
「リップレスクランクのようなバイブレーション&サウンド、スクエアビルクランクのようなハンティングモーション、そしてスイムベイトのようなシルエット(ブレット・ハイト談、エバーグリーンHPより抜粋)」…世界を代表するブレーデッドジグの座に君臨するジャックハンマー。既に多くのアングラーがラインの先に結んでいるが、まだ未経験という方に向けて清水盛三さんがここでアドバイス。臆せず投げてみよう!
●文:ルアマガプラス編集部
この記事の詳細はルアーマガジン2023年11月号をチェック!
Profile
清水盛三(しみず・もりぞう)
’97JBクラシックウィナーを始め国内戦で数々の戦績を残した後に単身渡米。B.A.S.S.ウェスタンオープン’01~’02シリーズにフル参戦初年度で、翌年からのトップカテゴリー出場権獲得の快挙。’06バスマスターエリート・ケンタッキーレイク優勝など華々しい結果を魅せる一方、国内ではMo-DoブランドからDゾーンを代表とする名作の数々を輩出。2018年を最後にツアー生活にピリオドを打ち、活躍の場を国内へと。1970年5月29日生まれ、大阪府出身。
ブレット・ハイト(ぶれっと・はいと)
B.A.S.S.及びFLWを経て、現在はMLFに参戦中の米国ツアープロ。盛三さんとは2000年代初頭の西海岸ツアー中から知る仲で、20年来の盟友。エバーグリーンやDAIWAなど共通のスポンサードも多い。ブレーデッドジグ使いとして広く知られ、かつてのチャターベイトから現在はジャックハンマーへと乗り継ぎ、今なお最前線で結果を叩き出し続けている。1978年9月15日生まれ、アリゾナ州出身。
ジャックハンマー(エバーグリーンインターナショナル)
命名の由来
手元に伝わる一定のノッキングアクションで難攻不落のバスでも易々と口をこじ開ける
命名はブレット氏。直訳すると『削岩機』(読み:さくがんき)。岩石に穴を開けて割る建設機械の米国での通称が命名の由来。ロックドリルとも呼ばれる機械の如く、ブレードとヘッドがぶつかり合う低音サウンドを放ちながら、ノッキングアクションとして手元へと振動が明確に伝わる感覚がまさにジャックハンマーそのもの。
ウエイトの選択基準
「浅い場所がメイン。まずは3/8ozから。速巻きなら1/2oz」
「ウェイトが重い=レンジが深くなる。そこが基本の考え方。1.5mまでは3/8oz、1.2~3mくらいまでは1/2ozが基準」。3/4ozや1.2ozは?「ディープクランクでも届かない深い場所でスローロールするときに活用する。1.2ozはボクが日本に帰ってきてからブレットのリクエストでラインナップ。ムコウで試合に出てるときにあったら良かったんやけど」
ブレットの色へのこだわり
「DARK? or BRIGHT?」甲殻類か小魚か
「かつての練習中にブレットから『釣れたか?』って聞かれると、その後大抵発せられる言葉が『ダーク・オア・ブライト?』なんですワ。彼は具体的に何色? とは聞かないんですワ」。前者はザリガニを模したグリパンなどの暗い系、後者はシャッドの白など明るい系を意味する。「大雑把やけど、その中から自分でアタリカラーを見つけるのがめっちゃ繊細。例えば…」
下の2色、違いがわかるだろうか?
左がブラック&ブルー、右がブルーズドグリーンパンプキン。「パッと見同じ(笑)。でも、バチッとハマると明らかに釣果の差が出ることを、ブレットは知ってるからラインナップしてる」
タックルバランス
「ロッドはカーボンならML~Mクラスやね」
「竿はグラスコンポジットが理想やけど、カーボンだったら低弾性の柔らかい竿。なかったらスピナーベイトを使う竿でもいい。ジグを使うような高弾性の竿は向いてないよ」。柔らかいとはどんな?「全体的に曲がるというよりは、バットはしっかりしているけどベリーからティップにかけて柔らかい竿やね。パワーはMかMLがオススメ」
ベイトリールはギア比6.3、ラインはフロロカーボン16lbが盛三さんの基準タックルだ。
盛三さんの愛竿・レパードでのファイトシーン。美しい曲がりは獲物を確実に仕留め、一日中快適なキャストを実現する。
ビギナーの注意点
「何より一定かつ真っ直ぐに泳がそう! 巻きスピードは速めの感覚でもOK」
「ボクはギア比6.3のベイトリールを使ってるけど、意外と速巻きですよ。スロー気味なら7.1でもいいかな」。盛三さんの巻き速度は想像以上に速い。
「ジャックハンマーの振動を感じることができる一定リズムが基本のスピードで。そして何より大事なのは、真っ直ぐ泳がせること。一定の巻きリズムに対して『ブワッ』と違和感が出たときは、それがアタリ。めっちゃ気持ちいいよ。よくわからない人はボクの動画で勉強してね」YouTube『Bigmama Fishing TV』で要チェック!
トレーラーベーシック
「トレーラーを付けて完成するのがブレーデッドジグ」
「どんなワームでも大切なのは、ハリに対して真っ直ぐ刺すこと。巻いてみて真っ直ぐ泳いできたら、それが正解の付け方。チドったら刺し直してくださいね」
ワームはどんなタイプを?
「基本はピンテール。国内では他にダブルテールを使うくらいかな。シャッドテールを使ってもいい。そこは自分の好きなのを試してもらったらいいと思う。もしかしたら誰も知らない威力を発揮するのがあるかもしれないし」
大切なのは何より刺し方なのだ。
上がフラットピンテール4.5in、右がノイジークロー3.5in(共にベイトブレス)。盛三さんがおすすめするトレーラーモデルがこれだ。
モリゾー流 カラーチョイスのキモ
カラー選択のひとつの基準は“水の色”にあり!
盛三さんのカラー選択の基準は、実は水の色とメインベイトにある。極めてシンプル、かつ理に適った思考だ。
「アメリカはね、単純にマッディっていっても、茶、白、緑、赤など、濁りにも色々な系統がある。その時々にアジャストさせていくには、やっぱり細やかなカラーチョイスができるように数多くのラインナップがほしいんですワ」
現在、3/8oz基準で22色のカラーラインナップ。
“たけじい”こと竹内俊美プロデュースによるGフラッシュは「JB戦で使用可能なFeco認定のTGモデルのみにラインナップ」オリジナルに存在しないカラーはTGから選択するという。
ウィード攻略マスト、ナゼ?
「遠投性能とすり抜けの良さで広範囲もストレスなし」
米国戦ではウィードレイクでウィニングルアーに輝く印 象が強いジャックハンマー。すり抜けの良さはもちろんのこと、空気抵抗が少ないが故に遠投が効く。結果として広範囲を探ることができるのだが、実はリザーバーでの岩盤エリアや、立木やレイダウンなどのウッドカバー系、フラットレイクのリップラップ等、場所を選ばず使える万能ルアーでもあるのだ。