目に見えるだけが全てじゃない!? バスの姿が見えなくてもやり続けるための思考方法を菊元俊文さんが教えてくれた。ポイントは休ませることにあった！
●文:ルアマガプラス編集部
Profile
菊元俊文（きくもと・としふみ）
『SOUL OF BIG BITE』をキャッチフレーズに、ダイナミックなバスフィッシングでマグナムサイズを追求する、魂のアングラー。1997年初代JBワールドシリーズチャンピオン以降コンペティターとして活躍。現在はトーナメントを離れTVや雑誌などで、そのストロングスタイルを伝道中。大阪府出身、エバーグリーン開発スタッフ。
Q.バスが見えなくてもいそうな地形だったら投げ続けますか？
A.有望な場所を見極め、タイミングを捉えることが大事
目視でバスが確認できることは、確実にバスがそこにいるという素晴らしい事実です。特にオカッパリでは魚探に頼れないので、見えバスはとても重要な情報ですね。でもバスが見えなくても「ここいいな」と思える地形は狙う価値は充分にありです。釣りの経験値を増すほどに、地形の変化などである程度その価値を見極めることができます。
川であれば大曲りと呼ばれる大きなアウトベンドの地形で、水深が深い場所。激流から逆ワンドなどがあり、産卵にバスが入ったり、大水時や増水後の避難場所。深い淀みと浅瀬が近い場所、あるいはそういった地形に絡んで障害物である消波ブロックの始まりや終わり、杭の始まりや終わりなど変化があるところなどは、有望な場所となりやすいですね。それとバスが見えなくても、ベイトフィッシュが目視できたり、ハゼ類やエビが沢山いるような場所は高い確率でバスが「いる」か「入って来る」場所となります。
バスが見えなくても、ベイトフィッシュがとどまるところは狙う価値が高い。地形変化や流れ、水質、シェードなど様々な要素を観察しよう。
ただし、オカッパリの場合はよい地形、実績場所、バスがいる場所ほど釣り人もいることが多いです。釣れているまたは釣れるという情報を頼りに、そこに行く人が多いからです。実績場所と言うことですね。
そういったよい場所が沢山あり、次々と移動して釣りができるのが理想です。移動で斜面を登ったり、降りたり、長い距離歩いたりするのは体力を使いますが、いわゆるよく釣るアングラーは非常にマメに移動を繰り返します。先行者がいて入れなくても、次の場所を目指して移動する気力、体力、そして釣欲は釣るための原動力です。
でも人気フィールドでは、よい場所に入れたら粘ることも選択肢の一つです。移動しても先行者がいて釣るスペースがないことも多々あること。そんなバッティングが予想される場合は、自分が「ここはいい！」と判断した場所にステイするのも、時にはよい作戦です。
バスをストックできて、フィーディングする場所がピンスポットなら、経験上釣れる時は大体1投目でバイトが来ることが多いです。条件的には先行者がいない場合や、朝イチなどプレッシャーが掛かってない状況です。そんな好条件では僕の場合は、投げても5投目くらいで来なければ、ロッドを置いて場所を休めることが多いです。
特にデカいの狙っている場合は、投げ続けることがプレッシャーを与えてしまい、釣り人自らが釣れなくしていると感じることがここ数年とても多いです。だからランガンしない場合はロッドを振らず、場を休めている時間の方が圧倒的に多いです。
釣り場を休ませること、つまりロッドを振らず、釣りの動作を止めることは釣りたい思いが強いほど難しいです。しかし結果的にはむやみに投げ続けるより、時間をおいて場を休めることが釣果に結び付くことが多いと感じています。
有望な地形のポイントを見つけても、むやみにルアーを投げ続けることでかえって釣れなくなることもある。ときには場を休ませることも大事だ。
竿を振る手を止めて観察することで、日が陰ったり、流れの強弱が変化したり、風が吹き出したとかの変化に敏感になれます。釣りに夢中な時には気づかなかったベイトフィッシュを発見できたりします。特にベイトフィッシュの群れが入ったりすると、もともとそこにいたけれど口を使わなかったバスが、急に確変モードに入ってルアーに反応し出したりすることは、よくあることです。
逆に言うとそんな「時」を待って狙い撃ちするのが、よい場所でよいタイミングにはめると言うことです。
有望な場所であっても、状況によって粘るのかランガンするのかは判断しなくてはならない。タイミングを見極めることが肝心だ。
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