赤松健にとってチャターは特別思い入れの強いルアーだ。彼が求める理想的なチャターをカタチにしたのがAKチャターで、シリーズ展開や釣法もさらに拡大していっている。徹底的に釣り込んできたからこそ語れるチャターの魅力を赤松健が解説していく。
●文:ルアマガプラス編集部
この記事の詳細はルアーマガジン2023年11月号をチェック!
Profile
AKチャター 13g(一誠) & カタクチワームヤバクネ 4.5in(一誠)
極めて釣れる“当たり”のチャターを製品化したのがAKチャター
赤松さんのチャターとの出会いは鮮烈なものだった。
赤松「世にチャターが出回り始めたとき、僕はチャターが嫌いだったんですよ。スイムジグの釣りがとても好きで、大きいのが釣れるし、そればっかりやってたんです。チャターのように派手にブルブルするのは、小さいバスは釣れてもデカいのが釣れないと思ってたんです。でも、とある先輩に真横でチャターでものすごい釣られたんです。先輩には55アップが連発で釣れて、スイムジグを使っている僕には全然釣れない。試しにルアーを貸してもらうと、そこから自分も爆釣。そのときにチャターのルアーパワーに気付かされたんです」
それをきっかけに赤松さんはチャターを研究するようになった。
赤松「釣り込んでいくと、チャターはめちゃくちゃ釣れるルアーだけど、さらに極めて釣れるアクションが存在するということがわかってきました。釣れるチャターが持つ巻き心地を身体で覚えて、その釣れる要素というのをよりわかりやすく強調して作ったのがAKチャターです」
ずばり、その釣れるチャターが持つ違いとは?
赤松「パワーとピッチです。ブレードのピッチは速ければいいというものではなく、ブレードの左右の揺れがヘッドに当たり、スカートを震わせて、トレーラーまで伝達させるパワーが必要です。そのパワーとピッチを意識しながらAKチャターを作っていったのですが、手作りのプロトの段階からボコボコに釣れましたね」
チャターにはバスの好きな三大要素が備わっている
最初は嫌いだったチャターも、今では最もこだわりの強いルアーのひとつとなった赤松さん。チャターにはバスが釣れる魔力が備わっている。
赤松「ワームのナチュラルさとスカートの細かい波動、そしてブレードのバイブレーション。バスが好きなものが全部詰まっているのがチャターで、そりゃ釣れますよね。スピナーベイトやスイムベイトも似たような釣りができますが、チャターは波動が強く、チドリが入ることで食わせ能力が高い。あとは、スピナーベイトとスイムベイトはカーブフォールさせる釣りがしやすいですが、チャターベイトはその釣りはちょっと苦手。でも、巻き続けることは得意なんで、アップヒルを巻き上げてくる釣りにマッチします。足元まできっちり探れるので、オカッパリ向きのルアーですよね」
ライアチャター(一誠)
一誠のチャターシリーズにはスカートレスモデルのライアチャターもラインナップ。
赤松「スカートがないことでリアルシルエットになり、ラバーのボリュームを抑えたいときに効果的です。スピナーベイトとジグスピナーの違いみたいな感じですね。チャターでひとしきり釣った後に投げると、さらに増やせるのがライアチャター。スローリトリーブが得意で、冷え込んだタイミングとかでボトムをスローに巻いてくるという釣りもおすすめですよ」
プロトタイプバズベイト(一誠)
AKチャターのボトムジャークがクリアアップの窮地を救った
赤松「ボトムジャークが厳しい状況を打破してくれたことがあります。ストレートリトリーブで食わないときに釣れるワザで、しかもワームとは違った魚が反応するんですよ。ルアーが浮きすぎないように、ロッドは上方向に動かすのではなく下に操作するのがコツです。激しく動かしているように見えて、ルアーはそこまで激しく動いてなくて、ボトムでチョーンと跳ねているような感じです」
この釣り方は以前から赤松さんが試したようだが、ここ最近特にハマることが多いようだ。
赤松「この釣り結構ヤバいですね。最近密かにめっちゃ釣ってるんです。もっとルアーのセッティングとかアクション方法を煮詰めていきたいんで、まだまだ釣り込んでいく必要があります。実は今回のチャター取材の話をもらったとき、めちゃくちゃ嬉しかったんですよ。僕の大好きなルアーだし、今いろいろなプロトを試している最中で、チャター熱も高まってたんです。今後もまだ新しいチャターを出していく予定なので、楽しみにしていてください!」
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