オフショア界隈で2024年、台風の目となりそうな『シーレボ』ブランド。新たな視点で作られたロッドとルアーは即結果を出し、先行販売品はすぐ完売…。今回は、ブランド主宰者でもあり、釣り人でもある藤木淳さんに、現行及び今後リリース予定のプロデュースアイテムについて語ってもらった!
●文&写真:中村崇彦
藤木淳さんプロフィール
藤木淳(ふじき・じゅん)
バスプロとして生み出した名作ルアーは数知れず。釣ることで釣れるキモを見抜き、アップデートしていくスタイルは変わらずも、自らのブランド、フラッシュユニオンを立ち上げてからはジャンルを超えて精力的にアイテムを創造し続けている。藤木「とにかく釣れるもんを作ろうってことで、いままでのソルトルアーのレボリューションだということでシーレボと命名」
釣った経験が釣りたいをサポートする
藤木「ソルトは元々、バスのトーナメントの間にちょこっとやってた。それこそジギングとかはナイロン(ライン)の時代からやってるから(笑)。遊漁船始めたいってヤツと一緒に釣りに行って『どうやって釣らせようか』とか考えたり。だから歴だけはあるんですよ」
謙遜する藤木さんだが、魚種を超えた釣りへの愛はもちろん、愛するがゆえに、自らのブランドを立ち上げるなど、釣れるルアー、タックルへのこだわりは強い。
藤木「釣れる時期に釣れる魚を釣るのは大好きやからね。それでソルトのルアー作りも視野に入ってきて、ならば本気出してみようかと」
そうして藤木さんが満を持して立ち上げたのがソルトルアーブランドが、シーレボだ。
藤木「最初のころのの遊漁船の船長が良い感じの人で、一緒にやりませんかって声をかけたのが3年くらい前かな。アイテムを提案しては何回もダメ出しもらって作り直してダメ出しもらって(笑)、ようやくリリースしたのが始まりやね」
その人こそが『グリッター』の山田船長。超予約困難な遊漁船だったというのを、藤木さんが後に知ることになるのはご愛敬。
藤木「船長って2タイプいて、釣れる場所を案内だけする人と、自分も釣る人。山田船長は釣りが好きで自分も釣りをするキャプテンアングラーだから、タックルにも、ものすごくこだわりがあって、それと当たり前だけど100㎏、150㎏を超えてるマグロを釣ってる。実はそれがキモなんだよね」
釣りたい人にアドバイスができるのは、釣った人。考えてみれば当たり前だが、この構造に則ったのが、シーレボのルアーだった。
バブルアーティスト180/220(シーレボ・フラッシュユニオン)
トビウオなど、逃げるベイトが水中に突っ込んで発生させる泡(バブル)にこだわり、美しい泡を芸術家のように生み出すペンシルポッパー。ナブラ撃ちや誘い出しには存在感のある220。よりセレクティブなマイクロベイトパターンには180と使い分ける。
藤木「山田船長が一番欲しかったルアー。あの時(最初の撮影時)、このルアーありきで、いまのスキルでやったら10本は釣ってるんちゃうかな(笑)。マグロのルアーのキモは動かさないこと。止めないと食わない。つまり姿勢が垂直浮きで、波にもまれるだけでくるくる回転したりとか、ナチュラルに動く。その時にフラッシングも出るようにもしてるけど、一番大事なのが泡。細かい泡を水中にチューブのように引き込めないかというオーダーで、それに応えたと」
- 長さ:220㎜、180㎜
- 重さ:約120g、約85g
- 推奨フック:4/0~5/0(220)、3.5/0~4/0(180)
- カラー:全3色
- 税込価格:1万3200円(220)、1万2100円(180)
ガッツステイナー215(シーレボ・フラッシュユニオン)
そして、山田船長の知り合いの北海道の遊漁船『シーステージ』の我妻船長とコラボしたのが、ガッツステイナー。
藤木「同じポッパーだけどかなり細身。ステイナーはステイな!の関西弁でもあるんやけど(笑)、こいつも止めて釣る。マグロはキハダもそうやけど、止める。ボワンと泡を出して見つけさせる。あとは、細いからマイクロベイトを食ってる時にも効きますね。キモは細いのに5/0(フック)が載せられること」
いずれもウッド素材による高い浮力と垂直の浮き姿勢、200㎏クラスにも耐えられる強靭なフックを背負えるのがこだわりだ。
ガッツステイナーは、短い移動距離で大きな泡を放ち、放置している間に気付かせて食わせるステイに特化。細身のボディはマイクロベイトパターンにも対応する。ウッド姿勢の高い浮力による垂直姿勢でもアピールでき、テストではすでに200㎏のマグロもキャッチしている。
- 長さ:215㎜
- 重さ:約80g
- 推奨フック:3.5/0~4/0
- カラー:全3色(予定)
- 税込価格:1万3200円
スラッシャー200(シーレボ・フラッシュユニオン)
水面を切り裂くダイビングペンシルの基本を踏襲しつつ、よりタイトに突っ込み、使い手が思い通りに操作できる。現状ではウッド製のマグロ用とプラスチック製のヒラマサ(GT)用になるかもとのこと(プロトはいずれも発泡のハンドメイド)。
藤木「スラッシャーも山田船長に欲しいと言われて作ってるんやけど、ヒラマサ寄りに作ってるのもあって、いまの構想では、マグロ用とヒラマサチューンというか、そっちも出す予定かな」
- 長さ:200㎜
- 重さほかすべて未定
B.F.Tクラッシャー グローバルトラベラーBFTC-GT76XH(シーレボ・フラッシュユニオン)
海外での釣行も意識した、航空機への搭載可能な3ピースロッド。ただ硬いだけではない、しなやかなのに強いB.F.Tクラッシャーシリーズの特徴を引き継ぎ、投げやすく、操作しやすいロッドになっている。藤木さんが162㎏を釣ったのがこのロッドだ。
藤木「100㎏超、150㎏超クラスを釣りたいなら、釣った経験のある人が作ったタックルがありますよと。そうやって、投げやすくて軽くて獲れる竿(B・F・Tクラッシャーシリーズ)を作って、おかげさまでそれが評判となりました」
- 全長:7ft6in(3ピース)
- 自重:415g
- 適合ライン:PE 10~12号
- 適合ルアー:MAX180g
- 発売予定:24年4月
- 税込価格:9万6195円
ワイルドスプリンターグローバルトラベラーWSGT3-84H(プロト)
泳がせないように直線で一気に綱引きをするマグロ用に対して、ロッドを曲げてファイトするタイプのターゲットに照準を合わせた新たなロッドシリーズ。グローバルトラベラー規格の3ピースこそ共通だが、8ftオーバーと、パワーだけではないのが特徴だ。
藤木「ヒラマサやGT用なんやけど、やつらは泳ぐスピードが速いし、ルアーのアクションも早い。それを長く続けるためには絶対的に飛距離が必要で、だから8ft4in。で、これが重要なんやけど、竿って長いほどノサれる。それと投げやすさを考慮してB・F・Tクラッシャーは7ft6inなんだけど、ヒラマサとかGTはマグロよりはマイルドだから、セッティングはキャスト性能にちょっと寄せてます」
- 全長:8ft4in(3ピース)
- 自重:391g
- 適合ライン:PE 5~8号
- 適合ルアー:150gMAX
- 発売予定:未定税込価格:未定
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。