高水温期に「ランカーシーバス」を狙うには?意識すべき「2つ」のこと!【ヒヤマンのランカーシーバス道vol.3】

関東が誇る一大シーバスフィールド「涸沼(ひぬま)」をホームとするシーバスエキスパート・檜山さん(通称ヒヤマン)。涸沼でこれまでキャッチしたランカーシーバス(80cmオーバー)は数知れず。しかもいずれのランカーも四季に沿った「独自の狙い方」でキャッチしているという。そんな檜山さんが培ったランカーシーバス攻略タクティクスをルアマガプラスで公開!パターンや時合、ルアーなど、どのような事を意識してランカー導き出しているのか。檜山さん自身実釣記をもとに解説していただきます。今回は降水量が少ない梅雨を終えた「タフな」涸沼の夏の攻略模様をお届けします。

●写真/文:檜山敏崇

2024 チニング特集

北関東が誇るランカーシーバスハンター・ヒヤマン!

檜山敏崇(ひやま・としたか)
茨城シーバスの聖地・涸沼をホームとするDAIWAフィールドテスター。「涸沼=ヒヤマン」と呼ばれるほどの涸沼水系エキスパートであり、これまでに数多の涸沼ランカーをキャッチしてきた凄腕。大型ルアーからワームまで、幅広いルアーを使いこなし、難攻不落とされるボイル攻略も得意とする。茨城サーフのフラットフィッシュのエキスパートとしての顔も持つ。

檜山さんのinstagramでは日々のシーバス釣行模様やおすすめDAIWAアイテムも紹介してます♪是非チェックを!

檜山「皆様、こんにちは!DAIWAフィールドテスターの檜山敏崇です。もうすぐ夏も終わりですが、相変わらず暑い日々が続いていますね。今回は7月8月の『夏本番』な涸沼水系のランカー攻略模様をお伝えしたいと思います!」

昨年に引き続き、今年の梅雨も、降水量は例年より少なかった茨城県。

檜山「昨年もそうでしたが、年々梅雨時期の雨量も少なく、年を追う毎に『この暑さはヤバいんじゃないか?』と思うほど高気温な毎年の夏。日照時間が長いうえ、雨も少なければ涸沼本湖の水温もぐんぐんと上昇し酸欠気味な魚たちが増えている状況です」

そんなタフ化する夏の涸沼水系のランカーをどう狙っていくか、スーパーロコとして月毎の実釣を交える檜山さんに考察を交え解説して頂いた。

涸沼アングラー待望の「夏シーバス」到来な7月

今年の梅雨も大降りとまではならなかった茨城県、しかし梅雨も明けると「涸沼の夏シーバス」も例年通り開幕となった。

檜山「シーバスの数もまだ少なかった6月後半とは打って変わり、7月前半には一気にシーバスも押し寄せました。良型は出なかったものの、初期のイナッコパターンでそこそこ楽しむことができました。

シャローに溜まる、イナッコが数多く居るエリアを頻繁にチェックしていると、前日までは雰囲気無かったポイントでも、翌日にはシャローへ突っ込むシーバスがあちこちでボイル!やはりシーバスの群れが一気に涸沼に押し寄せたようです」

しかし、ボイルが頻繁に起こるエリアで捕食されてるイナッコはまだ7cm前後と小さく、小型のフローティングプラグが良いのではないかと判断した檜山さん。

チョイスしたのはバチパターン、またはハクパターンでもお馴染みのスリムサイズフローティングミノー「モアザン スライ95F(DAIWA)」

檜山「スライ95Fをボイルした辺りにキャストし、ストップ&ゴーを試すとバイト多数!そして70クラスが連発でした!

檜山「見た目からして一見バチパターンや小さいサヨリにボイルしている状況以外は使わないシルエットのルアーですが、初期のイナッコパターンのようにベイトサイズが6〜8cm程度の時はこのルアーの水面I字引き波がかなり効くようです」

檜山「私的にもイナッコパターンにおいては今まで使用する事は無かったのですが、固定観念を拭い去り、実際使ってみるとあら不思議!まさかの連発バイト!(笑)。上記の写真はほんの一部ですが、かなりのヒットがありました!ベイトサイズが上がってくるこれから秋にかけてはサイズアップの『スライ110F(DAIWA)』も良いかもしれません」

この時は数日通い、数は出たものの、80UPとなるランカーサイズの顔は拝めずだった檜山さん。それからも大型個体を求めて河川にも足を運ぶ日々。

檜山「7月中旬頃はサッパが涸沼川に大量に入っていて、今度は『レイジーファシャッド(DAIWA)』シリーズが大活躍!」

檜山「河川内にとどまらず、年々涸沼本湖奥まで遡上するサッパの群れ。昨今の涸沼塩分濃度の上昇の影響なのか、涸沼川に溜まるよりもさらに上流まで群れで移動するサッパを本湖内で追うことは流域規模的に難しく、なにかのタイミングで河川内に留まってくれた時には最も狙いやすパターンの一つです。それを逃すまいと頻繁に河川もチェックしていました」

下げ潮で下り、上げ潮で遡上して来たサッパの大群が目の前を通過するとであちこちでボコボコとボイルがスタート。

檜山「この時はサッパが多過ぎて、ボイルしている表層は見切ることに。移動の早いサッパパターンに対応しシーバスからのバイトを少しでも早急に得る為です。

サッパのレンジの下をドリフトさせながら群れからはぐれた個体をイメージ。レンジを入れた『レイジーファシャッド100S LI(レーザーインパクト)』に何発もヒット!写真は割愛しますが短時間で10ヒット程ありました」

檜山「このサッパの大群にはランカーサイズも付いていたんですが、高活性な60〜70cmクラスが先に喰ってくる状況です。水温高めな夏は元気いっぱいな中型サイズが先に反応してきてしまいます。潮のタイミングやトレースコースを考えて攻めないと大型個体のみを抜く事は難しく感じましたね

上記画像の実釣時は、久しぶりに二桁釣果と数も出て楽しい釣りとなったのだが、檜山さん個人は課題が残る釣りとなった。

檜山「サッパパターンではフッコクラスの数釣りの中でポロッとランカーサイズが喰ってくれる事があるのですが、レギュラーサイズの中からデカいヤツを狙う事を考えながら釣りを組み立てる必要があったからです。この事は何度かお伝えしているのですが、デカい個体は捕食のタイミングがズレていると個人的には考えています。この件に関しては後ほど触れたいと思います」

低活性なシーバスにスイッチを入れる「南風」が肝な8月

梅雨も明け、夏本番となった8月。茨城はもちろん、日本各地で炎天下が続いていた。
本州では月頭に台風6号、7号が接近。茨城県にも多少の雨量をもたらしたが、バケツをひっくり返す程の事でも無く、涸沼も多少増水した程度だったという。

檜山「8月に入り、日中の炎天下で水温も上昇した涸沼は、シーバスは居るものの、ルアーへの反応はいまいちです。涸沼本湖も水温が27℃以上になってしまうと、水中の溶存酸素量も少なくなるせいかシーバスも元気が出ない状況です。

また酸欠気味のボラの群れが夜になると水面付近に大量に集まりだし、水面でブチブチと音をたてながら呼吸している状況は正に溶存酸素量が足りていないことを物語っています」

檜山「そんなタフな水温の涸沼でも、雨以外に溶存酸素量が増える状況があります。それは『南風が強く吹く』タイミング。南風が強く吹くことで、涸沼に入り込む常磐沖の海水が急激に3~4℃近く下がるのです!」

この下がった海水温が上げ潮で涸沼本湖内に入り込む時、溶存酸素量も増え、目視でも分かるような夏特有の澄んだ水に変わるのだ。

檜山「日中の炎天下で温められた涸沼本湖の高い水温。上げ潮で入ってきた低い温度の澄んだ海水。二枚潮にはなりますがこの海水と淡水が混ざり合い、下げ潮に切り替わって水が動き出すと、シーバスも一気にスイッチが入り時合いに突入するのです!そして群れで溜まっているイナッコ目掛けてひっきりなしにボイルが始まります!

水面に覆い尽くすイナッコに合わせて表層にレンジを合わせたいところですが、何千何万匹と居るイナッコに、ルアーの存在は掻き消されてしまいます。この時のベイトのサイズは7〜10cm前後。

ベイトが大量なこんな状況時下では、私はすぐさま表層攻めは捨てます。これも先程のサッパパターンと同様、如何に早くルアーを気づかせるか。大量にベイトフィッシュが居る涸沼シーバスの攻略はこれに尽きます。

キャスト範囲内は水深2m前後。シーバスは水面直下に居るベイトに瞬時にアタック出来る間合いを取りながらイナッコの下に居ます。距離にして1m〜1m50cm。ボトムちょい上を潜水艦の様にウロウロとベイトの群れを追っていると思われます。

さらに目の前をバタバタと逃げるような仕草には、シーバスの捕食スイッチが入りやすいようで、ボトムちょい上をトレースするとバイトが多く感じられます」

この様な状況下でドンピシャなのがS字スラロームアクションの『レイジーファシャッド』シリーズなのだ。

檜山「使い方は一旦ボトムまで沈めてからのミディアムリトリーブで広範囲をスピーディーにサーチ。フィーディングモードにあるシーバスの目の前を逃げるようにリトリーブすれば、逃がすまいかとシーバスは果敢にアタックしてきます。

ベイトサイズやベイト量に合わせながらも少しでもアピールする事が鍵となるのですが、10cmに満たないイナッコには『レイジーファシャッド』シリーズの70Sや90Sがすこぶる反応が良く、バイトヒット多数と楽しい釣りができました!」

泥底のシジミがフックに触れない程度のリトリーブスピードで巻いてくるだけです。時折リトリーブスピードを早めてみたり、一瞬止めてみたりして意図的に『間』を与えてあげると、チェイスしてきたシーバスは我慢ならずバイトしてくるようだ。

檜山「そしてランカーサイズの捕食音も鳴り響く中、ヒットに持ち込むも、アベレージサイズばかり。粘り強くキャストを繰り返すと『ドンっ!』と深いバイト一発!ヒットしたのはジャスト80cmのランカーでした!」

ヒットルアーは「レイジーファシャッド 70S」。少し痩せ気味な個体でしたが、よく引く魚でした。

今回のヒットパターンは、シーバスのいるレンジにルアーをアジャストさせ、目の前を通すという作戦。水面直下にベイトがいることが多い涸沼では、ボトムから中層レンジをアプローチするオーソドックスなメソッドとのこと。

檜山「数を釣っていく中でたまたまヒットした80cmですが、これでもギリギリなサイズ。もっと大きな捕食音も聞いていたので近くに90cm近い魚がいたのは確かです」

ではベイトが多い涸沼で90cmを超える魚に狙いを定めるのはどうすればよいのだろうか。

「90cm超え」のランカーシーバスを獲るために重要な2つのこと