糸を切る。基本的にはそのためだけに用いられる釣り用のハサミ。シンプルな用途ではあるものの、存外、釣り糸とは厄介なもので、切りにくいハサミはストレスに繋がるだけだったりもするし、いざ切れないとなると非常に不便することは、多くのアングラーが体験していることだろう。だからこそこだわりたい『釣り用のハサミ』。その最終解的なアイテムを見つけてしまったかもしれない。
●文:ルアマガプラス編集部
釣り場で使うハサミは釣行に影響を与える
ターゲットとのやりとりを考えれば、「切れないもの」ほどありがたい釣り糸。
しかしそれを切るためのハサミは「切れる」ものでないと困ってしまう。
ある種の矛盾が、釣り糸を切るためのハサミには求められている。
家で準備をしている最中ならば、多少はその切れぶりに目をつぶることはできるだろう。時間もシチェーションも安定的なのだから、多少不自由であっても最終的に糸が切れてさえくれればそれでいいのだから。
ところがそれが釣り場ともなると訳が違ってくる。
釣りをする時間を少しでも伸ばしたい。
時合いを逃したくない。
そもそも雨風や船の揺れで安定して作業ができない。
こういった場面ともなれば、いよいよハサミには「切れ味」が求められてくるというもの。
いや、それだけではない。
そのハサミはすぐに取り出せるのか?
過酷な状況で使っていても性能は安定しているのか?
あらゆる場面において安全かつスムーズに使うことはできるのか?
困難な場面を想定するほど、求める性能は高くなっていく。
良いハサミを使うのか否かは、その日一日の釣りを良いものにするのか悪いものにするのかを左右する。
多くの釣人はその事実に薄々気がついているはずだ。
なぜならば、切れないハサミほどストレスのたまるものはなく、釣り糸が切れないという自体は、ともすれば釣りがままならないものとなってしまうからだ。
DAIWAが生み出したひとつの解答
ロッドやリール、ルアーなどの直接的な釣具はもちろん、アクセサリー類にもかなりの力をいれているDAIWA。
小物類にも定評があるが、やはりハサミも素晴らしい製品を展開していた。
それが『PEシザー125R+F』。
名前の通り、PEラインのカットを念頭に置いた設計の釣り用ハサミである。
PEラインは表面コーティングやそのしなやかさのせいでハサミで切るのが少し難しい。
そこで専用の設計を施す必要があるのだが、この『PEシザー125R+F』は、セレーション(ギザ刃)加工を採用している。
実際、多くのPEライン対応ハサミがこの加工を採用しているがその効果は凄まじい。
無加工刃では切られるのを嫌がり、まるで生きているかのように刃を避けてしまうPEラインが、なんのストレスもなく、スパスパと切れてしまうのだ。
その驚くべき切れ味を持つ一方で刃先は丸形になっているため、裸で携帯しても刃先がさほど危険でないのは嬉しい設計だ。
関連モデルも充実!
今回紹介している『PEシザー125R+F』には兄弟モデルも存在する。『125S+F』は刃先が鋭く尖った「先鋭タイプ」であり、より細かい作業が行いやすい繊細なタイプ。よりシンプルにハサミとしての性能を求めるのであれば、こちらのタイプが便利だろう。もうひとつの『125H+F』は、根本こそハサミだが先端がプライヤーになっているタイプ。スプリットリングオープナー機能も有しているので、ユーティリティさをもとめるのであればこちらに軍配があがるだろう。
また実際に使用するとわかるのだが、『PEシザー125R+F』の噛み合わせは少し硬い。これは不意に糸を切りすぎてしまうことを防ぎつつ、携帯時に勝手に刃が開かないための絶妙な硬さであるといえるだろう。
刃はサビに強いステンレス素材を使用しているうえにフッ素塗装済みなので、海水や泥汚れなどもさっと拭き取れるメンテナンス性の良さも持ち合わせている。こういった点にまで気が回っていない製品はあっという間に錆びてしまい、使い物にならなくなってしまうものだ。
過酷な状況にも耐えられる性能となっているのであれば、活躍の機会はいっきに広がる。いや、使いたい時に取り出して…ではもう遅い、という程にその活躍は一級線へとあがっていく。
そうなってくると、すぐに手にできる位置に裸でぶら下げるくらいがちょうどよいものだ。
その際、刃先が丸いことは先述の通り携行時に安全で素晴らしい機構だが、さらに驚いたのはそのトータルのサイズ感。
例え手袋をした状態でも使いやすい大きめのグリップと、それに対して少しだけ小さな刃部。
この絶妙な大きさの組み合わせが、手にしやすいのに携帯時には邪魔に感じない究極的なサイズ感、言わば黄金比になっているのだ。
ここまで使用感を高めたハサミは過去にあっただろうか?
さすがは小物類にまで並々ならぬこだわりをもつDAIWA。
微に入り細を穿つとはまさにこのこと。
ハサミひとつをとってみても、ここまでのものが作れるとは…!
『PEシザー125R+F』
それはハサミの革命。
「釣り糸を切る」という命題に実直に答えたからこそたどり着けた新たな境地。
こんなハサミが欲しかったのだ。
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