
チャターベイトとトレーラーはお互いが必要不可欠な、まるでロッドとリールのような関係。ここでは、そのトレーラーだけに焦点を絞って、巻きを極める3人の猛者に信頼するトレーラーとトレーラー論をうかがってみた。今回は木村建太さんの刺激的なお話。
●文:ルアマガプラス編集部
Profile
木村建太
きむら・けんた/ストロングな釣りスタイルで、多くのファンを魅了するプロフェッショナルアングラー。現在、アメリカB.A.S.S.のエリートプロ。昨年ノーザンオープンのジェームズリバー戦で優勝を飾った。
弱いチャターほど弱いトレーラー強いチャターほど強いトレーラーを選びます
アメリカを主戦場にしてトーナメントを戦う木村さんには、多くの日本人アングラーが「チャターの達人」というイメージを抱いていると思う、しかし本人は軽く否定した。
木村「ここ2年くらい、チャターの釣りはバッサリ捨てています。アメリカにはチャターマスターが多過ぎて、その土俵で勝負したらあかんなと気づいたんですね。今でも当然、必要なルアーの一つではあるけれど、僕の長所ではない。ただ、秋から冬の試合になるとチャターの出番も増えてきます。魚を呼ぶ力は間違いなく一番強いので」
アメリカのトップカテゴリーの中に入ると「長所とは言えない」ということらしい。つまり、達人には変わりなさそうだ。
木村「特に秋は。魚がボトムフィーダーモードではない。そういう時にチャターが便利というのはあります。『中層に泳がす』というよりも、『浮かせる力が強い』ルアーなので思い切って見えるくらいの浅いレンジを引くことが多いです。クランクベイトはどちらかというと魚のレンジに寄せていく使い方。チャターは根がかりしやすいので、それはあまりメリットないんですよ。スローロールするくらいなら他のルアーを使った方がいい。チャターはあくまでも浮かせて喰わせるイメージ。しかも、ゆっくり巻くとフッキング率も悪い。ブレードごと食ってしまうし」
トレーラーの役目は動きの安定
では、本題となるトレーラーについてはどうだろうか?
木村「使うのは、サカマタと、カタクチワーム、それから、あるとしたらゲーリーのザコ」
サカマタシャッド6in(上)/ 5in(下)(デプス)
木村「よく釣れた頃の琵琶湖では、Bカスタムチャターにサカマタの6inが釣れましたね」。5inも使うことはあったが、ジャックハンマーには相性が良くなかった。
かつて、霞ケ浦で開催した陸王の試合中にBカスタムチャターで叩き出したバス。この当時のトレーラーはデスアダー5inだった。
Bカスタムチャター(デプス)
ジャックハンマーに比べると、ブレードの振り幅も狭く、水押しも弱めのチャター。木村さんは一段階深い場所で使いたいときにこれを使っている。
カタクチワーム(一誠)
ボディーに入ったスリットが水を受けて、スタビライザー効果を発揮。ジャックハンマーの動きも安定させられるトレーラー。木村さんは海用のモデルを好んで使っている。
木村「結論から言ってしまうと、後ろから引っ張る力が強いとスタビライザー効果が高い。トレーラーはチャターの動きを安定させるイメージで装着しているから、ジャックハンマーみたいな振り幅の広いチャターには、スタビライザー効果の高い、カタクチワームやザコを使いますね。逆に振り幅の狭いBカスタムチャターには、サカマタシャッドくらいがいい。弱いチャターほど弱いトレーラー、強いチャターほど強いトレーラーを選ばないと、動きが崩壊しやすくなる」
木村「トレーラーをコンパクトにしたいときはスタンレーの『リビット』を半分に切ってテールを上向きに反らしてセットしたりします」。動きの崩れを効果的に抑制してくれる。
木村さんにとってのチャターは、直進性が重要で、動きが崩れては困る。かといって動きを抑えすぎるのもよくない。目安としては「ちどらないぎりぎりのアクション」そのバランスを出すために最適なトレーラーを選んでいる。そして、絶対に許せないのは、トレーラーがずれることだ。
木村「チャターって、トレーラーがちょっとずれただけで動きが変わったりするから、うっとうしいじゃないですか。それをいちいち補修しながら釣りすると、時間が無駄になってしまうので。先にアロン止めしたほうがいいですよ」
必殺のトレーラーずれ防止チューンはイラストを参照。とにかく両手でルアーを触るようなことは1度もしたくないとのこと。
木村さんのトレーラーを固定するチューン。①20lbのフロロラインをワームキーパーにぐるぐる巻きにする。②瞬間接着剤を垂らして、一発勝負でトレーラーをセットする。
木村「結論は、『チャターよりもライブスコープを先に買え』ですね。ライブスコープは魚のリアクトが大幅に理解できるので、シンプルに釣り上手くなる道具として絶対に必要です」