バスデイ渓流ミノー『もののふ』シリーズに今まで狙いにくかった魚を直撃する新作登場

ネイティブな渓流魚ゲームを制するために考え抜かれたバスデイ渓流ミノー『もののふ』シリーズ。ハンドメイドを彷彿させる美麗なデザインに搭載された最新鋭ギミックの数々。もののふが今……熱い視線を集めている理由とは。シリーズ新作となる『35S』『64S』『大鱒D70S』の個性的なディティールについて開発者の鈴木敏雄さんと大林朗さんに伺った。

●文:ルアーマガジン・リバー編集部

2024 シーバス特集

バスデイもののふ開発者ご紹介

鈴木敏雄(すずき・としお)

バスデイ株式会社・開発担当。ネイティブトラウトはもちろんのこと、ワカサギからカワハギ、メバル、シーバスに至るまで年間を通して、釣りの魅力に取り憑かれている。実釣で得た経験を余すことなく開発へと注ぎ込んでいる。一時代を築き上げた立役者。

大林朗(おおばやし・あきら)

バスデイ株式会社・開発担当。『もののふ』プロジェクトの中心人物にして、若き牽引者。ネイティブトラウトに限らず、ソルトのライトゲームから、マグロなどのビッグゲームまでを愛している。妥協することを知らない生粋の開発者。次世代を担う若き改革者。

もののふ35S/64S/大鱒D70S(バスデイ)

【左】もののふ35S。【中】もののふ64S。【右】もののふ大鱒D70S。2023年新発売の『もののふ』シリーズの新基軸は全3タイプ。

斬新にして王道を直撃!

求めるべきは単純な飛距離ではない。飛距離はひとつの結果に過ぎない。ネイティブゲームにおいて、より重要度が高いのはキャスト精度。狙ったピンポイントにイメージ通りのライナー軌道で、キレイに入る高い精度。そのために大切なのは飛行姿勢。キャスト中の飛行姿勢の悪さはキャスト精度や飛距離のパフォーマンスが大幅に低下する。

大林「だからこそ飛行姿勢のバランスには一切の妥協無く徹底的にこだわりました。飛行姿勢がキレイになると、必然的に飛距離も伸びます。もののふが、よく飛ぶと評価いただける背景には、キャスト中の飛行姿勢へのこだわりが関係しています」

そう語るのは『もののふ』プロジェクトの中心人物である大林朗さん。

フラットサイドボディから繰り出される独特のヒラ打ちアクションを軸とした『もののふ』は、2022年の発表以来、トラウトアングラーたちの心を掴み続けてきた。造形的にもハンドメイドを彷彿させる『背っぱりボディ』&『箔押しで化粧されたフェイスデザイン』。アングラーの所有欲と釣り欲の両方を満たしてくれる。そんな『もののふ』シリーズに2023年、新たな3タイプが追加された。

35mmの極小ボディだけどアピール力が強い「35S」。または70mmのディープランナーだけど引き抵抗が軽い「大鱒D70S」。そして狙いたいピンポイントを躊躇無く直撃して、アップストリームにおいて無双の強さを発揮する「64S」。

既存のミノーとは一線を画する、斬新にして王道をとらえた『もののふ』シリーズ。新基軸の3タイプを徹底検証していく!

もののふ64Sをガッツリとくわえ込むイワナ。64Sはアップストリームでバンバンと誘えるルアー。 [写真タップで拡大]

『64S』でキャッチした、見事に銀化したサツキマス。 [写真タップで拡大]

『大鱒D70S』でキャッチした、朱点が美しいアマゴ。 [写真タップで拡大]

『もののふ』のデザインにはハンドメイドミノーを彷彿させるこだわりが感じられる。そのこだわりはパッケージにも象徴されている。ハンドメイドルアーの雰囲気溢れるパッケージが魅力的。 [写真タップで拡大]

泳ぐのは当たり前、欲しいのは平打ちアピール

上から『もののふ35S』、『もののふ45S』、『もののふ50S』、『もののふ64S』、『もののふ大鱒70S』、『もののふ大鱒D70S』。

きっちり泳ぐトラウトミノーは数多存在する。市場に『ある』ルアーであれば作る必要はない。『ない』からこそ自分たちで作る必要がある。『もののふ』シリーズの開発は、そんな純粋な思いからスタートした。

欲しかったのはシンキングタイプのフラットサイドミノー。ヒラ打ちでアピールさせることができて、泳ぎでアピールするのではなく、手軽な感覚で操作できるミノー。

大林「動き、レンジ感、沈下姿勢と沈下速度など、現代の主流をとらえているのはもちろんですが、もうひとつ譲れなかったのが造形美です」

欲しいのは、まるでハンドメイドルアーのようなリアルフォルム。

大林「造形を考えるにあたり、自分がカッコイイと思えるアマゴの写真を大量に、穴があくほどじっくりと観察しました(笑)」

『もののふ』のデザインの原型は大林さんが担当。美しいアマゴをモデルに着想したそうだ。

鈴木「体高のトップをどこに設定するのか? ボディの幅は? リップの角度と形状は? さらに忘れてならないのが、見た目のカッコ良さです(笑)。全てのバランスを出すのにかなり苦労しました」

国内には無数の渓流が存在。あらゆるエリアにマッチさせるために、試行錯誤を繰り返したそうだ。

鈴木「あらゆるタイプの流れで試す必要があります。渓流の流れは複雑なので実釣テストを繰り返し何度も行って、飛行姿勢、アクションの質、沈下姿勢。すべてにおいて違和感がなくなるまで繰り返しました。ボディ幅をコンマ数mm変えるだけでも、ミノーの本質は大きく変化します」

当然ながらサイズによって形状とバランスとコンセプトは異なる。タイプによって求める要素が異なるため、それぞれテストをイチから行う必要がある。その分、開発の苦労は絶えないが、使い心地は最高レベルに仕上がっている。

試行錯誤……金型を決めるまでの道のりは果てしない

写真はアクリル素材を大林さん本人が削り出したモノ。ボディ断面を下膨れ型にするか? それとも逆の上膨れ型にするか? 想定できる形状を無数に削り出しては、泳がしてテストを繰り返す。その結果として、ひとつの納得のいく原型へと到達する。

黒マジックで書かれた「2022.5.20 OK」という文字は、大林さんの直筆。ようやく理想の形状へと到達したのが5月20日ということ。ここから、さらにウエイト配置やウエイト形状、ウエイト量などの調整が進められた。

金型が完成したら次はウエイトバランス調整。ボディの前後に割り振るウエイトの量と、ウエイト形状のあらゆるタイプを試す。わずかな違いがアクションに及ばす影響は大きい。気になるパターンは全て試す必要がある。

もののふ35S(バスデイ)

項目スペック
サイズ35mm
ウエイト3.0g
価格1,485円(税込)

もののふ64S(バスデイ)

項目スペック
サイズ64mm
ウエイト7.6g
価格1,595円(税込)

もののふ大鱒D70S(バスデイ)

項目スペック
サイズ70mm
ウエイト7.6g
価格1,595円(税込)

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