日本一括りにされている「ブラックバス」だが、実はその種類は多岐にわたる。日本で馴染み深いのはラージマウスバスのなかでも、ノーザンラージマウスバス。琵琶湖や池原ダムなどでは、よく似ているがより大型化しやすいフロリダラージマウスバスが生息する。しかしここで紹介するのは『スモールマウスバス』。茶銅色の虎柄が特徴的で、アグレッシブなバイトや強烈なファイトに多くのアングラーが虜になっている。
●文:ルアマガプラス編集部
コクチバス(英名:Smallmouth Bass)
サンフィッシュ科オオクチバス属
ラージマウスバスに比べ、小さな口と茶銅色の虎柄が特徴で冷水や流水への適応する。成魚の体長は30~50cmほどであり、JGFA日本記録は52センチ2.72キロ。側線上部鱗数が11 ~ 13とラージマウスバスに比べ1.5倍近く多いため、持ち前の遊泳力と相まってエサやルアーを探す能力が非常に高い。1990年代はじめの桧原湖、1995年に野尻湖などで確認され、ルアーフィッシングの対象魚という観光資源として利用されている。
口
スモールマウスと呼ばれる所以でもある口。ラージマウスと比較して、多くの個体で上顎の端が目より後ろに到達しない。
模様
「虎柄」とも呼ばれるように、体側部にくっきりとした模様が複数本入ることが一般的。また、目の後方~下部にかけて、放射状に走る縞模様も特徴的だ。
食性
スモールの釣りが盛んな桧原湖や野尻湖は標高の高い山に囲まれたハイランドレイク。そのため、ベイトフィッシュや甲殻類の他、セミやガなどの落下昆虫も有力な捕食対象となっている。
スモールってこんな魚
分布
私有地以外の水域でレジャーとしてキャッチ&リリースが認められているのは桧原湖と野尻湖のみ。どちらも標高が高く、サマーシーズンの避暑地としても盛んな地域のため、グルメや観光スポットなども豊富。
流れに強い
遊泳力が高く、流れにも強い。おまけに回遊性も高いので、動きの速さに翻弄されることも多い。
優れた探知能力
側線が発達しており、視力も高いため、餌やルアーを探す能力は非常に高い。
猛烈なファイト
同サイズのラージマウスバスに比べ、引きが強いのも特徴足元で垂直方向へ逃げていくのもスモールならではだ。
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