エクリプスがリリースするワーム『カタナギ(エクリプス)』。不思議とそのエリアの大型の個体が喰ってくるという喰わせ力を持つのが特徴。このワームの開発に携わった大石浩史さんに、ギンポを模した特徴的な形状の秘密、そして実釣性能について解説してもらった!
●文:ルアーマガジンソルト編集部
大石浩史さんのプロフィール
大石浩史(おおいし・ひろふみ)
静岡県浜松市出身、在住。幼少期、近所の川のアユ釣りから釣り歴をスタートさせ、20年以上前からサーフに没頭。遠州サーフと浜名湖をホームにヒラメ、クロダイ、シーバスなど旬のターゲットを追い続けている。エクリプスプロスタッフ。
『カタナギ(エクリプス)』独自のフィッシュテールが放つ微波動がスレたヒラメに効く!
カラーバリエーション
シャッドテールとピンテールの中間的なアピール力
サーフで使うワームはシャッドテール、カーリーテール、ピンテールタイプが一般的。カタナギのテールは厚みを持たせた魚の尾ビレのような形状で、両側にエッジを利かせた凹みが設けられた独自のフィッシュテールを採用する。
大石「アピールはシャッドテール、カーリーテールより弱く、ピンテールより強い。細かくナチュラルに震えるテールが、ルアーを見慣れたヒラメに口を使わせます」
シルエットを大きく見せてヒラメにアピール
ギンポの背ビレ、尻ビレも忠実に再現。
大石「上下のヒレも微波動を出して魚を誘います。あとシルエットを大きく見せる効果もある。アクションや波動はナチュラルで、しっかり見せてアピールできます」
カラーはアピール系とナチュラル系を用意
カタナギのカラー選びに関しては?
大石「光量で選ぶのが基本です。朝夕マヅメなど光量が少ないときはチャート/オレンジやレッド/ゴールドなど派手な色。光量があるときは擬態派手シャイナーやメロンゴールドフレークなどのナチュラル系。反応がないときは反対色やシルエットが出やすい濃い色も試します。実際にチャート/オレンジとメロンゴールドフレークは光量に関係なく、オールマイティに効きますからね」
上からチャート/オレンジ、レッド/ゴールド、擬態派手シャイナー、メロンゴールドフレーク
合わせるジグヘッドはどんなタイプがいい?「どれが合うかテスト中。この3つはおすすめです」
サーフでは横の動きで追い食いを誘うことが多いため、フッキングを考えるとリグ後方にトリプルフックはマスト。
大石「ジグヘッドはどれと相性が良いか試しているところですが、現状、ワームを刺しやすくて操作しやすいのはこの3つ。重さは近距離をじっくり攻めるときは10g。普通に投げて巻くときは20g前後。波や風が強いときは25g以上を使います」
フラットジャンキージグヘッドSS(DAIWA)
大石「アイが遊動式で良く飛ぶ。浮き上がりも良く、浅いサーフにも向きます」。トリプルフックは市販のロングシャフトタイプのスイベルを利用して装着。
ストライクヘッドSタイプ(マーズ)
大石「ステンレスのフレームを貫通させるのでワームのホールド性が良い。レンジキープしやすく、水深のあるサーフで使いやすいです」
99ヘッド(バディワークス)
大石「キーパーに真っ直ぐ刺すだけで装着のしやすさは一番。遊動アイで飛距離が出て、浮き上がりも早い。リアフックも標準装備でビギナーの方にもおすすめです」
ストライクヘッドの装着例
使い方は任意のレンジでただ巻き!ティップで跳ねさせるのも有効
大石さんがサーフで良くやるカタナギの使い方はこの3つ。
大石「基本は任意のレンジまで沈めてただ巻き。浮き上がりすぎず、底を擦りすぎない速度で巻きます。巻きを止めてフォールを入れるストップ&ゴーが良いときもある。あとは底をとったら巻きながらロッドティップを小刻みに煽って、ボトム付近で跳ねさせます(写真)。どれに反応が良いかを試します」
日中はスレたヒラメも視野に入れて攻略
明るくなり、立ち並ぶ釣り人の間隔が徐々に広がると大石さんは動いた。
大石「歩いてあやしいところを見つけながら撃ちます」
波が一部だけ立つところ、波が立たないところなど見た目の変化はもちろん、巻きながら流れの変化も感じつつ、周りと比べて違うところを探っていく。同時にルアーもシンキングペンシル、メタルジグ、メタルバイブレーションなどを小まめにローテーション。
大石「朝マヅメは活性の高い魚がベイトを追って波打ち際までやってきますが、日中はそういう魚が減ります。広く探る意味でも飛距離が出るルアーの出番が増えます。ただ歩いて変化を見つけて撃つ場合は、飛距離だけではダメ」
周りとは違う変化にヒラメが付いている可能性があるわけですよね?
大石「そう。しかも朝マヅメは釣り人が並んでいたので、ルアーを見慣れてスレていると想定。そのルアーが持つ喰わせる力が頼りになります」
それが今秋リリースされた喰わせの釣りに向くワームになる?
大石「そうです。カタナギといいます。一部だけ波の崩れが遅いところ、そこに投げてみます」
すると数投後には。
大石「喰いました。頭を振っているから小さいけれどマゴチかな……あっエソでした(笑)」
たまたま居た魚がエソで、ヒラメだったら本命が喰ってた!?
大石「そう。朝マヅメにサバを釣ったワームも実はカタナギ。色々な魚が釣れるワームです」
サーフ用に開発?
大石「いや、実はロックフィッシュのベイトフィッシュパターン用に作られたワームです。カタナギはギンポのことです」
あのドジョウに似た体型の!
大石「実際に釣り場にギンポは居なくても、サイズ感といい釣れるギミックが色々詰まっている。サーフの釣りにも非常に有効です」
サーフのフィッシュイーターすべてが狙える!
そのほかサーフで狙える魚種は?
大石「マゴチ、シーバス、青物など届く範囲のフィッシュイーターすべて(笑)。今日もヒラメが居れば必ず喰うはずなんですけど」。発売前のテストではヒラメをしっかりキャッチ。
使用タックル
【タックルデータ】
●ロッド:アクシアトラックATS-FL99MLL /アクシアトラックATS-FL102ML(ともにエクリプス)●リール:ツインパワーSW4000XG(シマノ)●ライン:ピットブル8+1.2号(シマノ)●リーダー:シーガー・グランドマックスFX5号(クレハ)※写真はATS-FL102ML。リール、ライン、リーダーは2セット共通。
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