暑い、アツい、クソ暑い!!! うだるような熱波にやられて思考回路がシャットダウンしがちなこの季節。いったん頭をクールダウンして、3つのキーワードをもとに整理整頓。東西6名のアングラーたちにサマーパターンの攻略法を教わろう。
●文:ルアマガプラス編集部
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『ディープ』の攻略キーワード
①ワカサギ
②ルアーパワー
③レンジ
精度orルアーパワー? 常に柔軟なアプローチを!
バスがディープに出ていく理由
今年はひさしぶりに河口湖のJBトーナメントに参加しているんですが、6月上旬の試合では、すでに夏っぽいモードに移行しつつありました。
産卵を終えたバスが、沖のディープエリアにどんどん出ていく。それが春から夏にかけてのおおまかな動きです。
もちろんそれはフィールドによっても違って、水温が上がっても浅いところにいるエビやギルなどを中心に食っているなら、シャローに残るバスが多いかもしれない。
河口湖の場合、大多数のバスがディープに向かう最大の理由は、ワカサギがたくさん生息しているからです。要するに「エサ」が、バスの動きを規定しているわけですね。
暑いシャローレンジは酸素が少ないから、水温が上がれば上がるほどワカサギは涼しくて溶存酸素量の多いディープへと向かう。春に生まれたばかりなので、夏のはじめはまだ数cmにも満たない状態ですが、なにしろ大量に泳いでいるし食いやすいので、50cmを超えるようなデカバスもそういうのをバクバク食いながら産卵から回復し、そのままひと夏を沖で過ごす、というイメージです。
「沖のディープ」といっても、漠然としてとらえどころがないように感じるかもしれません。夏の河口湖では水深5mぐらいまでならウイードが生えるエリアも多いですが、ワカサギを食っているバスはそれよりもさらに沖にいたりする。じゃあそれをどうやって探すのか? ベイトフィッシュが多いエリアを…と思っても、ワカサギはどこにでもいるから目印にならないんですよ。
ひとことでは説明できませんが、簡単にいえば「水通しのいいボディーウォーター」がキーですね。地形はほとんど関係ないといってもいい。リザーバーとは違うので、「岬の先端」みたいにわかりやすいスポットではないんですよ。
同じワカサギレイクでも、たとえば相模湖ではバスの動きがまったく違います。
河口湖とは違ってシャローカバーやオーバーハングのシェードも多いから、バンクに寄りやすい。そして、なにもない沖の中層よりもバンクや障害物などを利用してアプローチしたほうが、ルアーに反応させやすかったりします。
こんなふうに、「夏のディープ」といってもいろんなケースがある。きれいに整理しようとするのが、いちばんダメ。ディープだけやってればOKなわけでもないし、常に自分で考えないとね。
「ディープ」の魅力
なによりも“安定感”ですね。たとえば夏はカレントの効くバックウォーターにも魚が寄るんだけど、常にそこにいるとは限らない。冷たい雨や濁りが入ってきて、ひと晩で消えてしまうこともある。それにひきかえ、夏のディープからバスが消えるということは基本的にないので、見失うリスクが少ない。ただし反応するルアーやレンジは昨日と今日でまったく変わったりもします。
こんなときどーする?
Q.「沖のディープでバスを探せません」
A.「パワーのあるルアーを選べ!」
小さなワカサギを食っているからといって、かならずしもそのサイズに合わせたルアーが効くわけではない。バスの居場所がわからなければ、フィネスよりもまずはフットボールやディープクランクで「バスに見つけてもらうこと」を優先してみよう。ビッグスプーンやメタルジグも可能性大だ。
Q.「サーモクラインは意識する?」
A.「気にしなくてOK」
サーモクライン(水温躍層)は、その上下で水温が大きく変動する層のこと。居心地がよくてバスを含むさまざまな魚類を集めやすいとされる。だが、仮にそこにバスがいたとしても、鼻先にルアーを通せば食うほど簡単ではない。結局はさまざまなルアーとレンジを試すしかないのだ。
『ディープ』の攻略キーワード①
「高精度のアプローチができるならフィネスで」
夏のディープは障害物や地形に絡まない「ド中層」を釣ることも多いので、やはりライブスコープなどの高性能魚探があると有利だ。
バスが表層付近にいたり、ボイルに出くわしたら青木唯さんプロデュースの「イチリン70F」。水面に放置するのが基本で、見切られたら軽くトゥイッチを入れて再びポーズさせてみよう。
ワームが使えるフィールドであれば、ヴィローラのミドストが鉄板。0.9〜2.7g程度のジグヘッドを使い分けながら、よりすばやくディープまでルアーを運ぶために、ヘッドの下部にネイルシンカーを追加して5g程度まで重くすることも。
『ディープ』の攻略キーワード②
「高性能魚探ナシでディープを釣る方法」
T-Bump 1/2oz(FINA・廃盤)+ワイルドダディー(ワイルドポーク)
青木「いい魚探がなくても釣れますよ。ただし精度が違ってくる。ルアーをバスの近くに持っていけるからフィネスで攻めやすいわけです。ライブスコープなしにミドストをやるぐらいなら、フットボールジグやディープクランクのほうが出会いやすいかもしれない」
フットボールジグ+ポークは夏の河口湖の超定番。バスのレンジに合わせるのではなく、フォールで追わせてボトムで食わせていく。ズル引いたりリフト&フォールでも釣れなくはないが、「フォール→軽くトントン→再びトントン→ピックアップ」でテンポよくキャスト数を増やすのがオススメ。
青木「ポークはビッグダディーのような大きめがいい。水深4〜5mまでは3/8oz、それより深いなら1/2ozですね」
『ディープ』の攻略キーワード③
「すべてのレンジに可能性がある」
マッドペッパーマグナム(ティムコ)
T.D.ハイパークランク1066Ti(DAIWA)
フットボールと並んで定番なのがディープクランク。ディープの中層で、一定のレンジをキープしながら泳がせるのがもっともイージーなルアーでもある。
青木「河口湖だと、昔からよく釣れるのがマッドペッパーマグナムとハイパークランクですね。キャスティングで探るなら3m前後のレンジがハイパー、4m台がマッペ。それよりも深いほうは、ハイパーのチタンリップにウエイトを貼ってシンキングにチューンしたものを使います」
ついついベイトフィッシュのレンジに合わせようとしてしまうが、そこは重要ではない、と青木は言う。ワカサギが5mにいたとしても、2〜3m上まで食いあげることもあれば、ボトムをトレースしたほうが反応がいいことも。この考え方はミドストでも同様だ。
「ディープ」を制する裏パターン
SVSBメガ(ディスタイル)
真夏のオカッパリで「ディープ攻略」を想起するアングラーは少ない。ほかのアングラーと被りづらいアプローチだからこそ、未開の地が残されている。
青木「最近になってIMZリミットブレイカー(DAIWA)を使いはじめたんですが、遠投性能の高さはオカッパリでかなりの武器になりますね。たとえばウエイトのあるSVSBメガをぶん投げて、あえて中層は捨ててボトムジャークだけで探ってみるとか。振り切った攻め方をしてみてください」
TACKLE
【イチリン70F用】
●ロッド:ブルートレックDBTS-610L-S
●リール:イグジスト2500S-XH
●ライン:バスハードPEX8 0.6号+フロロリーダー7lb
【ヴィローラマイクロ、スリム、2.8in用】
●ロッド:ブルートレックDBTS-63UL-MIDSP
●リール:イグジスト2500S-XH
●ライン: THE BLACKフロロカーボン3lb
【ヴィローラ4〜5in用】
●ロッド:ブルートレックDBTS-66ML-S-MIDSP
●リール:イグジスト2500S-XH
●ライン: THE BLACKフロロカーボン4lb
【フットボールジグ用】
●ロッド:ブルートレックDBTC-610MH
●リール:ジリオンSVTW 1000XH
●ライン: BASS HARDフロロカーボン14lb
【ディープクランク用】
●ロッド:ブルートレックDBTC-70M+-FM
●リール:ジリオンSVTW 1000P
●ライン: THE BLACKフロロカーボン14lb
※ロッドはすべてディスタイル、リールはDAIWA、ラインはザルツ
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。