ショートレングスで魅せる!『ワールドシャウラ』&『スコーピオン』で三島湖ブラックバスを攻略!

霞ヶ浦水系で稀有の腕利きフリースタイル・プロガイドとして知られる酒井俊信さんが、今回向かったのは千葉・房総半島リザーバーの雄、三島湖。下流は海へと注ぎシーバスも生息する霞ヶ浦水系とは異なり、そこは山深き山間部のダム湖。ターゲットは無論バスのみだが、酒井さんは今回なぜ三島湖を舞台に選んだのか。存分な釣果を生んだ秘密が明らかになる。(取材協力:ともゑボート)

<三島湖攻略!? 酒井さんの実釣動画はコチラから>

●文:ルアマガプラス編集部

酒井俊信

さかい・としのぶ/今春、潮来つり具センタースタッフとの二足の草鞋から一転、専業プロガイドへと転身。霞ヶ浦水系を拠点にターゲットはバスのみならず、シーバスなどルアーフィッシングで釣れる魚であれば分け隔てなく楽しむのが酒井さんのスタイルだ。

軽快さがさらに際立つアンダー6フィート!

酒井「2週間ほど前、まだ秋の気配すら感じさせない真夏の時期に三島湖を訪れたんですよ。長らく雨が降っていなかったせいか、かなりの減水状態だったんです」

取材日は9月中旬。朝夕の気温がやや低くなり始めた残暑の季節。当日は小雨も散らつき、上着を着ても不快に感じないほどまでに、季節は進行していた。

酒井俊信さんが前回三島湖に訪れて以降、関東地方全域に大雨が襲った。わずかな期間で三島湖の様子は様変わりしていた。

酒井「両岸が岩肌丸出しの渇水状態から、今はほぼ満水の状態へ。以前はクランキングで良い思いをしましたけど、今はその釣りではちょっとキツイですね…」

酒井さんの相棒はフリースタイルロッドとして知られる『ワールドシャウラ』と『スコーピオン』。後者は酒井さんの巻きを完遂する主軸として数々のラインナップが存在。かつてとは様変わりした三島湖で、どんな手を撃つのか。

酒井「木々がせり出して、水面との距離が狭いのが今。そんな時に強い味方となるのが各モデルに存在する『アンダー6フィート』のショートレングスです」

ティップがレンタルボートの縁を叩くこともなく、取り回しの良い長さは軽快なキャストを演出可能。酒井さんはごく狭い隙間を縫って、オーバーハングの奥へと鮮やかなキャストを決めていく。

増水によりオーバーハングと水面の間が狭まった状態でも、バックハンドやピッチングで鮮やかなキャストを決めていく酒井さん。「15102R-2を始めとした6フィート以下のモデルも数多いのがフリースタイルロッドの特徴でもあります。キャストが決まる、そして瞬時のアワセでカバーから引き剥がせるのがショートレングスの利点ですね」。

超級の怪魚と対等に戦えるパワーも保持

酒井「風が吹いたらスピナーベイト。バス界では大昔からそんな言い伝えがありますよね」

早朝は微風も昼が近づくにつれ、風が強まっていく予報の当日。

「ローライトのためシェードに魚は集結しない、動いている」と読んだ酒井さんは、スピナーベイト・スウェジーMDWを選択。

酒井「濁りが強いならDWでスローも良いのですが、澄み気味なのでMDWで手早く。リールはギア比7.4のスコーピオンMGL150HGです」

強過ぎないアピール力と引き抵抗のMDWで軽快にキャスト&リトリーブを繰り返す。オーバーハングの奥から際、そしてブレイクまで比較的広範囲を網羅した。

組み込んだロッドは、5フィート10 インチのショートレングスモデル『スコーピオン15102R -2』。ルアー負荷を受け止めて弾き出すしなやかさと鋭さを持ち合わせ、低弾道で正確なトレースコースを描き出していく。

酒井「この11月、久々にアマゾンへ行くんですけど、その際にもメインとなるロッドです。三島湖の景色はアマゾンと似ていますね。オーバーハングの奥へルアーを滑りこませ、バイトがあれば瞬時に引き
剥がす。それがこのモデルの強みです」

1メートル超や10キロ超も珍しくない怪魚との勝負を制することができるフリースタイルロッド。ラインさえ太径に巻き変えれば、そのまま帯同できるのだという。存分なパワーを持ち合わせていることは、これまでの数々の結果が証明していることで理解できるだろう。

今回の釣果ももはや言うに及ばず。数々のグッドサイズをご覧いただきたい。

バンタム スウェジーMDW 3/8oz

向かい風でもトラブルなく飛距離を稼ぎ、ブレードの輝きとヘッドの波動で集魚力を高めるスピナーベイトの名作。酒井さんはこの日、前後ブレードが同サイズのダブルウィロー・MDWを選択。強過ぎないアピール力と抵抗は軽快な展開を促す。酒井「濁りが強いならダブルウィローのハイアピールが頼りに」

スウェジーのヘッド下部にはアイを標準装備。今回はシンカーを追加して、より深場を攻めるシーンも。酒井「ティンセル搭載でアピール力を増すことも」。使い方は無限に広がっていく。

オーバーハング奥へ鮮やかにスキッピングを決める酒井さん。酒井「スピナーベイトは水面に接触する点が少ないので、エラストマー系ワームを千切ってフックの軸に」。華麗なるキャストのキモがここに。

バンタム アーマジョイント190SF フラッシュブースト(シマノ)

酒井「ボディを折りたたんで抵抗なく飛び、小刻みなトゥイッチで移動距離の少な 水深が深い場所を広く探れますね」。鋭いターンを見せるビッグベイトの意欲作。すると、岸沿いのカバー際から大型が猛アタック!酒井「澄み気味なせいか、寸止め…。1日やり続けたら面白いかもしれませんね」。次回があればきっと。

スコーピオンジャーク90S ジェットブースト(シマノ)

酒井「90年代、小学生だった僕がよく使っていたSPミノーの名作が最新テクノロジーを搭載して生まれ変わりました!」。90ミリのボディ外観はそのままに、飛距離を増し泳ぎを昇華する内部構造をファインチューン。バスのみならず様々な魚種に対応すべく、Sモデル化。酒井「リザーバーなら岩盤際など水深が深い場所を広く探れますね」

酒井「JMが登場した90年代後半はジャークベイトという呼び方がなく、この形状は全てミノーと呼ばれてましたね」。現代の国内では一般的にテクニカルな操作が可能なモデルがジャークベイト、ただ巻き系がミノーだが、こちらはどちらでも有効に機能する画期的なモデルだ。

酒井「お気に入りは『イブシカラー』4色。鈍く艶かしい輝きを放ち集魚力を高めます」。上画像のイブシフロリダを始め、イブシシルバー、イブシクロキン、イブシアカキンPMのほか、全10色をラインナップ。

「おや? 晴れ間が見えてきましたね。シェードに入ったかな」と酒井さんは言うや、ワールドシャウラ1703-2Rに持ち替えバックスライドワームのノーシンカーをカバー際へ。すると、読みは的中! 最後にも見事な1本を仕留めたのだった。

使用タックル

上から
[スウェジー用]
●ロッド:スコーピオン15102R-2
●リール:スコーピオンMGL150HG
●ライン:ナイロン20ポンド
[スコーピオンジャーク用]
●ロッド:スコーピオン1651R-2
●リール:スコーピオンMGL150HG
●ライン:ナイロン16ポンド
[アーマジョイント用]
●ロッド:スコーピオン1703R-2
●リール:カルカッタコンクエスト200XG
●ライン:ナイロン20ポンド
[バックスライドワーム用]
●ロッド:ワールドシャウラ1703R-2
●リール:メタニウムXG
●ライン:マスティフFC18ポンド
*全てシマノ製品。

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