【新作もお披露目!?】赤松健のヒット作はどのようにして生まれたのか?【AKチャター&ライアチャター】

赤松健にとってチャターは特別思い入れの強いルアーだ。彼が求める理想的なチャターをカタチにしたのがAKチャターで、シリーズ展開や釣法もさらに拡大していっている。徹底的に釣り込んできたからこそ語れるチャターの魅力を赤松健が解説していく。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

この記事の詳細はルアーマガジン2023年11月号をチェック!

Profile

赤松 健(あかまつ・けん)
天才岸釣り師・村上晴彦に認められた一番弟子。師匠譲りのフィッシングセンスを持ち、独創的な釣りで次々とバスを釣り上げていく。一誠スタッフとしてルアー開発の才能も開花させている。滋賀県在住。

AKチャター 13g(一誠) & カタクチワームヤバクネ 4.5in(一誠)

【スペック】
ウェイト:10g,13g,21g
カラー:14色(10g、13g)/6食(21g)

極めて釣れる“当たり”のチャターを製品化したのがAKチャター

赤松さんのチャターとの出会いは鮮烈なものだった。

赤松「世にチャターが出回り始めたとき、僕はチャターが嫌いだったんですよ。スイムジグの釣りがとても好きで、大きいのが釣れるし、そればっかりやってたんです。チャターのように派手にブルブルするのは、小さいバスは釣れてもデカいのが釣れないと思ってたんです。でも、とある先輩に真横でチャターでものすごい釣られたんです。先輩には55アップが連発で釣れて、スイムジグを使っている僕には全然釣れない。試しにルアーを貸してもらうと、そこから自分も爆釣。そのときにチャターのルアーパワーに気付かされたんです」

それをきっかけに赤松さんはチャターを研究するようになった。

赤松「釣り込んでいくと、チャターはめちゃくちゃ釣れるルアーだけど、さらに極めて釣れるアクションが存在するということがわかってきました。釣れるチャターが持つ巻き心地を身体で覚えて、その釣れる要素というのをよりわかりやすく強調して作ったのがAKチャターです」

ずばり、その釣れるチャターが持つ違いとは?

赤松「パワーとピッチです。ブレードのピッチは速ければいいというものではなく、ブレードの左右の揺れがヘッドに当たり、スカートを震わせて、トレーラーまで伝達させるパワーが必要です。そのパワーとピッチを意識しながらAKチャターを作っていったのですが、手作りのプロトの段階からボコボコに釣れましたね」

チャターにはバスの好きな三大要素が備わっている

最初は嫌いだったチャターも、今では最もこだわりの強いルアーのひとつとなった赤松さん。チャターにはバスが釣れる魔力が備わっている。

赤松「ワームのナチュラルさとスカートの細かい波動、そしてブレードのバイブレーション。バスが好きなものが全部詰まっているのがチャターで、そりゃ釣れますよね。スピナーベイトやスイムベイトも似たような釣りができますが、チャターは波動が強く、チドリが入ることで食わせ能力が高い。あとは、スピナーベイトとスイムベイトはカーブフォールさせる釣りがしやすいですが、チャターベイトはその釣りはちょっと苦手。でも、巻き続けることは得意なんで、アップヒルを巻き上げてくる釣りにマッチします。足元まできっちり探れるので、オカッパリ向きのルアーですよね」

今回の取材は岐阜県・五三川で実施。状況的にバスが横方向の動きに反応が薄く、スローなワーミングが最適解という雰囲気。そのなかでもチャターに反応する後活性なバスを拾っていった。

琵琶湖で生まれて五三川で育ったのがAKチャター
琵琶湖での爆釣を目の当たりにしたことから誕生したAKチャターは、五三川で徹底的に釣り込まれて現在のスタイルに成長。その釣れっぷりは、今でももちろん衰えることはない。

ライアチャター(一誠)

【スペック】
ウェイト:7g,10g
カラー:全5色
付属品:ライアミノー3in2本

一誠のチャターシリーズにはスカートレスモデルのライアチャターもラインナップ。

赤松「スカートがないことでリアルシルエットになり、ラバーのボリュームを抑えたいときに効果的です。スピナーベイトとジグスピナーの違いみたいな感じですね。チャターでひとしきり釣った後に投げると、さらに増やせるのがライアチャター。スローリトリーブが得意で、冷え込んだタイミングとかでボトムをスローに巻いてくるという釣りもおすすめですよ」

プロトタイプバズベイト(一誠)

ブレードは振動させるためではなく、ルアー自体の浮き上がりの良さを狙っている。

バズベイトにチャターブレードを搭載した意欲作
赤松さんがテスト中のバズベイトで、ストレートタイプ構造にすることで飛距離をアップ。ペラは2枚構造で独特のプロップ音を発生する。チャターブレードを付けることで浮き上がりを向上させている。すでに手応えを感じており、来年の発売をめどに動いている。

AKチャターのボトムジャークがクリアアップの窮地を救った

赤松「ボトムジャークが厳しい状況を打破してくれたことがあります。ストレートリトリーブで食わないときに釣れるワザで、しかもワームとは違った魚が反応するんですよ。ルアーが浮きすぎないように、ロッドは上方向に動かすのではなく下に操作するのがコツです。激しく動かしているように見えて、ルアーはそこまで激しく動いてなくて、ボトムでチョーンと跳ねているような感じです」

この釣り方は以前から赤松さんが試したようだが、ここ最近特にハマることが多いようだ。

赤松「この釣り結構ヤバいですね。最近密かにめっちゃ釣ってるんです。もっとルアーのセッティングとかアクション方法を煮詰めていきたいんで、まだまだ釣り込んでいく必要があります。実は今回のチャター取材の話をもらったとき、めちゃくちゃ嬉しかったんですよ。僕の大好きなルアーだし、今いろいろなプロトを試している最中で、チャター熱も高まってたんです。今後もまだ新しいチャターを出していく予定なので、楽しみにしていてください!」

〈次のページは…〉各チャターのスペックと値段

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。