[DAIWA新型リール]フィールドテスターが「マジでヤバい」と実感。マグシールド非搭載でソルト対応!

DAIWAのスピニングリール「エアリティ」シリーズに新たに追加されたSFモデル及び、「エアリティST」シリーズ。同社のライトゲーム部門のフィールドテスターをつとめる渡邉さんが、その進化を解説。しっかりと使い込んだ上で感じた、新型リールのスゴさとは? 連載 第14回[今日もいいチョーシ]

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●写真/文:渡邉 長士(DAIWAフィールドテスター)

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渡邉 長士(わたなべ・たけし)

千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。DAIWAフィールドテスター。

DAIWAスピニングリールに大きな動き。より細分化されたエアリティシリーズ

こんにちは。ダイワフィールドテスターの渡邉長士です。隔月でアップしている当連載も今回で14回目。つまり2年以上続いていることになりますが、これも読者の方がいるからこそ。いつも読んで頂きありがとうございます。これからも有益な情報や新しい情報、釣り方の解説や道具選びなど、アングラーにとってタメになる記事を発信できるように頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

さて、新しい情報といえば先日行われた「釣りフェスティバル2024」でも様々な情報が解禁されました。

エアリティLTとエアリティSF。 [写真タップで拡大]

ダイワの目玉の1つが「セルテート」。高剛性スピニングリールの代名詞的な機種でファンも多いため、ショーでも多くの方が注目していました。それに加えて、もう1つ大きな動きがありました。それがエアリティシリーズのSFモデル追加と、エアリティSTシリーズの発表です。

エアリティSTのボックス。 [写真タップで拡大]

エアリティは2023年に発売したダイワのスピニングリール。自重は2000番で145gと超軽量でありながらマグネシウム素材のボディーにアルミのエンジンプレートを組み合わせたフルメタルのモノコックボディのため、軽さと剛性が両立したLight&Toughコンセプトのリールです。

エアリティは2023年の釣りフェスティバルで発表されました。その会場に向かう直前に、西湘のサーフアジングでエアリティLT2500S-XHを使い40cmアップのギガアジをキャッチしました。このドタバタ釣行の模様は、連載の第8回で紹介しているのでそちらの記事も是非チェックしてみて下さい。

エアリティSF(スーパーフィネス)

そんなエアリティに2024年3月、新たに加わるのがエアリティのSFモデルです。SFとは「スーパーフィネス」のことで、アジングやメバリングなどのライトソルト、バスフィッシング、エリアトラウトなどのフィネスゲーム専用機となります。

エアリティSFはライトソルトやバスフィッシング、エリアトラウトにマッチする性能を持つ。 [写真タップで拡大]

SFは、フラッグシップモデルの「イグジスト」で昨年に初めて加わったコンセプトですが、エアリティにも1000~2500番の5アイテムが加わります。SFモデルは既存のLT(Light&Tough)モデルに比べて何が変わったかというと、まず大きな違いは重量。

先ほども紹介した通りLT2000番が145gに対し、SF2000番がなんと130g! 1年前に発表したときの145gでも度肝を抜かれましたが、それを大幅に下回ってきたのです。軽量化の最大の要因が、ボディのコンパクト化。約20%小型化することで、重量を大幅に軽量化することに成功しています。

大幅な軽量化が施されたエアリティSF。 [写真タップで拡大]

また、ラインを巻くスプールも変更しています。長さを短くしてショート化することで自重も軽くなり、重心バランスもより向上します。スプールのショート化はドラグ性能のアップにもつながります。スプールにはラインが均一に巻かれるようにスプールが上下に動いてラインの角度が直角で巻かれますが、ドラグが出ていくときには、スプールの上側に巻かれたラインと下側に巻かれたラインがあるため、どうしても角度が変わってしまいます。そのため、スプールをショート化することで角度の変化が少なくなり、引っ掛かりがなくスムーズにラインが出ていくためドラグ性能が約20%アップしました。

他にも、軽量化によりスイングスピードが約12%アップし、ルアーの飛距離が約7%アップしたというデータもあります。

エアリティSFのスプール [写真タップで拡大]

そして、何より軽量化の恩恵を最も受けるのが感度でしょう。特にアジングをはじめとするライトゲームはタックルの軽さが感度に直結し、感度は釣果に直結します。断言しますが、タックルは必要な強度さえあれば軽ければ軽い方が有利です。間違いなく軽い方が小さなアタリをより感じやすくなります。

人間の感覚に関する精神物理学の基本法則で「ヴェーバー・フェヒナーの法則」というものがありますが、この法則によると100gのオモリを持った時に1gずつオモリを足していき、110gになった時に「重たくなった」と感じたならば、200gのオモリを持った時に変化を感じるのは210gではなく220gになるというもの。

左が既存のエアリティLT、右は新たに追加されたエアリティST。スプールの長さが異なるのがわかる。 [写真タップで拡大]

つまり、持っているものが軽いほど、小さな変化でも違いがわかるようになるんです。2000番で130gの超軽量となってもフルメタルのモノコックボディは変わらず、ピニオン部には防水機構のマグシールドもあるため、実釣においての耐久性や剛性は十分にあります。

ただし、根掛かり時や藻の塊が引っ掛かった時などに無理に巻くと回転不具合がおこる可能性があるため、ドラグを過剰に締めての高負荷の巻き取りはやめましょう。

エアリティSFを使用したファイトシーン。 [写真タップで拡大]

エアリティST(センシティブチューン)

軽さによる感度は自重の軽さだけでなく、回転の軽さも同じことが言えます。エアリティは「AIRDRIVE DESIGN」のテクノロジーが搭載されているため、ローターの自重が軽く、低慣性のため回転レスポンスがとても良くなっています。そのため、ストップ&ゴーではスッと巻けてピタッと止まります。

新たに発表となった、エアリティST SF。 [写真タップで拡大]

慣性の高いリールは一度回ると回り続けるので一見すると回転性能が良く見えるのですが、慣性で回転しているため微妙な重さのアタリが埋もれてしまうんですね。例えるなら普通の自転車とアシスト付き自転車の違い。普通の自転車なら少しの坂でもペダルの重みを感じますが、アシスト付き自転車だと重みを感じずにスルスルと走れます。

慣性の高いリールは初動を入力すると回り続けようとするため、気づかぬうちにアシストされているようなもの。逆に低慣性の巻きの軽いリールだとリトリーブ中のわずかな重さの変化や、明確とはいかなくても違和感として感じとれるんです。

エアリティST SFのボディ部分。 [写真タップで拡大]

その回転性能に特化させたのが同じく3月発売予定の「エアリティST」。STとは「SENSITIVE TUNE(センシティブチューン)」のことで、巻き感度を突き詰めたスペシャルチューンのモデルです。これは回してもらえば明確な違いがわかるのですが、ただでさえ軽い巻き心地がさらに軽くなっているんです。

この軽い巻き心地は2つの変更点によって可能になりました。その1つはベアリングの変更。回転主要部に入っているボールベアリングを耐久性の高いグリス仕様から、粘度が低くより軽く回るオイル仕様への変更です。LTシリーズやSFシリーズはピニオン部、ドライブギア部、ラインローラー部(LTはマグシールド)、ハンドルノブ部、スプール部、メインシャフト部、オシレートギア部にCRBBという防錆処理をしたボールベアリングが搭載されていますが、STシリーズはピニオン部、ドライブギア部、メインシャフト部、オシレートギア部がオイル仕様のボールベアリングに変更されています。

もう1つの変更点はマグシールドの非搭載。マグシールドは磁性流体による防水防塵構造で高い防水性があります。

センシティブチューンの文字が入る。 [写真タップで拡大]

ノーマルモデルであればピニオン部にマグシールドがあり、侵入しようとする海水などをブロックするためメリットが大きく、エアリティ以外にも多くの機種にマグシールドが搭載されています。STシリーズはそんな大きなメリットと引き換えに、わずかな軽量化にまでこだわり抜いた「フィネス性能に全振り」したシリーズなんです。

じゃあ淡水専用なの?と考える人も多いかと思いますが、実は「ソルト対応」なんですね。マグシールが非搭載モデルに比べると、防水耐久性は落ちる部分は否めないですが、それでもハンドル軸部には防水パッキンがあり、ボディはモノコック、メインシャフト部もクリアランスが非常に狭いため、水は入りにくくなっています。そのため、海でも波を被らないライトソルトのような釣りなら問題なく使えます。

アジングやエリアトラウトなどリトリーブの釣りで威力を発揮するエアリティST

アジングもそうですが、エリアトラウトなどのリトリーブ系の釣りではSTシリーズの軽いリトリーブは大きな武器になるはずです。

エアリティST SF2000SS-H [写真タップで拡大]

エアリティSTのラインナップはLTモデルが2機種、SFが4機種の合計6機種。エアリティST SFはライトゲームに超特化したリールといえます。これはマジでヤバいリールが出来上がりました。

ただし、LTやSFに比べて耐久性が劣るのは間違いないので、日々のメンテナンスや定期的なオーバーホールは必要です。また、ソルト対応といっても波を被るようなハードな釣りには不向きなので、それを理解したうえで選ぶようにして下さい。

既存のルビアスLTに加えて新しく登場したSF、そしてルビアスST。 [写真タップで拡大]

エアリティに追加された新モデルのまとめ

LTシリーズは耐久性、剛性、防水性、メンテナンスフリー性の高いリール。

SFシリーズは耐久性と防水性を維持しつつ自重の軽さに特化したリール。

STシリーズは巻きの軽さ、リトリーブ感度に特化したリール。

2024年3月には、エアリティシリーズはLTが2000~5000番の12機種、SFが5機種、エアリティSTシリーズが全6機種の大所帯となります。大きな魚相手やタフな状況で使うならLT、フィネスな釣りオンリーならSF、リトリーブ主体で巻き感度優先ならSTなどと自分のスタイルや釣り方によってベストなリールを選べるということになります。

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自分は昨年の11月のテレビロケから「エアリティSF2000SS-H」をジグ単専用タックルとして使っていますが、やはりリールの軽さは正義。リールを変えるだけでタックルの感度や操作性がさらに1ランク上がったように感じます。

新しくラインナップされるエアリティSF、STシリーズ、要チェックですよ!


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。