バスフィッシングなどのルアーゲームにおいて、カバーの下にワームを送り込む際に使用されることが多いスキッピングというテクニック。このアプローチ方法は、実際に水中からはどのように見えているのか? 巨大水槽で実際に撮影、観察を行ったところ、意外な結論にたどりつく…。
●文:ルアーマガジン編集部 ●協力:株式会社デュオ
ルアーメーカー「DUO」の巨大水槽で水中実験!
静岡県焼津市にあるルアーメーカー「DUO」には、ルアー開発のために作られた巨大な水槽がある。その規模は実に長さ25m、最深部4.5m! リグに関する様々な疑問を解決するために、丸1日この水槽をお借りして、実験&観察!
今回のテーマは「スキッピング」。跳ねる小魚を模して集魚力が高い、普通のキャストよりも警戒心を与えない…などなど、さまざまな言説が歌われているスキッピングだが、実際に見てみるとどんな感じだろうか?
スキッピング、水中から見ると…?
DUO社内に設置されている水槽は、水深4.5mと2mのボトムの様子を真横から観察して、下から見上げるようにして水面を見ることができる。まさしく魚の視点を体験できるという素晴らしい設計。
今回、この水槽で観察するスキッピングとは、キャストしたルアーを水切りのように水面で跳ねさせて、直接キャストできないカバーやオーバーハングなどの奥に送り込むためのテクニックだ。時には、ルアーが散らした水しぶきで、逃げ惑う小魚を演出する…という意図で使うこともある。
【バスプロ川村光大郎さんの華麗なスキッピング術】
四秒でわかる川村さんの技量(昨日発売『陸魂8』ヨリ) pic.twitter.com/v5Dd1Q0b2s
— ルアーマガジン公式 (@luremagazine_jp) March 27, 2020
ルアーマガジンの公式X(旧Twitter)で投稿した、『陸魂(りくだましい)8』で川村さんが披露した華麗なスキッピングテクニック。思ったスポットにルアーを送り込むためには、マスターしておきたワザの1つ。水面を滑るように移動する様は美しい。
スキッピングは諸刃の剣かもしれない?
このスキッピングテクニックだが、水中では一体どのように見えているのだろうか? アングラーからは、美しい波紋と水面を滑走するルアーの相乗効果で、さぞかし、魚にしっかりとアピールできているのではないか、と想像していまうが…。
しかし、水槽の横に立ち、水面下に潜む魚に近い状況からスキッピングするルアーを観察すると、意外なことに気がつく。それは、ルアーは全然見えないのだ。ほぼ、波紋以外は見えない!
下から見上げた水面は鏡のようになっているので、空中のルアーは見えない。だから連続した波紋は見えるものの、本体が見えない。それが影響して逃げ惑う小魚という印象ではなかった。
水中にいた魚が水面に飛び出したという印象はなかった。むしろ鳥などの外敵が空から襲ってきたような恐怖感を与える気もする。
ただ周囲へのアピール力は強力だし、最終的にルアーが落ちてくるので、他にはない釣り力もあるはず。また前述したとおり、サイドハンドでも入れ込めないような場所にルアーを届けられるのはやはりありがたい。
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