釣れ続けるアジングテクニック![家邊克己・サーティフォー]

ポイントに船長が連れて行ってくれ、数釣りが期待できるのがボートアジング。しかし、ポイントで釣果をあげ続けるには、やはりテクニックが必要になってくる。今回は、そういったテクニックに注目して家邊克己さんに紹介してもらいましょう。

●文:ルアーマガジンソルト編集部

2024 シーバス特集

アングラー&実釣フィールド紹介

家邊 克己(やべ・かつみ)

アジングのパイオニア的メーカーとして知られるサーティフォーを率いるアジングプロフェッサー。経験に裏打ちされた、数々のテクニックで、アジを攻略する。最近はボートアジングだけでなくイカメタルなどの釣りにも注目している。

新潟〜山形県
最近、各所で増えてきているアジング対応の釣船。今回は新潟んのジャパンシー(℡090-8943-7610)。福井県の飛龍(℡090-7083-4588)にて実釣りを行った。

【本記事はルアーマガジンソルト最新号!】

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ボートアジングを楽しめる船が増えてきた

陸のアジングも釣りのなかで市民権を得つつあるなかで、最近、注目されているのがボートアジング。船長がしっかりとアジのいるポイントに連れて行ってくれるので、しっかりとアジングの醍醐味ともいえるパターンゲームに集中することができる。

今回、家邊さんは新発売のリマーカブル60b(2ティップ仕様)と、リマーカブル62のスピニングロッドを用意。どちらもボートアジングにチューニングされているロッド。

ご存知、アジングのパイオニアとして知られるサーティフォーの家邊克己さんも最近はボートアジングのメソッド開発に力を入れているアングラーのひとりだが、家邊さんの釣りの特徴は変化する状況に丁寧にアジャストさせて、アジをしっかり釣り続ける技術に長けているというところだ。

家邊「僕の使っているARメソッドはそういった状況の変化に対応しやすいメソッドなんです。では、どのように対応させているかを具体的に解説したいと思います」

マヅメの基本はリアクションそこからレンジを探っていく

さて、今回、家邊さんが乗船したジャパンシー(新潟)、飛龍(石川)でナイト便を利用した。コースにもよるが、ナイト便の場合は明るい時間に出船し、夜にかけてアジングを楽しむことが多い。

家邊「船や地域によりますが、集魚灯を焚いて魚を寄せる釣行になることが多いですね。まだ明るい時間から始めますから、灯りが効き出さないと、基本的には魚が集まってきません。でも、船長が着けてくれる場所はポイントですので、明るい時間でもアジを狙えないわけでないんです」

マヅメのまだ魚が集まっていないタイミングだったが、リアクションの釣りで広くレンジを探り、回遊していたアジを仕留めた。

真昼ならばボトムに集まりがちな傾向があるアジ。夜間の集魚灯で魚はかなり集まってくるが、釣れるレンジが幅広くなりがち。アジングの基本はステイパターンだと言っている家邊さんではあるが、それはアジのベイトによって変わってくる。

家邊「基本はステイパターンですが、釣れるレンジが見極められるまではリアクションで誘います。プランクトンを食べている状況だとステイパターンが有効ですが、小魚などをベイトにしている場合はリアクションが強い傾向がありますね。で、リアクションパターンで釣る場合はスピニングロッドが有効です」

ARメソッドを使用

家邊さんがボートアジングで多用するのはARメソッド。家邊さんが取り入れたいリアクションの釣りはARメソッドであれば問題なく機能する。Sタッチ・ヘビー(サーティフォー)があるとシステムを組みやすい。

タックルの使い分け例

[リアクションならスピニング]
⚫︎Rod : Remarkable CER-62(THIRTY FOUR)
⚫︎Reel : 16CERTATE1003(DAIWA)
⚫︎Handle : Zerogra Mulch(THIRTY FOUR)
⚫︎Line : Surpass 0.25号(THIRTY FOUR)
⚫︎Leader : Jointline 1.2号(THIRTY FOUR)

[ステイの釣りならベイトロッド]
⚫︎Rod : Remarkable CER-60b(THIRTY FOUR)
⚫︎Reel : CALCUTTA CONQUEST BFS(SHIMANO)
⚫︎Line : Surpass 0.25号(THIRTY FOUR)
⚫︎Leader : Jointline 1.2号(THIRTY FOUR)

ARメソッドの汎用性を象徴するリアクションの釣りを極める

家邊さん、実はリアクションの釣りはスピニングを多用する。これは、リアクションの質を意識したもの。

家邊「ワームを目立たせて、アジに見付けさせて喰わせることが大事なので、アクションを付けるわけですが、この釣りはスピニングが便利ですね」

理由は?

家邊「リアクション時にロッドをシャクってアクションを加えますが、スピニングのドラグを利用してリアクション距離を抑えられるんです。テンポよくロッドワークしながらも、思っているよりルアーは移動しないので、釣りたいレンジをしっかり狙って探ることができます」

確かに以前の取材時に家邊さんはスピニング、スタッフはベイトという局面。パターンがリアクションでハマっているときに釣果を絶え間なく上げていたのは家邊さんだった。ときにそういった腕の差以上の差がタックルで出ることもあるのだ。

家邊「水深のあるポイントでのファイトは細軸だと身切れリスクが問題になるんです。でもBKヘッドの太軸ならそれが抑えられる。強度?細軸だから弱いなんてことはないですよ(笑)フッキングの仕方なんで。なので太軸にしたのは強度強化が目的ではありません」

家邊「このリアクションの釣りは、実はARメソッドならではの釣りと言えますね。通常、ARメソッドなどで使うジグヘッドは一番軽い0.3gあたりを使うことが多いのですが、リアクションの場合は0.5gに最初は設定したりしますね」  リアクションの場合はドリフトよりも動き重視のため、沈下速度が速いほうが反応が出ると家邊さんは考えているようだ。

レンジが絞りきれない場合や小魚などのベイトを食べているときに有効

ベイトだったりドラグを締めてシャクると、動きがダイレクトになりすぎて狙いたいレンジを外れたり動きすぎたりする。スピニングの場合、不必要な調整なくドラグによりシャクリの質を調整できる。

ARメソッドのリアクションは手首の動きだけでシャープにやっていく。リズム的にはジャツ!ジャッ!ジャッ! シャクったときにドラグが滑るくらいのセッティングで。

ボートアジングの太軸仕様は、フック強度UPが目的ではない

サーティフォーから、通常の同社製品の中では相対的に太軸となるボートアジング用のフックが発売される。これは、強度面の強化ではなく、水深のある場所からファイトする際の身切れリスク軽減のための調整となっている。

BKヘッド[サーティフォー]

ステイの釣りは、パワーに余裕がありボートフィッシングを楽にするベイトが強い

家邊「細かなテクニックを駆使するという点ではスピニングが強いのですが、そうはいってもボートアジングは数が釣れる上に、メインのアジ意外の魚も釣れますからね。それに水深もあるので、ベイトタックルは圧倒的に楽です(笑)」

それはそうと、新しいリマーカブル60bはティップが2本?

家邊「はい。ソフトティップは20号くらいまでのウエイト。通常のARメソッドなどには十分なウエイトを扱えます。ハードは40号のウエイトも扱える仕様ですね。40号とは言ってはいますが100gくらいのタイラバでも問題ないですよ」

ボートの座り釣りは難易度が上がる。家邊「座っていると、水面に対してティップの位置を止めにくい。波に同調させてテンションを保ちにくいので、立って足のクッションを使ったほうがいいですよ(笑)」

そんな話をしているとサーティフォーで最も大きなワームとして発売されたビーディに良型のマダイがヒット。サイズにして60cm。0.25号という細糸ではあったが、さほど苦労することなくランディングした。

家邊「ベイトロッドだとこう言うふうに、アジ以外の魚がよくかかるので、そういったときに助かりますね(笑)」

ステイの釣りの場合は、小細工がある意味必要なく、的確にレンジを探っていくことができるので便利。

ARメソッドは、アジングらしい攻めの釣りでパターンを見つけ出して攻略することが可能なリグ。ぜひとも極めて、ボートアジングの楽しさの幅を広げてほしい。

家邊「カウンター付きのリールなんかも活用すると、レンジの再現性がアップしますのでもっと楽できますよ」

最後は楽して座って釣りをする家邊さん。それは?

家邊「ボートで座り釣りはお勧めしませんよ。ティップの位置を波があるときに止めるが難しくなりますから。ちょっと疲れたので座らせてもらいます(笑)」

潮が止まったらゼログラヘッドで釣果アップ!

ゼログラヘッド[サーティフォー]
ステイパターン時は、0.3gという通常のジグヘッドを使用し、潮などの動きが止まったらさらに、比重が軽くなる樹脂に覆われたゼログラヘッドでドリフトの質を高めるとよい。

ビーディー[サーティフォー]
3inとうサーティフォーでは最も大型のワーム。ボートアジングは目立つことが大事で、このサイズでも小型のアジはしっかり食ってくる。もちろん大型のアジにも最適。

取材時には嬉しいゲストも。マダイの60up。家邊「この季節はワームを喰いますからねヒットする確率は高くになります」

【本記事はルアーマガジンソルト最新号!】

『ルアーマガジンソルト2023年11月号』(9/21発売)では、今回の記事の全文を掲載。特集はエギング、エキスパートのテクニックや最新タックル情報など満載!


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