまうと、常にビンビンにラインテンションが張ってしまい、その瞬間が起こりにくいのです。この感覚に慣れてくると、こちらからロッドを軽く煽って、その瞬間を意図的に作り出すことも可能です。そこまで慣れてくれば、かなり数が伸ばせるかと思います!
2つのグルービンと他のルアーとの使い分け
さてアングラーの方もそろそろ気になっていると思いますが、ご紹介したグルービンと他のルアーの使い分けについてお話します。
基本的に、グルービンはバイブより浅いレンジをバイブのように使えるというのがメリットでしたが、グルービンの2サイズの使い別けも同じような形です。
グルービン65S
水深が50㎝程度でもロッドを上げれば、何とか使えるのがグルービン65S。小粒ながら飛行姿勢が良く、軽いキャストでも飛距離はピカイチ。優しいロッドアクションにも反応してくれ、超タイトピッチアクションを見せてくれる超優秀君。MLクラスのロッドでも快適に扱えます。
グルービン70HS
こちらは、今年追加になった、ヘビーウェイトモデル!70㎜のボディに16gの重量と、比重が重く、グルービンよりも1枚下・さらにバイブよりも1枚上のレンジを刻める、かゆい所に手が届く追加モデルです!さらに重量アップにより固い竿でもよく飛び、しっかりアクションするので、MHクラスのロッドに太糸でも使いやすいのがこちらです!
上記の特徴を踏まえて2サイズを使い分けて頂ければと思います!さらに、その他のバイブ等、私がこのシーズンに使用するルアーローテーションは以下の通りです。
↑浅い・スロー
- セットアッパー75S(DAIWA)
- グルービン65S(DAIWA)★
- グルービン70HS (DAIWA)☆
- ナレージ50(ブルーブルー様)
- ローリングベイト(タックルハウス様)
- ミニエント57(DAIWA)
- ナレージ65(ブルーブルー様)
- シュナイダー14(ima様)
- リアルスティール14(DAIWA)
- リアルスティール18(DAIWA)
↓深い
潮位的に水深がある時間や場所はやはりバイブも必要!また、ボトムに当て切った方が食う場合もバイブを活用します。
個人的には、ボトムから50㎝程度上~ボトムに当たるか当たらないかぐらいのレンジを通せるルアーを選ぶようにしています。
ナイトゲームでも勿論「有効」です!
ここまで、デイゲームの話をメインにしていましたが、実はこのルアー、ナイトゲームでも大活躍間違いなしです。
スローでシンペン、早巻きでバイブという2つの顔を持つこのルアーはナイトのドリフトで使用すると、アップからダウンに入ったターンの瞬間にアクションが切り替わり、凄まじいリアクション効果を持っているのです!これが実は超釣れる!是非、明暗等でも使ってください!
岡本的!グルービンタックルをご紹介
最後に私がグルービンを使うにあたり、使用しているおすすめタックルもご紹介します!
障害物の少ないオープンエリア「モアザンブランジーノEX AGS 97ML/M(DAIWA)」
はい、魔法の竿です(笑)飛距離・感度・パワー・フッキング性能・バラしにくさ…竿に求められるすべての要素を圧倒的レベルで達成している最高のロッドです。特に今回のような干潟のオープンの釣りで小型ルアーを扱う場合は、このロッドが最も使いやすいと思います。ロッドアクションを付ける際も、まるで7ftクラスのロッドを扱っているように非常に軽快で、使っていて楽しくなること間違いなし!何よりもこの1本をお勧めします!
牡蠣瀬等の障害物が激しい場所・大型ルアーもローテーションに入れる場合「モアザンブランジーノEX AGS98M/MH(DAIWA)」
魔法の杖パワーVerです。大型のプラグを使う場合にはこちらがオススメです。しかし、モアザンBREXの軽さは健在なので、グルービンクラスのルアーを扱っていても、全く不快では無く、使いきれると思います。バットパワーもモリモリなので、障害物からもランカークラスを悠々引きはがせます。このタックルは基本的にPE1.5号。風があれば1号にしています。
今回のまとめ☆
今回も、長い記事を読んで下さりありがとうございました!(感謝)先述した通り、初夏の釣りは水温や水質・さらには潮汐のリズムも変化が多い時期であり、それに合わせ、パターンも多岐に渡るため、このグルービンの釣りも、そのうちの一つにしかすぎません。ですので、皆様の近くのフィールドの特徴に合わせ、釣り方を見つけて頂ければと思います。その中で、干潟や水深の浅い河川等があれば、是非このグルービンの釣りを試して見てください!
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