藤田京弥プロの一体どこがスゴイのか?伊藤巧プロがそのルーツから強さの秘密まで徹底的に掘り下げる!

先日行われたアメリカ最高峰、もとい、世界最高峰のバス釣りトーナメント『B.A.S.S バスマスターエリートシリーズ』の第8戦を優勝した『日本最高傑作』こと藤田京弥さん。若干26才にして世界の舞台で戦うその強さの秘密を、同じくB.A.S.S バスマスターエリートシリーズに参戦する伊藤巧さんが掘り下げる!

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●文:ルアマガプラス編集部

2024 チニング特集

藤田京弥(写真左)

ふじた・きょうや/プロデビューからわずか4年目の2019年までに、クラシック・マスターズ&JBトップ50のA.O.Y.というJB3冠を制覇! 本誌人気企画である「陸王」も参戦初年度の2019年にタイトルを獲得。2021年には史上初となるトップ50連覇に加え、プロ戦年間11勝という偉業を成し遂げ、2022年よりアメリカトーナメントに参戦。そして翌年2023年からは最高峰カテゴリーであるB.A.S.S バスマスターエリートシリーズに参戦中。

伊藤巧(写真右)

いとう・たくみ/陸王2連覇、艇王2連覇など、国内で数々の功績を収め、2019年より本場アメリカのB.A.S.S.ツアーに参戦。2020年は最高峰であるエリートシリーズへ昇格し、2021年はセントローレンスリバー戦で見事優勝! 米国でも偉業を成し遂げる若きロードランナー。

目標に向かって考えながら釣りをする。それが王の姿勢。

伊藤「まずはどういうキッカケで釣りに出会ったの?」

藤田「父親が釣り好きで、幼いころに海の磯とか渓流に連れていってもらっていました。家の近所ではコイやフナ、オイカワとかを釣ったりしていて、小学1年生ぐらいの時に父親の会社の方がたくさんルアーをくれたんですよ。それでバス釣り行ってみようかなと思って、やってみたらルアーを泳がせているだけで楽しくて、ハマっちゃいました」

伊藤「それはどこ?」

藤田「近くにあんまりフィールドがなくて自転車で30分ぐらいのとこにあった池とか、父がいるときは兄と一緒に三人で車で遠出したりしてました」

伊藤「いい話だなぁ~。ボートフィッシングを始めたのは?」

藤田「兄がいたおかげもあって小学校高学年ぐらいのときには毎回じゃないですけどボート乗って釣りしたりしてました。中学上がってからはチャプターに出たりしてましたね」

伊藤「え? どこのチャプターに出てたの?」

藤田「それはここ(高滝湖)です」

伊藤「おー!! じゃあ幼いころからJB、NBCトーナメントに触れる機会があったわけだ」

藤田「そうですね。中学2年生のときに初めて出ました。その時は全然釣れなかったです。釣りをやっていると調子乗る時期ってあるじゃないですか(笑)? 俺、上手いかもみたいな。それで、試合に出たくなってやってみたら、案の定ボコボコにされました(笑)。その時に上には上がいるんだなと思って、そこからは試合で勝てる釣りというのを考えながら釣りをするようになりましたね」

伊藤「ほうほう! そこからトップ50に到達するまでの過程は?」

藤田「トップ50の下のカテゴリーになるマスターズ戦に出るようになったのが21歳の時です」

伊藤「今25歳だよね? 最近じゃん!」

藤田「はい…(笑)。その年にトップ50に上がる権利を取って、22歳からトップ50に出てます」

伊藤「え~!? 22歳の時ってトップ50年間2位でしょ? そんで翌年23歳のときに年間1位取って、去年はコロナで試合なし。そんで25歳の今年が年間1位で連覇と」

藤田「そうですね」

伊藤「なんなのそれ。すごすぎない? じゃあさ、中学時代にチャプターに出て、ボコボコにされて、マスターズに出るまでの間は何をやっていたの?」

藤田「そこまでは南千葉チャプターに出ていて、高校卒業後は河口湖に引っ越したので、そこからは河口湖で毎日練習しながら、出られる大会は全部出ていました。マスターズもいきなりは出られないので、最初はローカルのJB河口湖とかに出ていて、マスターズに上がって、そこで1年目に権利とってトップ50です」

藤田「釣りってどんどん変わるし、進化する。イチ早く取り入れて練習するか、自分で新たに生み出すか」

伊藤「正直に言うと日本一になるまで割りとトントン拍子でいっているじゃん? そして前代未聞の2連覇も達成して、誰が何を言おうと日本で一番上手いアングラーは藤田京弥という状態になっているわけですよ。自分が日本一になる釣りっていうものをどうやって習得したのか。どういうことを意識して今に至ったの?」

藤田「やっぱり釣りってどんどん変わるものじゃないですか。どんどん進化するし、それをイチ早く取り入れて練習して、自分のものにする。もしくは自分で新たな釣りを生み出すかのどちらかだと思うんですよ。僕はそのどっちも追い求めている」

伊藤「追い求めているんだ。今回一緒に乗って京弥くんの釣りを見て、感じたのって魚探も確かにそうなんだけど、それよりもルアーとかの探究心。いろいろなものを試すとか、こうしてみようとかものすごく工夫してるなと思った。ルアーの研究にもちゃんとお金をかけて自分で試してるよね。それは以前からずっと?」

藤田「ずっとです。やっぱり投げてみないとわからないじゃないですか。それも楽しいからやってるって感じです」

伊藤「でもそうやって試して試してを繰り返してるから、魚の反応や釣り方の答えが見つかっていく、答えが見つかってないものはまた探すって感じなんだね」

藤田「そうですね。人と差を出すにはそういう釣りを見つけるのが一番なので」

伊藤「今回一緒に乗ってよかったなと思うのは、自分も若手と言われてメディアに出てきました。そんな僕も34歳ですよ。もはや若手と言うより中堅ですから。でも中堅になって怖いなと思った。今回すごく感じたんですよ。僕自身がヤバい、危ないと思ったのは、何かを突き詰めるとか探求するということをちょっと忘れていたというのを感じた。やっぱりそれって20代のときはいろんなことに興味を持ってとにかく何でもやってみようって思っていたのが、30代になってできなくなってた。自分の考え方がどんどん凝り固まってきちゃっているんだなというのを今回感じましたよ。これじゃダメだ、伊藤巧の成長を妨げてしまうというのを非常に気付かされた取材になりました。ホントにいい刺激がもらえた」

藤田「いや、自分もいっぱい勉強させてもらって、新しい釣りでも釣れたし、すごく経験値が上がり
ました」

伊藤「新しい釣りを試してすぐ釣っちゃうのは参ったな~(苦笑)。アメリカで戦う前にこんな大事なことに気付けたすごくいい取材でした。心から京弥くんに頼んで良かったなと思いました。本当にありがとう!」

藤田「こちらこそ、ありがとうございました。こんなに楽しい取材初めてでした。この企画、僕もやりたいんですけど、どうしたらいいですか?」

伊藤「じゃあ、イトウタクミが降板したら京弥くんに頼もう!」

伊藤巧プロが語る!『藤田京弥』の凄み

藤田京弥の凄いところって次世代とか、サイトだとか、魚探を駆使するEフィッシングとか、色々言われるけれども、僕はそこじゃないと思っています。

藤田京弥は魚を知っている。

魚ってのがどういうもので、ほんの僅かなヒントを頼りに答えを導き出すプロセスをあの若さで理解しているから、人よりも釣る。そして、「今を釣る」ということを最も体現しているアングラーじゃないかなと思います。

あと、25歳(取材当時)であの強靭なメンタルを持っているということが驚き。僕は30歳ぐらいの時に青木さんと当たった陸王のおかげでメンタルが構築できたけども、彼はそういうメンタルをいつ構築したのかが気になる。

最初からそうだったのかもしれないし、20歳ぐらいの時にあったのかもしれないけど、取材を終えて疑問に思った。最後に聞いとけばよかったな~。

あとは、根からの負けず嫌い(笑)。

僕も負けず嫌いだから、レディーフィッシュで釣られた時に正直ムカっときたけど、釣り返したときに「もう一回やりましょう」って言ってて可愛かった。そうか、京弥くんも悔しいのか~み
たいな。

そしてやっぱりどの世界もそうだと思うんですが、強い人は努力の仕方を知っていると感じました。そのためには目標も必要だし、彼はその目標が高い。姿勢としてホント学ぶべき偉大なアングラーだなと感心しました。

最後に、結構僕の悪ノリにもついてきてくれたのが意外だった。きっと映像は爆笑必至なので楽しみにしてくださいね!