《超珍魚》川にタツノオトシゴ?ヘンな泳ぎがキュンとくる面白淡水魚の正体とは?

川のタツノオトシゴって知ってますか? えっ、タツノオトシゴは海の生き物? そうなのだが実は川にもタツノオトシゴいる!(親戚)。飼ってみても面白い、ちょっぴりレアな淡水魚『イッセンヨウジ』を紹介しよう。

●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)

2024 シーバス特集

まさに淡水のタツノオトシゴ。それがイッセンヨウジ

実は、沖縄界隈に記者のガサガサのラスボスとも言える魚のひとつ、『タメトモハゼ』という綺麗なハゼがいるのですが、それを狙っていたら結構な数、採集できたのが…。

それが、本記事で紹介するイッセンヨウジという魚です。海のタツノオトシゴ類はみなさまも有名なのでご存知かと思います。およそ魚類とは思えないフォルムのお魚なのですが、実は淡水のイッセンヨウジという魚は、そのタツノオトシゴの親戚でヨウジウオ科に分類されます。

沖縄というキーワードが出てきたので、お分かりかもしれませんが、日本でも比較的暖かい場所の河川で見られる魚で、特に沖縄などでは普通に見られます。記者も当初はソレを狙っていたわけじゃないのですが、流速のある水草のボサからこの魚が網に入った時は、なんじゃこりゃ! と少し驚きました。

細いでしょ? ウナギみたいにヌルヌル、ウネウネしているのかと思ったら、

硬っ! なんこれ!? ヨウジウオとはよく言ったものです。

記者の住んでいる関東地区では、なかなか見かけないので、テンションが上がりました。体長は15cmくらいでした。

この魚、鎧を纏ったように固いんです。やりませんけど、曲げるとたぶんポキっと骨折しちゃうんじゃないでしょうか。冷水性の魚ではないので、自分の家の水槽でも飼えると思って数尾もちかえって飼育してみたのですが、泳ぎ方を見て再びテンションがあがりました。

この魚の細かな構造まではよくわかっていないのですが、タツノオトシゴの親戚らしい泳ぎ方をしているではないですか! ヒレが繊毛のようにウヨウヨと動いており、それで泳いでいるように見えます。器用な魚です。当初飼育したのは他魚種も混ざる混泳水槽でしたが、肉食魚も流石に捕食対象には認定しなかったようで、比較的仲良くなっていました。硬いですし、多分食べると喉につかえるのじゃないかと(笑)

結局、水槽を分けて少し塩分濃度を上げ、冬場にヒーターを焚いて常夏化させて飼った記憶があります。冷たい水には耐えれない種だからです。餌は赤虫を使いました。長生きさせたかったのですが、結局1年ほどの飼育でした。

え?なに?そんな姿勢で泳ぐの???

記者は、沖縄県の比較的流速のある渓流のような川で採取したのですが、沖縄ではさほど珍しい魚ではないようですね。ただ、あまり意識して生息を確認するような方も少ないかとは思います。ちなみに、本州には、死滅回遊魚として、漂着することも多いようです。

こういった渓流のベジテーションぎわにいたりします。

ということで、今回は、泳ぎ方が可愛らしい、イッセンヨウジという淡水魚を少しだけご紹介させていただきました。


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