《釣れるワーム》名作ワームの秘密を大公開「ジャッカル」

形状、アクション……どこまでも独創的なソフトベイトの正解。あまたに存在するワームには、そのすべてにストーリーがあると言ってもいい。開発者だけが知る事実、使って初めてわかった釣獲能力や発明的なメソッド。今こそ誰も知らなかった名作ワームに隠された裏話を明らかにする。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

この記事はルアマガ10月号から抜粋しています。

Profile

JACKALLジャッカル

小野俊郎(おの・としろう)
90年代後半、当時注目され始めたダウンショットリグをボトムではなく中層で使うメソッド「ヒュンヒュン」で世を席巻。JBでの優勝・入賞は数知れず、ベテランと呼ばれるようになってからも、近年ではオールスター通算2勝を始め最前線を走り続けるトップランナー。総合タックルメーカー・ジャッカルを率いるCEO。

ジャッカルといえば日本のバスフィッシングを支え続けてきたメーカーのひとつ。そのジャッカルの釣れるワームと言えば、多くの人が何種類かを列挙できるはずだし、お世話になった人も多いはずだ。

「特に、フリックシェイクなんてのは、ワームの世界を変えた名作と言ってもいいよね」

こう語るのは小野俊郎さん。フリックシェイクといえば、名作中の名作。定番中の定番。
当時は画期的なコンセプトだったワームもいまや規範となるベーシックな存在になっている。

「フリックシェイクみたいに、新しいジャンルや規範を作っていくこともしなきゃいけないし、流行の新しいテクニックを取り入れたり、地域のローカルなテクニックに対して、特化して対応するワームっていうのも作っていかなきゃいけない。最近で言うと、たとえばDBユーマとかね。それをレスポンスよく出来るのがウチの良さだと思うよ(笑)」

長く最前線で活躍する小野さんが挙げるおすすめのワームとは? ジャッカルを追えば、定番がわかる。流行りがわかる!

フリックシェイク

●サイズ:2.8、5.8、3.8、4.8、6.8、9.8in
●カラー:61色

常識を変え定番になった名作

「ジャッカルのソフトベイトと言えばというワームだよね。当時はストレートワームといえば、クセが付かないように保存するなんて気遣いをする時代だったんだけどね。

秦拓馬君が韓国のバスシーンで注目した、新しいテクニック(20年以上前)だったジグヘッドワッキーを使う上で、なんか変にクセがついて曲がったワームを使うとバスへの反応がいいぞって気づきがあって、ならそういったワームを作る? ということで完成したのがコレ。

ワームが曲がっていることで、ピリピリ動く部分、大きく動く部分と複合的な動きを持つワケだけど、それがハマった。以後、これがジグヘッドワッキー以外のリグでも十分働くことがわかって定番化したよね。

当時の常識を打ち破ったワーム。以後定番化したし、僕も専用のワームボックスを作るくらい変えがきかないよ」

ヤミィ500

SPEC
●全長:3.5in
●カラー:11色

ジャッカル『初』のインジェクションワーム

「実は、ジャッカル初のインジェクションワームってこのヤミー500。デザインは僕なんだけど。このヤミーの最大の特徴は高比重な素材で作ってあるワームであること。なので、飛距離もでる。

ワッキーリグやノーシンカーで使うと、両端がプルプル震えるんだけど、まぁ、自発系アクションだというのも特徴のひとつかな。

裏話でいうと、ジャッカルのラインナップからは一時期、外れてた。トーナメントで使うのに、年1回製造をしてというサイクルだったんだけどね。で、藤田京弥くんがヤミーを使って成果を出してくれて、で、僕もオールスターで1回これがウイニングルアーになってるからさ。そんなこんなで、今は定番商品としてラインナップされている。3、8、4、5inもあります」

DBユーマカスミ

●全長:3.3in
●カラー:11色ニックに対応した特化型

霞ヶ浦のローカルテクテクニックに対応した特化型

「霞ヶ浦の馬場拓也君が現地のシラウオパターンに対応するために、最適化したワームがこれ。やっぱり新しいテクニックに対して、それに対応したワームを作ると釣れるよね(笑)。

こういうレスポンスの良さってのもジャッカルの仕事ではあると思う。ここ何年かでこのワーム使ってみんないい思いしてくれたと思うけど、僕もいい釣果出させてもらったからね」

DBユーマは秦拓馬氏が開発したフリーというバージョンもあり、そちらはフリーリグを意識して開発されたワーム。ほぼ形状は同一だが、カスミのほうがややスリムで小さい。たまたま2人が求めた形状がほぼ同じだったというエピソードも公開されている。

デンプシージャック

●全長:42mm、52mm
●カラー:10色

今までになかった!? 水面直下ドッグウォーク!

「定番として残るワームとしてはフリックシェイクとヤミィは自分の中では偉大だからさ(笑)ただ、最近作ったコイツも定番化するんじゃないかと思うポテンシャルを秘めてるよ。水面で出きらないバスを誘い出すパワーがスゴイ。

特徴としては、水面直下でドッグウォークする中空のワームなんだけど、水面下でドッグウォークという動きがよくよく考えたらほかになくてさ。それも反応のいい理由だとは思うけど、最近、エビ食いのバスが多いからこの水面直下の動きってのはキーになっているんじゃないかな。

あと絶妙な水深感にも注目してほしい。とにかく、表層系だからシャローが強いと思うかもだけど、ディープからも突き上げて出てくるので、誘い出すパワーは凄いと思うよ」

ニードバグ

●全長:28.5mm
●カラー:10色

意外に芸達者? 『浮く』特性を活かそう

「スタートは、スモールの虫パターンに対応するための、水に浮く虫ルアーだったわけだけど、こいつが結構いろんな使い方できてさ。小さいネイルショット0.3gとか0.4gとかをセットして超スローシンキングにして使ったりすると沈む虫にもなる。

あと、ダウンショットでもキャロとかでもいいんだよね。エラストマー素材ということもあって水中でも浮力高いから、いわゆるサイコロ系というかサスペンド系として効くシチュエーションがあるし、実際、反応がいいんだよ。

装着されているラバーもしっかり細かく動いて誘ってくれるし効くよ。あと、内臓しているコアのアイにフックを通せばハリ持ちもいい。意外に出番が多いワームだからぜひ使ってみて」

この記事はルアマガ10月号から抜粋しています。


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