カマキリ? ガコ? ガマ? アラレウオ。この別称を聞いて、ああ、『アユカケ』ね。とすぐにわかったあなたはきっと淡水魚通。記者は一時期、寝る間を惜しんで日本淡水魚を追いかけていた時期がありましたので、素敵で可愛い淡水魚と出会うことができました。今回は、このお魚の話をしたいと思います。
●文:ルアマガプラス編集部
カマキリという異名を持つ魚の正体は…
実は記者。最盛期の家の水槽は全部で11本。飼っている魚の種類は30種類余はいたというくらい、日本淡水魚飼育にハマってたことがありました。寝る間を惜しんで、いろんな種類を探しに出掛けていたのです。いまは飼育は卒業して、見るのが専門です。
そんな感じで日本淡水魚ハントに狂っていた時期、筆者が所属していたガサガサチームのひとりが『カマキリとりいこーぜ!』と誘ってきたことがありました。カマキリ???
詳しく話を聞くと、カマキリとは別称で和名は『アユカケ』という淡水魚でした。アユカケという名前は、あのアユを凶悪なエラで刺して絶命させ、エサにしちゃう逸話から来てるとか来てないとか。超・凶悪なイメージなんですが、実際のアユカケは雑に言うと、頭のでっかいハゼ。
福井などでは天然記念物などに指定されていることもあり、それなりにレアなのかなと思ったのですが、鮎釣り師の中には、迷惑な外道と位置付けている人もいるらしく、川の状態の良いところでは、それなりに個体数も多いことがわかりました。
採取に誘われた時の話は、昔に記事にしてありますので、そちらをご覧ください。
つい先日、チョウセンブナという外来種ながらレアな淡水魚を、茨城県の霞ヶ浦水系で探しあてたお話をさせていただきました。今度は、チョウセンブナほどではないですが、なかなか普段見かけないであろう変わった魚を[…]
どんな場所にいるのか
日本淡水魚採集者の鉄の掟。具体的に採取した場所は晒さない。ですが、調べればわかる範囲、プラス、宝探しの要素としての情報はご提供。十分にヒントにはなると思います。記者のチームは静岡の太平洋側の河川に出向きました。季節は川が禁猟になるギリギリの秋を狙いました。
基本的に、生息域は環境の良い河川。比較的透明度も高く、水温も低い渓流部です。砂地、砂利系よりも石がしっかりとある渓がいいと思います。季節によって上流域、中流域、下流域と広く移動します。秋は産卵のために下流域に集まってくる印象です。産卵は海で冬にするようですね。
アユを狙っていて仕掛けにアユカケが掛かると言うことはあるかと思いますが、ルアーやエサで狙って釣るとなると生息域を絞りつつ、石の隙間にエサやルアーをしっかりと投入していく地味な釣りが有効かとは思います。消波ブロックや大石の穴や隙間が基本的な狙い所。湧水絡みの川ならば、藻の中に隠れていることも非常に多いです。どちらの環境にせよ、しっかりと流れがある流域の、障害物に潜む魚です。ボトムを探っていくのが基本になると思いますので工夫は必要だと思います。