GTフィッシングは「全身全霊」で挑むべし!夢を掴むのに必要なのは「準備」と「感謝」【リライト調査隊】

釣り好きなら一度は釣ってみたいと夢にみる人も多い GT(ロウニンアジ)!しかし、大物故にタックルを揃えるのが大変…。釣りに行くのもハードルが高く、夢にみるだけで実行するまでには至らない事が多いのも事実。何を揃えればいいのか?タックルは?ラインの結び方は?どう狙えばいいの?など、調べてもいまいち分からなかったりする事も多く、現地に行って実際に釣りをしてみると想像と現実が若干違う事があった。今回はいざ本番!3度目のチャンレンジによるGTとの激闘の一部始終、そしてGTをキャッチして理解することができた釣りにおける重要なことを語っていただこう。

●写真/文:BOSS吉田

2024 新製品情報

実釣&解説は「リライト調査隊・BOSS吉田」

BOSS吉田

元釣具店店員であり、釣りのジャンルを問わずあらゆる釣りに打ち込むフィッシングジャンキー。最も得意な釣りはソルトのライトゲームやシーバスだが、並行してハゼクラにも力を入れており、一過言あり。2019年から続く「Hz-1GP(ハゼワングランプリ)」に連続参戦中で、毎年優勝するほどの実力者でもある。それ以外にもエサ、ルアー問わず幅広い釣りに精通!

本編の内容&前回の記事はこちら

過去 2 回の悔しい経験から得たモノ

昨年吉田はGTゲームに2回チャレンジをして、 1 回目は強い引きに耐えた為に根ズレでリーダーがブレイク、2回目は、最初の走りでPEラインから切れてしまい悔しい思いをした。

何故2回ダメだったのか「理由」がある。

1回目は、GTの強い引き初体験で引きに満足してしまいシャローエリアでヒットしているにも関わらず体全体で瞬時に魚を浮かせようとしていなかった。

2回目は、1回しか使用していないという理由でPEラインを前回使用していた所を30m程切ってそのまま使用した為に、残りの部分で弱っていた部分があり、そこから切れてしまった。「まったく油断ができない魚だ!」とこの2回の経験から教わった。

過去の釣行模様の動画はこちら

万全の体制で挑む1日目

港から15分程の岸が近いポイント、今回GT初挑戦で同行していたリライト調査隊・ひろぽんとキャストを開始する。

キャストするルアーが 100g~150gの為、キャストフォームの確認やルアーの動かし方を確認しながら、ひと流し目の開始 40分程でひろぽんのルアーに突然水柱が立つ!

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まだ心の準備ができていなかった為に完全に油断していたひろぽん。ロッドがブチ曲がり引き込まれていく!

始まったばかりで体力はまだあるはずだが相手が巨大魚!

「はぁはぁ、つれぇー(ひろぽん)」「頑張れ!ヤバかったら言って!(吉田)」と励ましながら
魚が浮いてくると…。

全員「ん?なんか違う?GTじゃない…。なんだ、GTじゃないんじゃ早く上げちゃってちょーだい」

GT じゃないとこの扱い…いかに GT が凄いのか分かる。

ひろぽん「はぁはぁ…握力が…」

吉田「何?何?」

船長「イソンボ(磯マグロ)!」

ひろぽんが苦労するはず。20kg級磯マグロのいきなりのヒット。タモ入れまでもうすぐという所でまさかのフックアウト…。

全員「ああぁぁぁぁ!そんな事ある!?」

ひろぽん「うそー!体力ねぇー(自分)」

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開始早々の洗礼!本命はGTだがゲストも大型でまったく油断ができない!前回の記事にも記載したが、この後吉田はガイドが壊れるトラブルを起こしながらサブタックルでキャストを続ける。

ルアーのアクションについて

GT で大型のダイビングペンシルを使用する場合、ロングジャーク主体にショートピッチジャークを混ぜたり、連続ショートピッチジャークでジャカジャカ巻きを入れたりと関東のマグロ・ヒラマサ狙いで使う綺麗に動かすアクションというよりは、ミスダイブで水面から飛び出てしまっても、とにかく気付いてもらうように派手にアクションをさせる方法が良い。

水深 30m~40mの少し深いポイントで「 ヘッドディップ 175Fフラッシュブースト(シマノ)」をキャストしていた吉田。

ロングジャークにショートピッチジャークのコンビネーションジャークをすると…ググっ!とヒット。すぐに特大ジャンプ!「シイラだ!」

フックアウトするも、そのままただ巻きをすると…またヒット!

タックルがタックルだけに簡単にキャッチできてしまったが 115cmの立派なシイラだった。1日目は残念ながらGTのバイトはなかったが、特大ナポレオンフィッシュの単発ボイルが見られたり、リーフ際で 1.5m程のサメがルアーに追尾してきたりと興奮が抑えられない1日目だった。

2日目に向けての準備が大事

メインタックルのガイドが壊れてしまった吉田だが、吉田はガイドを直せるのですぐに材料を揃えて、簡易的だが強度は問題ないスレッド巻きと接着で緊急オペ完了!

1日目に使用した PEライン60m~70mを躊躇なく切って、FGノットで新品のリーダーに結束し直す!

PE6.0号300mというと高額なラインの為に切るのをためらってしまうが、自分が不安に思う要素があれば躊躇なく切る事が、巨大魚がヒットした場合に切られずにキャッチできる確率を上げてくれる。不安要素がなく完璧にする事が大事なのだ。

勝負の2日目!

頑張るぞ!という意気込みはあるものの1日目の9時~17時まで投げっぱなしの疲労が残る…。背中、腕、肩、手のひらが筋肉痛。それでも絶対釣る!という意気込みでいざ勝負!!

前日メインタックルがほぼ使用できなかった吉田は、この日はメインのみでルアーは「オシア ダイブフラット240F(シマノ)」しか投げないと決めていた!

フック重量を入れると 150gを超えて疲労が残る体にはキツイがキャストし続ける!何度がチェイスがあり水面が割れるがヒットしない。

そんな中、サンゴの根がはっきり見えるシャローエリアでバイトが出始める!あぁ~!掛からない…。

ひろぽん「くったぁー!」

全員「ん?あれ?引いてない」

吉田「カスミアジ?ロウニン?」

全員「ロウニンBaby!ヘイベイビー!(小さいね)w」

誰も取ってあげない…。

ひろぽん「すいません、ベイビーでも取ってもらえませんか?w」

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船長「しゃーないなー!はいよー!w、膝乗せる?w」

と和やかな雰囲気にしてもらえたが、一応は本命の小GTであった。

ひろぽん「片手で持てるような魚じゃないんだけどなぁー」

遂にきた!夢にまで見た「GT」

朝から出船し、キャストを続けて 14時半過ぎ。途中1時間程休憩のライトゲームをして楽しんだりしながら体力を回復し、再度本番へ!

ライトゲームでは、ブルーの斑点が綺麗なアオノメハタなど釣ってみたかった魚が釣れた!

サンゴの根がはっきり見えるシャローエリア。船長の的確なアドバイスで前に見える小さい根を狙う吉田。

1投目は根の右側…反応なし、2投目は根のど真ん中…反応なし、3投目は根の左手前側にキャストしてボシュと泡が出るくらいの強めのロングジャークを繰り返すと…根から黒い巨体が出てきてルアーの後ろに付いた!

「付いてきてる!?」と同時に喰わせの細かくショートピッチジャークを入れた瞬間「バコンッッ!」と水柱が立ち待望のヒット!

「ジィィィィー!」ときつく締めているはずのドラグが鳴り響きラインが出る!

船長「フッキングかましとけ!」

渾身の力を込めてアワセを入れる!

ヒットしたのは根が見えるシャローエリア!根に突っ込まれないように膝も使ってポンピングしながらハンドルを回す!

それでも引きが強くハンドルを握らせてくれない。

吉田「これは絶対に獲る!」

TV番組などでは見ていたが想像以上の引きで、腰に竿あてのギンバルをしていても痛い。

しかし待ちに待ったGTヒット!絶対に今回は獲りたい思いで気合いを入れる。全員から鼓舞をするような野次もあった為に力がみなぎる!

この間に水深 20mラインまで船を移動してくれていた船長「今 20mあるからね!」

吉田「あ!深いっすか!?」

少し安心した。これで根ズレはない。でも油断はできない。とにかく重い。足も手もプルプルしてくる。時間を掛けるほど自分の体力がなくなってくる。釣りをしていて息ができなくなる経験は初めてだ。

ヒットしてから5分弱。汗で偏光サングラスも落ちてくる…。しかし、船の角度を変えてくれたりと船長のナイスフォローのお陰もあり、とうとう姿が見えてきた!

吉田「GT!GT!これいけるんじゃないっすか!?」

GTの体力が先に尽きていて船長のタモ入れ成功でキャッチ!

全員「やったぁぁぁぁ!!」

倒れ込む吉田。もし釣れたら感動して泣くだろうと思っていた。しかし、それどころではなかった…。
息を整えるので精一杯…。

吉田「GTファイトってこんなにキツイんだ…」

ひろぽん「疲労が勝っちゃったww」

子供の頃から夢に見たGT!102cm18kgと GT では小ぶりな方だが膝に乗せるサイズだ!

膝に乗せてみたかった!触ってみたかった!でも想像よりもヌメリがありグローブがヌルヌルになったww。GTキャッチ後、釣りを再開するならグローブは変更した方が良さそうだ。

撮影をしてすぐにリリース!

全員「いえーい!やったぁ!」

2日目の終盤でキャッチするというドラマで完全に燃え尽きた吉田…。

吉田「もう投げたくない…ひろぽん後は頑張ってw」

肩が上がらなくなるまで投げ続けたひろぽんも遂にタイムアップ!あれだけ投げ続ければ悔いも残らない。そして清々しい表情のひろぽん!

ひろぽん「また挑戦したいです!」

皆で獲った1本

GTリリース後、心の底から「皆で獲った1本!ありがとうございます」といつの間にか言っていた。

釣った本人は燃え尽きていて、周りの方が喜んでいたからだ。自分一人では獲れなかった魚だとキャッチして改めて思った。同船していた全員はもちろん、現地で色々とアドバイスをしてくれた釣り仲間の協力があったから準備万端で挑むことができたのだと!

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吉田イチオシ!『オシア ダイブフラット240F(シマノ)』

今回吉田に釣果をもたらしてくれた「オシア ダイブフラット 240F(シマノ)」はフックなしで 138g、4/0、5/0 のフックを装着すると 150g以上になる大型ダイビングペンシル。大きいフラット面の強フラッシングとラトル音でとにかく集魚力が抜群!

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ただ巻きでもロールアクションをする為、ロングジャークやショートピッチジャーク時のミスダイブがほぼなく思い通りのアクションができた。

少々重たいので、投げるのが大変という所のみで、慣れてしまえば問題なくキャストもできて、コスパ面も良く優秀なダイビングペンシル。吉田的にかなりお気に入りのペンシルとなったのは言うまでもない。またカラー展開が現時点で6色なので、今後のカラー展開を期待したい。

巨大魚のロマンは「全身全霊」で挑むべし!

キャッチしてみないと分からない部分が発見できた今回の GT 狙い。今までバラしてしまった理由の分析、ガイド修理などができる釣り経験、テクニック、ヘビータックルで投げ続ける精神力、ヒットしてからの体力と勝負する強い心など心技体「全身全霊」で挑まないとキャッチさせてもらえない神のような魚だった!
しかし、船長曰く「運が良い人はすんなり釣れる事もあるよ~」とのことww。

海外にいかなくても、奄美大島~沖縄県は GT 狙いのメッカ!夢の巨大魚の引きが味わえて釣れてもカッコいい魚!

また1本キャッチしても「更にサイズアップを目指して挑戦したい!」と思うロマンしかない釣りだった!釣りのロマンを求めているアングラーは是非いつかは挑戦して欲しい釣りの一つだ。


※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。