[釣れる魚が増える!]BETOBETOがボーン素材の高浮力モデル「HOO155HF SPEC-C」をリリースした理由

2022年の発売以来、全国各地から釣果が上がっているBETOBETOのビッグベイトHOO155F。一点ジョイントで繋がった前後のボディがそれぞれ異なる動きをするという、個性に優れたルアーだ。そんなHOOのハイフロートモデル「HOO155HF SPEC-C」がリリースされた。オリジナルとは異なるモデルを世に出した理由とは。その意図を、開発者である川島勉さんに教えてもらった。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

ボーン素材・高浮力でアプローチの幅が広がる

【Profile】

川島勉(かわしま・つとむ)
房総リザーバーを中心に活動するプロアングラーであり、釣獲能力の高いルアーを世に送り出すルアービルダー。トーナメントシーンから短時間のオカッパリまで、さまざまなスタイルでバスフィッシングを楽しんだ経験を、自身のブランド「BETOBETO」の製品開発に注ぎ込む。

川島「オリジナルで釣れる魚とは異なる魚も釣りたかったんです」

HOO155Fのハイフロートモデル「HOO155HF SPEC-C」を作った理由を尋ねたところ、BETOBETOの代表 川島さんからはこんな答えが返ってきた。

川島「水面は魚を騙せる場所ですよね。魚は下からしかルアーを見ることができないから見切られにくい。そんな水面で速くルアーを動かすことで、更にルアーを見切られないようにする。そんな騙し方もHOO155でやりたかったんです」

川島「加えて、クランキングに特化した使い方もしたかった。強めのサウンドアピールでキビキビ動いて、オリジナル以上に障害物を回避できる。これらを実現させるためにハイフロートモデルを作りました」

そう言って、新作である「HOO155HF SPEC-C」を見せてくれた。

リップ曲げてます!

リップ、曲がってますね 笑。

川島「バッチリ曲がってます 笑。みなさんどこかで見たことありますよね 笑。あれも元は僕が曲げてるんで、HOOのリップも曲げていいですよね 笑」

川島「ハイフロートモデルは、ワインドリップが標準装備となっています。クランキングの際に使うのはこちらのリップです。普通に巻くと1.2メートルくらいの潜行深度になります」

リップの取り外しができる点もHOOの特徴だと思いますが、ノーマルリップとの互換性はありますか?

川島「もちろんありますよ。後ほどお話ししますが、ウエイクベイト的な水面で速く動かす使い方では、ハイフロートモデルに曲がっていないノーマルリップを合わせます」

クランキングではワインドリップ、表層ではノーマルリップという使い分けなんですね。

交換可能なリップ構造であるため、パーツを変えるだけで、一つのルアーでさまざまなアクションを演出できる。右はHOO155HF SPEC-Cの色装備となるワインドリップ。クランキングで使用したい場合はこちら。

左がノーマルリップ。ウエイクベイト的にトップで使う際のセッティングだ。
右がチューンしたショートリップ。ノーマルリップ着用時よりもアクションが小さくなる。

浮力の差=水面でのスピードの差

川島「オリジナルはフローティングとはいえ浮力を低めに設定しています。なので、ノーマルリップでも、巻くとしっかり潜ります。1.2メートルくらいは潜るので、水中をしっかり攻めることができる」

水中をゆっくり攻めるときはオリジナルのHOO155Fが強いんですね。

川島「裏を返すと、オリジナルで表層付近を攻めようとすると、デッドスローくらいゆっくり巻くことになるんです。それが効く状況もあるんですが、そうでない場合もある」

先ほどの水面で速くルアーを動かすことで魚を騙せる状況ですね。

川島「そうです。そこで、ボディをボーン素材にしてオリジナルより高浮力なHOO155HF SPEC-Cを作りました。このサイズ感のルアーでは例がないくらい高い浮力になっています。なので、水面で速く動かすことができます。あと、アクションも面白いんですよ。例えばダイブさせてから動かさずにいると、やや後方に浮いてくる。キックバックアクションを水面で演出できます」

上が新製品であるHOO155HF SPEC-C。下がHOO155F。サイズと形状は同じだがボディ素材やラトルなどが異なり、高浮力&ハイアピール仕様となっている。初期装備となるリップも異なるタイプのものが付属。

予測不能な生命感溢れるアクション

川島「キックバックアクションの場合、後ろのボディが片側に折れ曲がって浮きます。浮き上がってからも更に動くんです。予測不能な生命感のある動きをオートマチックに出してくれる。『機械的ではない 絶対のない動き=生命感』 バスを魅了するポイントのひとつです」

後方のボディが斜めに浮くことが生命感になっているんですね。

川島「斜めになって泳ぐギルって見たことありますか? ギルを観察していると、たまに見ることができるんですけど、“バスから逃げたいけど行き場がなくて迷ってる”、そんな時に斜めになって泳ぐことがあるんですよ」

それは知りませんでした。追い詰められて食われる寸前なんですね。

川島「さらには死んだフリまですることもあるんですが、それはまた別のルアー「VERO120F」というアイテムで表現しようと思います」

川島「そんなわけで、後方のボディが斜めに浮くトップ的な使い方に対して、魚からの反応は非常に良かったです。ベイトフィッシュが水面で戸惑ってもがいてる感が出せているみたいです」

ボーン素材がもたらすメリット

川島「HOO155HF SPEC-Cのサウンドもバイトを得るための良い要素になっていて、ボーンのボディ内部から発するラトル音。ジョイント部分から発する音、空気を巻き込んでダイブする音、それらが効果的に魚にアピールしてくれるんです。

ジョイント部分からは、いわゆるスクイーク音を発するようになる。バズベイト同様にルアーを育てる楽しみがあるのは嬉しいポイント。

複合的なサウンドアピールができるんですね。

川島「特にボーン素材のジャラジャラとした音はアピール強めなので、濁りが入った状況ではよく効きます。と言いつつ、うちのスタッフが水が澄んでいるリザーバー(和歌山県 合川ダム)でもデカいバスを釣っていまして。クリアウォーターでのクランキングでも、ちゃんと結果が出ています」

川島「クランキングの場合、バルサクランクのようにキビキビ動きます。カバーにコンタクトした際の回避能力も上がります。更にラトル音が水中に響く、こういった点がボーン素材で高浮力となっていることでのストロングポイントですね」

効率的に魚にアピールできて、ストレスなく使えそうです。

川島「もしHOO155HF SPEC-Cを手にとってもらえることがあれば、トップでも、クランキングでも、もちろんそれ以外でも、自分の好きなやり方で楽しんでみてください」

オリジナル同様に、全国のユーザーからの釣果報告が楽しみです。

川島「最後に、生命感のある動きを出す方法をもうひとつお伝えしておきますね。ワインドリップをセットした状態で速巻きしてみてください。ある速度を超えるとブレたりする不規則な動きが出せると思います。機械的ではないイレギュラーアクションに、デカいバスが反応するかもしれませんよ!」

カラーラインナップ

HOO155HF SPEC-Cは、ボーン素材の色を活かしたカラーに、ナチュラル系とアピール系もしっかり押さえた全5色の展開となっている。(各カラーの解説はBETOBETO公式instagramより引用)

BETOBETO ORANGE BONE/ベトベトオレンジボーン
BETOBETOの代表的カラーであるBETOBETOオレンジパールを元にボーン樹脂の特徴である素材の乳白色を活かしたカラー。ボーンは釣れ筋カラーとして実績が高く、あえて単色のソリッドカラーを好むアングラーもいるほど。そこに視認性を向上させるためにアレンジを施しました。ルアーの位置やアクションを視覚で認識し易いので、狙いどうりに操る楽しさを体験していただくにはぴったりです。

BONE PRO BLUE/ボーンプロブルー
前回の投稿と同じくボーン樹脂の特徴である乳白色の素地を活かしたカラーで、ブルーパールであしらった背面から側面の乳白色にかけての淡いグラデーションが特徴。透明度の高いクリアウォーターからササ濁りまでカバーするボヤッとしたシルエットで強すぎず、弱すぎない存在感でアピールします。

BEN SHAD/BENシャッド
HOO155HF SPEC-Cの初回リリースの中で唯一オリジナルモデルと共通カラーなのがBENシャッド。パールベースのシャッド系カラーでフィールドや状況を選ばない汎用性の高さを誇る定番中の定番カラーです。その名のとおり川島勉のお気に入りで、各地からの釣果報告が多い人気カラーです。

MABUNA/マブナ
日本のフィールドではお馴染みのフナをイメージしたマブナカラー。シルバーベースのナチュラルカラーで、アピールを抑えるためにあえて塗りのシルバーベースで設定しました。透明度の高い河川やリザーバーのバックウォーターでは押さえておきたい1色です。

CHARTREUSE BASS/チャートバス
巻き特化型モデルには欲しかったアピール色。ベースはクランクベイトの定番色であるブラックバックチャートを元にバスパターンをあしらうことで可愛らしいキャラに仕上げました。濁りのあるフィールドでぜひどうぞ!


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