高比重で水中で沈むPEラインは、使用するルアーやリグなどによって、非常に有効な選択となる。この沈むPEラインは実際にはどのように水中で沈んでいくのか? 実際に、巨大水槽で実験を行った!
●文:ルアーマガジン編集部 ●協力:株式会社デュオ
ルアーメーカー「DUO」の巨大水槽で水中実験!
静岡県焼津市にあるルアーメーカー「DUO」には、ルアー開発のために作られた巨大な水槽がある。その規模は実に長さ25m、最深部4.5m! リグに関する様々な疑問を解決するために、丸1日この水槽をお借りして、実験&観察!
今回の実験のテーマは、沈む高比重PEライン。果たして、高比重PEラインは水中でどのような挙動を見せるのか? アングラーとしてはかなり興味をそそるテーマだ。近年注目を浴びる「沈むPEライン」。これまでにないテクニックが生まれるカギとして、期待が高まる!
「沈むPE」はバス釣りを変える!?
沈むPEラインを使用することで、これまでとは違ったアプローチが可能となるシチュエーションもあるだろう。またルアーやリグなどの操作にも大きく影響することが考えられる。その活用方法は多岐にわたる。それでは、今回の実験で使用するラインを紹介していこう。
起用ライン:デファイアーD Braid1.2号(サンライン)
デファイアーDは「沈むPE」でありながら、張りとしなやかさも絶妙なバランスで両立する完成度の高いライン。比重をナイロンと同等クラスに設定しているので無駄な糸フケが生じにくく、ディープでの釣りでも高い感度を誇る。
参考:バススーパーPE1号(サンライン)
浮くPEの代表として使用したのが、このライン。バスフィッシング用のPEとして多くのユーザーから支持されているロングセラーだ。やはり浮力が強く、水深よりちょっと長い分だけが沈み、あとは浮いていた。
沈むPEはどういう時に有効?
浮くPEと沈むPEの性質を比較してみた。浮くPEは重めのジグを結んで沈めてもかなりの部分が水面に浮いたままで、水中のラインも膨らむような曲線を描く。その分だけ、トレースするコースが変わるだろう。
一方、沈むPEは、フロロカーボンほどの露骨なシンキングではなかったが、だいたいボトムのシンカーからロッドまでは直線的につなぐ感じ。ワーム系には適している気がする。
ピンク色のラインが沈むPEのディファイアーD Braid。それなりに時間はかかるけれど、ロッドティップからルアーまでを直線でつなぐような角度まで沈む。
ロッドティップからリグまでを、高比重PEラインが一直線でつなぐ。つまり、アングラーのロッド操作がよりダイレクトにリグに反映されるということが想定される。このことを念頭にして、どのような状況で使うのか? どのようなルアー・リグで使用するのか? など、戦略を考える際の新たな引き出しのとして活用されることが期待できる結果となった。
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