オールドタックルで遊ぶ世界からトーナメントの最前線まで、さまざまなアングラーに愛されているトップウォーターの領域。諸説あるセオリーや常識をあたらめて見つめ直してみよう。
●文:ルアマガプラス編集部
明石光正
川島 勉
藤田京弥
Q「ラインの使い分け」
メインラインはPEの2~4号、それにナイロンのリーダー(16~30lb)を2~3ヒロ結んでます。琵琶湖だとウイードを切ったりほぐす動作が欠かせないのでPEラインがマスト。ただし身切れなどを防ぐためにもリーダーを長めにとってます。
基本的にはナイロンライン推奨ですが、フロロカーボンの沈む特性を利用する場面もあって、軽めのトゥイッチなどで移動距離を抑えたいとき。ポッパーとか、一点で波紋を出すようなタイプですね。PEラインはカバーまわりで、スタックして引っぱってもルアーが飛んでこなくて安全だから、という理由で選ぶことが多いです。
ハネモノのようにロッドを立ててラインの重みで巻くものは20lb程度のフロロを使いますが、基本的にはナイロンかPEライン。ペンシルのように止めないルアーでも、動かしているうちにラインが沈んでいい動きが出なくなります。僕は最近ほとんどPEで、先端に40cmぐらい太めのフロロリーダーをつけています。「フロッグは太めのナイロンやフロロでもいける説」が以前ありましたが、ありえません(笑)。
Q「スナップ派? スプリットリング派?」
フロッグ以外はスナップですね。ダブルスイッシャーなどは直結したほうがイト絡みが減るけど、僕は多くても3本しかロッドを持っていかないので、すばやくローテーションするためにスナップを使ってます。
最近はすべてスプリットリング。以前、自分の不注意で開いたまま使ってバラシたことがあるので。スナップでもいいと思いますよ!
ハードルアーにはほぼすべて耐力スナップを使ってます。強度があるだけじゃなく、軽くてルアーのアクションを阻害しないことが重要です。
Q「ペンシルベイトが苦手です!」
細身で回遊系のベイトフィッシュが多いところはペンシルが欠かせない。ということは、全国的に出番は増えているはずなんですよ。スーパースプークぐらいの大きさと、その下も2サイズぐらい用意するのがいいと思います。
ポンドスケーター(ガウラクラフト)とか、スキマー(フロッグプロダクツ)のような、横に長く飛ばせるタイプが個人的には好きですね。小魚が水面で追われているときに強いルアーだと、シンプルに考えてください。
たぶん、バスがイケイケじゃないと食ってこないのがペンシルなんです。だからアメリカでは出番が多い。とはいえベイトが逃げ惑う動きを再現できるので、日本でも小魚の多いクリアウォーターでは効くし、ボイル撃ちでは最強だと思いますよ。
Q「冬でもトップを投げるべき?」
琵琶湖でも真冬にトップで釣ってる人がいて、その一部は産卵で接岸するワカサギパターンなのかなと思ってます。僕自身は寒い季節はオフにしてますが、がむしゃらに釣るんじゃなく、明確なパターンが存在するものは今後も取り組んでみたいですね。
寒くてほとんど釣れていないのに、表層系だけに反応がある、そんなタイミングが年イチぐらいであるんです。ダブルスイッシャーをなるべく移動させずに一点でバチャバチャさせるのも、冬は効くことがありますね。
小学生のころから、たとえ冬でもまず最初にトップを投げて、そこからローテーションしていました。やってみると寒い時期でも意外に釣れるし、それが貴重な経験になります。
Q「フロッグがあればトップは要らない?」
ある意味では正しい意見。カバーまわりだとフロッグのほうが8対2ぐらいで有利なことも多い。ダブルフックのトップよりフッキングもいいですからね。それでも絶対にハードプラグにしかできないことがあって、たとえばギルトップの「ボコン!」という強い音と水押しは、ポッパータイプのフロッグには出せないんですよ。
フロッグはバスが丸呑みしないと掛からないでしょ?。トレブルやダブルフックをぶら下げたトップなら、見に来たバスが突っついただけでもフックアップできたりする。ヘビーカバーにハードルアーを投げ込んだりするのは、そういうトコです。
この世に必要じゃないルアージャンルは存在しません(笑)。全ジャンル、考え尽くされて出てきているので、どこかで出番があるはず。
Q「使うリールのギア比は?」
最近はシマノリールのXGモデルがメインです。ドッグウォークでスラックが出やすいものはギア比が高いほうがいい。ウエイクベイト系にはノーマルギアも使ってます。
身体が慣れちゃってるのでノーマルギアを多用しますが、連続トゥイッチするものはHGで。XGとローギアは最近使ってません。
8対1以上のエクストラハイギアを使ってます。巻きモノ系のトップにはギア比が遅いほうが、という理屈もわかるんですが、バスが手前に走るとアワセが追いつかないことがある。リトリーブは自分のスキルで丁寧にやればいいんです。
Q「夏のオカッパリで投げるなら?」
ストラボ、アカシックペンシル、フニャーン、それからカポニータぐらいのダブルスイッシャーがあれば、どんなフィールドでも対応できると思います。
とにかく釣ることを優先するなら、まず水面観察ですね。エサがバンバン追われていたらペンシルやポッパーだし、そうでなければハネモノ系でオーバーハングのなかをスローに引いてみたり。トップに苦手意識のある人は、野良ネズミや浮くワーム、虫系ルアーから入るのもアリだと思います。
手堅く釣りやすいのはネズミ系、ラッシュアワーや野良ネズミですね。巻くだけのトップより、ロッドワークを駆使するタイプのほうが楽しい。あとは「オカッパリだから」とか気にせずに、あらゆるタイプに挑戦してひとつずつ習得していくほうが、バス釣りが充実すると思いますよ。
Q「苦手なトップはありますか?」
ウエイクベイト系ですね。淡々と巻くルアーがあまり好みじゃなくて、作るためのキモが見えてきたのは最近です。ペンシルベイトも、もともと僕はすごくゆっくり動かすスタイル。でもそれが最近の琵琶湖では通用しないから、練習してスピーディーな首振りも身につけました。
ちっちゃなトップ(笑)。青木大介さんの釣りを見たりすると、「すげーな、そんなに繊細にできないよ?」と思う。やってみたこともあるけど、ニンゲンには向き不向きがあるのだと割り切りました。
釣れないから使わないルアーはあっても、苦手なルアーはないです。
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