マイクロベイトの釣りをする上で欠かせない、「ベイト」の代表生物を一挙に紹介! 日本各地で見かけるこれらの生物をしっかりと覚えて釣りに役立てて欲しい。ここでは、バスの捕食ステージとなる水面、水中、水底の3タイプに分類してみたぞ。
●文:ルアマガプラス編集部
マイクロベイトとは
読んで字のごとく、非常に小さな捕食対象のこと。ここでは、体長3cm程度のものを基準に、成体でも小さな場合と成長しきっていない幼体を合わせて掲載する。
水面の生物
落下してくる地上生物を待ち構えている水面は、地上と水中の境目となる場所であり、バスにとってはターゲットを追い込む壁となる場所である。当然、周りに何もない水域よりも、オーバーハングや草むらなど、落ちてくる生物の生息場所が近いほうが好ましいだろう。
バッタ
オールドルアーにもなっている典型的マイクロベイト
優れたジャンプ力を持つ昆虫であるバッタ。草むらに多く生息しているため、水路の脇やため池の岸沿いなどで水面に落下して捕食される。上手に泳げるわけではないが、ジャンプする要領で足を動かし、水面を移動することは可能。成体は羽があるので飛翔可能だが、幼体はジャンプのみ。サイズ感に加えてこのことからも捕食されるバッタは幼体が多いだろう。
釣り場でよく見かけるのはトノサマバッタやショウリョウバッタ、イナゴなど。いずれも成体になる初夏頃がマイクロベイトとしての体サイズを有する。クリックホッパー(レーベル)はまさしくこのバッタを模したハードルアーだ。
イモムシ
ケムシは嫌でもイモムシは食べる?
ここでは地上で生活するチョウやガの幼虫を指して「イモムシ」と呼称。樹上生活を送っている種類が多いため、オーバーハングの下に落下することが多い。特にシャクガの幼虫(シャクトリムシ)は樹上で捕食対象から逃れるために糸でぶら下がることもあり、水面に落下する機会が多い。
移動能力が高くないため、一度水面に落下するとその場でウネウネし続けるくらいしかできず、容易に捕食されるようだ。野尻湖などでは特に有名なマイマイガの幼虫(ケムシ)も同様にオーバーハング下にぶら下がることは多いが、バスの餌生物を収集する大津清彰さんの話によると、ケムシはあまり食べられてはいないとのこと。
アマガエル
極小のカエルは格好の餌食に!
体長は大きくても4cm程度で、成体になって間もない頃には1cm程度の個体も見かけることが多い。カエルと聞くと水の中を想像するかもしれないが、アマガエルは木の上や草むらに生息していることが多い。釣り場のそばの草むらを歩いていて見かけることが多いだろう。バスはこうしたエリアから落下した際に捕食する。出現する時期は初夏以降。なお、名前の由来にもなっている『雨』の通り、雨が振りそうなタイミングで一斉に「クックックッ」と鳴きだす。
水面のその他の生物
地上から落下し、水面で捕食される小さな生き物にはやはり節足動物(昆虫やクモ)は多い。ただし、落下した生物がもがいたところでバスへのアピール力はさほど高くないらしく、セミなどが水面に落ちている様子を観察していてもなかなか捕食されないことは多い。これはバスの目線が水面に向いていない状況の指標となるのかもしれない