近年、いろんなロッドメーカーから「硬めのソリッドティップ」を搭載したベイトタックルが登場している。その機能と役割、モデルごとの個性を深堀りしてみよう。今回は藤田京弥さんにスティーズ・リアルコントロールについて触れてもらった。
●文:ルアーマガジン編集部
藤田京弥さんのプロフィール
藤田京弥(ふじた・きょうや)
1996年埼玉県出身。21才でJBトップ50に昇格すると、初年度で優勝&年間ランキング2位。翌2019年と2021年にはAOYを獲得、国内最強アングラーの地位を不動のものとする。今年度からはバスマスターELITEシリーズに参戦、4試合で2度の決勝進出を決めて強烈なインパクトを残している。
長さが気にならないヘビー・バーサタイル
僕が多用するジグストやリーダーレスダウンショットのスイミングを、よりイメージどおりに操作したい。それがこのロッドの出発点でした。
ロッドワークを加えたとき、普通のカバーロッドでは「パンパンパン!」とルアーやラインが踊りやすくて、それをもっと滑らかにしたかった。
チューブラーも含めていろんなスペックを試した結果、硬めのソリッドティップを採用したものが、もっとも僕の理想に近い仕上がりになりました。
このロッドで太めのフロロカーボンを使うと、ティップでラインの重さをいい具合に感じられるんです。目で見てもわからないごく僅かなレベルで、若干ティップが入ってくれる。
そのおかげで、適度にラインがたるんだままリグを操作しやすくなりました。「ラインを一度も張らずにワームを動かす」みたいな感覚ですね。オススメは20lb。パワーのあるロッドなので、14lb以下だと本気でフッキングしたときに切れる恐れがありますので気をつけてください。
とはいっても、ガチガチに硬いわけではないです。5~7g程度のライトテキサスが気持ちよく使えるロッド。ソリッド部分のすぐ下に「掛けどころ」を作ってあるので、フックをちゃんと貫通させることができて、なおかつファイト中はちゃんと曲がってくれる。
1~2ozクラスのスイムベイトなどにもよく合います。「73H」という表記以上に、汎用性の高いロッドになりました。
7・3ftというレングスを聞くと、なんとなく敬遠してしまう人がいるかもしれません。たしかに標準的なものより長いのですが、使ってもらえば「あ、いいな」と感じてもらえるはず。
それぞれのロッドにちょうどいいレングスって、重量やテーパーの具合によっても違うので、数値だけでは決められないんですよ。だからアメリカで使うからこういうスペックを選んだわけではないです。
カバー撃ち用ロッドとしては100点満点の出来だと思っているので、ぜひ手にとって確かめてもらいたいと思います。
「リアルコントロールは、バス釣りが楽しくなるロッドです」
スティーズリアルコントロール・RCC73H-SV・ST(DAIWA)
シャープな使用感とトルクを両立させた「スティーズ・リアルコントロールブランク」を採用した藤田京弥の自信作。「ピッチングでは小指だけで握って人差し指で支えるので手に吸い付くコルクグリップのほうがいい(藤田)」など、細部までこだわり抜いた1本だ。
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