マジもんの『純金』使用のルアー!?金の価格高騰でもう作れないかもっ!

え? 純金使ってるの?「はい、純金の煌めきがやっぱり効くのでどうしても使わざるを得ないんですけど、さすがに価格が高騰してきて」そう語るのは、純金を使ったルアーを製造している開発者、藤本直明さん。その純金のルアーって何!? どういうこと!?

●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)

2024 チニング特集

スピナーベイトのブレードに使われた『純金』

実は、純金を使用したルアーを作っているのは、バスフィッシングの黎明期からワイヤーベイトを専門に開発、販売してきている『BAKSYN』。

<聞いたことねぇな? いや、ベテランなら『驀進(バクシン)バズベイト』っ字面にしたら、あ!ってなる人も多いかもしれません>

ワイヤーベイトを基軸にしたルアーをハンドメイドで作り続け、アメリカに渡り、本場のプロの意見をフィードバック、そして日本で磨き上げた実践主義の拘り。いいものが売れるという生易しい時代ではないにもかかわらず、愚直に『いいものを作る』を標榜してきたアイデンティティのメーカーです。

それを解説する前に、悲しいエピソードをひとつ。

以前、ルアーマガジンで記者がとある連載のホスト(ドラマチックハンターという連載)として暗躍しているときに、1度、藤本さんのワイヤーベイトの代表作『驀進バズベイト』縛りで取材をしたことがあるのです(2010年5月頃)。が、季節が春先というバズベイトには超辛い状況。しかも関東のハイプレッシャーフィールド・牛久沼という環境で『オデコ』を喰らい、それを見た読者が「バクシンのルアー釣れないじゃん」とホスト腕が無かったが故の惨劇だったにもかかわらず思い込み売り上げを激減させたという過去があるのです。いつかはお詫びをと思っていたのです。

で、その作っているスピナーベイトのブレードに純金使ってるのか? 答えは「YES」。もちろん、ブレード全体が純金だとそれだけで、ちょっと恐ろしい価格なってしまうので、スピナーベイトを機能させるブレードとしては重たくなるので、実際は『純金メッキ』なのだが、そもそも純金メッキのブレードそのものが珍しく、既製品として採用しているメーカーは数少ない。

詳細を、開発者の藤本さんにうかがった。

藤本「全部金メッキなのはウォーイーグルなどにはまだあるかも知れませんが、それでも、国内ではウチ以外に知りません。ほかに採用しているメーカーさんがあったらすいません。今のご時世、金色に見えるブレイドはほぼ、真鍮メッキかと思います。しかし、うちのブレイドは貴重な純金メッキになっています」

写真は#5.5サイズの純金メッキブレード。アメリカ製。こちらは「スローコンディションリミテッド」というモデルに使っていて通常は#4のブレイドを使っています。勿論どちらも金メッキです。

純金メッキ! すごいですね…。

藤本「ただ、金や金属の高騰でいよいよアメリカのメーカーも製造中止になってきました。#5.5以上のビッグサイズのブレイドは今後入手出来なくなるかと。金メッキのブレイドは多くのメーカーが価格callとなっているので今後はどんどん跳ね上がると思います。このサイズの金メッキブレードはもはやセレブ用となるかもしれません(笑)」

しかし、またなんで純金? 効果は? 実際に、SNSでの愛用者の反応を見ていると、『純金メッキは反応が違う!』的なコメントも見られます。

藤本「純金ブレイドにはパワーがある! 間違いない素材の組み合わせがいいルアーを作ると信じます。若い頃からずっと「ゴールドブレイド」のスピナーベイトが一番釣れると信じていました。有名なのは「ヒルデブランド」ですね。アレには心を奪われましたが釣果はスタンレーバイブラシャフトが圧倒的でそのカラーが金のブレイドにゴールドスカートでした」

金のブレイドにゴールドスカート! アピール力がスゴそう…。

藤本「スピナーベイトを自作するようになってからも暫くはゴールドブレイドだけで作っていました。当時は普通にアメリカ製の金メッキのブレイドが主流でどのメーカーにも採用されていましたがここ数年は中国製の真鍮メッキがゴールドとして増えてきましたが、私的には何かが違う…」

他のメッキなども試した上でたどり着いたのが、純金メッキのブレイドだったんですね。

藤本「回転が軽かったりフラッシュがイメージと違ったり…個人的にアメリカ製の純金メッキブレイドに今もまだこだわっています。一時期、国産金メッキブレイドも作りましたが、レスポンスがアメリカ製の物で良いものが見つかったので戻しました。多分、人間の目にはあまり差はないかも知れませんがやはり自分にとって何千もの魚をもたらしてくれた純金メッキのゴールドブレイドは今も特別な素材なんです」

価格が高騰するなか、20年来『純金メッキ』にこだわってきた藤本さん。手に入れられなくなるまでは、なんとかそのこだわりを維持したいと踏ん張り続けている。

確かに純金メッキは剥がれにくさや反射率において、真鍮メッキとは違う特徴がある。そう言った点を鑑みると、これが効く状況というのは確かに存在するのかもしれない。

この思いも、魚を惹きつける、ひとつの力となっていると思います。大量生産され生産効率が求められる製品が溢れるなか、こういったコダワリにもぜひ目を向けてほしいと思った次第。BAKSYNルアーは釣具店で購入可能だ。もし棚に並んでいなかったらお店に相談してみてほしい。