日本の『巻き』に物申す!? ワーム的ではない、ハードプラグ然とした巻きモノスタイルを、アメリカで活躍中のキムケンこと木村建太さんが解説!今回の話は、巻きスピードに関してビシッと教えていただこう
●文:ルアマガプラス編集部
木村建太(きむら・けんた)
幼い頃に琵琶湖で初バスを釣って以来、バスフィッシングにのめり込み、琵琶湖でその腕を磨いたプロアングラー。バスアングラーの憧れでもあるアメリカを目指した努力が結実し、今やバスマスタークラシックにも出場。名実ともに日本を代表するバスプロのひとりに数えられる。
いわゆる「ストロングな釣り」を得意としているが、その引き出しは多く、論理建てたバスフィッシングを展開する。1982年京都生まれ。
木村「日本人って、巻くスピードが遅すぎるんすわ」
木村「もちろんそれが効く場面がないわけじゃないですけど、的はずれなことも多いですよ。ワームと同じように食わせよう食わせようと考えてる人が多すぎますね。基本は使うルアーがしっかりええアクションで泳ぐスピードで巻く」
むしろゆっくり巻くことにはデメリットさえあるのだという。
木村「根掛かりが増えるし、ショートバイトも増えてバレにも繋がる。ワームに寄せていってもしょうがいないんすわ。食わせようとするよりも、むしろ逃がすことが大事。思わずバスが追っかけたくなるスピード感で使うんすわ」
日本のバス釣りシーンでは釣りがワームに寄りすぎているという。つまりハードルアーであっても、ソフトベイトのようにゆっくりと泳がすことが一般的になってしまっているという訳だ。
しかし僅かな水流やシェイクで生命感を演出できるソフト素材と違い、プラグは動きが弱まれば弱まるほど魅力を失ってしまう。究極的には、ただそこにある石ころと変わらなくなってしまう。
だが、逆説的にいえば動くほどハードルアーは魅力的になるともいえる。
もちろんルアーによって適したスピードは存在する。例えばアクションが破綻してしまっては元も子もないのだ。そのルアーがしっかりと、良いアクションで泳ぐスピード感を覚えることが重要だ。
巻きスピードの考え方
木村さんの考えるルアーのスピード感は、そのルアーのもつ魅力によって変化する。この魅力を計算式的に表すのなら、ルアーのリアリティさと存在感の関係から導き出される↓のようになると言えるだろう。
スピード=魅力=リアリティ×存在感
リアリティ
いかに生物的であるか。これは見た目だけでなく、佇まいや動きそのものを含む。ソフトベイトほどこの値が高いイメージ。
存在感
バスの執着心に繋がる要素でルアーの大小によるところが大きい。小さいベイトは数が多いので見逃せるが、大きいベイトは数が少ないのでより執着する。
ルアータイプ | リアリティ | 存在感 | 巻きスピード |
---|---|---|---|
クランクベイト | 低 | 小 | 速 |
ソフトベイト | 高 | 小 | 遅 |
ビッグベイト | 中 | 大 | 遅 |
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