家元直伝マジックジャーク®…いまこそミノーイングをマスターせよ【水間博・うえまんJAPAN・yun】

マジックジャーク®は、ニジマス狙いのミノーイングにおいて、特に釣獲能力が高いテクニックだ。今回はマジックジャーク®の家元にして、トラウトキング選手権ダブルマイスターの水間博さんに操作のコツを教えてもらったゾ。ほかにも、ミノーイングに詳しいうえまんJAPANさん、アンデッドファクトリー・アピールモニターのyunさんにも登場してもらった。それではレッツゴー!!

●文&写真:相原由和

2024 新製品情報

profile

水間 博(みずま・ひろし)

アンデッドファクトリー代表。同社のタックルやルアーの開発を手掛ける。トラウトキング選手権大会ダブルマイスター。氏が確立したマジックジャーク®は、現代エリアにおける定番テクになっている。
Instagram:undeadfactory

うえまんJAPAN

“ミノーの貴公子”でおなじみのエリアアングラー。もちろんミノーイングのエキスパート。アンデッドファクトリーのセールスレップを務める。以前HMKLでルアー開発&塗装を担当していた経緯があり、ルアーメイキングについても造詣が深い

yun(ゆん)

2023年よりアンデッドファクトリー・アピールモニターを務める。ブラックバスからルアー釣りをスタート。現在は数年前にはじめたエリアトラウトに夢中。フリーランスのモデル、BIGO LIVE、TikTok公式ライバーとして活動中。

ニジマス&イロモノ対応 ミノープラグを楽しもう

魚の目線から瞬間的にミノーが消える。まるで手品のようなアクションから、水間さんはこの釣法をマジックジャーク®と名づけた。魚がエサを捕食するときに、水面や底を(それ以上向こうに行けない)壁にして相手を追い詰めるのはご存知のとおり。このテクニックは、水面と底の両方を壁として使えるため、魚に追わせる/口を使わせる力が強いのだ。

「もちろん魚が本当はどう考えているかはわかりません(笑)。ただ、魚を釣るうえで自分なりに理由を考えながら釣りを組み立てるのは大切ですよね」と水間さん。

当初はトップシークレットテクニックだったが、2012年のトラウトキング選手権大会エキスパート戦(@千早川マス釣り場)にて、水間さんがジャクソンのトラウトチューンを使って優勝。その勝利をきっかけにマジックジャーク®の名が全国のエリアに広がった。

マジックジャーク®は、エキスパートの本気釣りだけでなく、ビギナーや中級者の楽しむ釣りにもぴったり。操作のコツを掴んだyunさんは、実釣当日誰よりも連発していたぞ!

マジックジャーク®が画期的なのは主にニジマスを対象にした釣法であること。そして慣れればすぐに操作できることだ。

「使用ルアーは、ジャクソンのトラウトチューンからはじまり、お次はスミスのスティル、HMKLのザッガー50F1の順でした」。

グリム51は現在4種類が発売中。切れ味抜群のアクションが魅力のHFMJ/FMJ、安定感がありより操作しやすいMJ/MJ改から自分のスタイルに合うものを選ぼう!!

そして現在水間さんが愛用するのは、22年にリリースしたアンデッドファクトリーのグリム51シリーズだ(MJ系は23年)。

「具体的な釣法は後ほど解説しますが…まずはあまり難しく考えず自由にやってください(笑)。ルアーも同じです。グリム51はもちろん、ザッガーもあるしスティルもある。いろんなルアーで楽しんじゃってください。やがて慣れてきたら、魚の状態を見ながら誘いを微調整したり、自分なりのアレンジを加えるといいでしょう」

それでは、水間さんに釣れる秘密を伝授してもらっちゃおう!!

グリム51MJ/MJ改(アンデッドファクトリー)

マジックジャーク®に最適化されたロングビルミノー。同HFMJ/FMJに比べ、MJ系は直進安定性を高めているのが特徴。それゆえに初めてのマジックジャーク®にもぴったり。MJはハイフロート。MJ改は自重を0.1g増、若干ながら浮力を抑えている。魚の活性に合わせて使い分けよう。

◎全長:51mm
◎ウエイト:1.4g(MJ)、1.5g(MJ改)
◎タイプ:フローティング
◎カラー:全12色
◎価格:1,705円(税込)

マジックジャーク®の操作法

ルアーが着水したらすぐに糸フケを取ろう。潜らせる方法(=ジャーク)はいくつかあるが、通常はリーリングジャークがおすすめだ。

「魚の目線からミノーを消す。水面と底を“壁”に見立て、ロングビルミノーを急潜行&急浮上させてバイトを誘います。まずは①攻める層(魚影が濃い層)よりも下までミノーを急潜行させます。次に②ミノーを急停止する。これにより魚の興味を下方向に集めます。そして③ミノーを急浮上させて魚のバイトを引き出します。あとは①から③の繰り返し。通常は、ルアーが急浮上するとき(③のとき)にバイトが多いですね。目視やライン変化、ロッド感度でアタリを察知しましょう。やがて操作に慣れてきたら、魚の活性に合わせてジャーク、スピード、タイミングを変えてみましょう。ミノーの浮上姿勢や浮上スピードを、ラインを張る/緩めるでコントロールする。これがマジックジャーク®の真髄です」

マジックジャーク 操作のコツ

①急潜行/リーリングしながらロッドを使いジャークを繰り返す」が正解だが、最初は難しいので簡単なリーリングジャークでもOK。まずはリールハンドル1/2回転ごとに1回ストップを入れるテンポで探ろう。ロッドは下向きに構えるといい。
②急停止/ストップを入れて、魚がルアーを追う or 食わせの間を取る。低〜中間活性時は、若干長めにポーズを取るといい。また、このときに竿先を手前にゆっくり引き、キックバックを防止したり、浮上前にミノーの姿勢を整えてやる(=魚が反応しやすくなる)のも効果的だ。
③急浮上/ミノーを急浮上させて下方向とは逆の上方向に興味をもたせ魚のバイトを引き出します。元の層まで浮かせたら、①に戻って再び誘う。

もうひとつの新釣法 マジックダートの操作法

「マジックジャーク®がレンジを上下に誘うのに対し、マジックダートは一定層を(手前方向に)連続ダートさせるのが特徴です。使用するのはロングビルミノー。まずは巻きで狙いのレンジまで潜らせる。次にロッドを上方向 or 斜め上方向に鋭くジャークしながらリーリングとストップを繰り返す(1アクション1ストップが目安)。これにより魚のリアクションバイトを誘うんです」
現在、アンデッドファクトリーではマジックダート対応のロングビルミノーを開発中。お楽しみに!

開発中のマジックダート対応ロングビルミノー(名称未定)。全長は39mmとやや小振り(自重未定)。

ロングビルミノーは、ダートしやすいものとしにくいものがあるので注意しよう。下方向に潜ろうとするロングビルミノーに対し、ジャークによって上方向の力を加えることで、一定のレンジをキープしつつも鋭いダートが生まれる。これがマジックダートだ!! この釣法のキモは、今後アンデッドファクトリーの公式HPやInstagramなどで明らかにされるはず!!

フックセッティング

グリム51シリーズは、ヤリエのPMフック#8を標準装備。ハリ先が内向きにネムっており、わずかな力でも貫通してくれるのがウリ。ルアーが浮上する(ラインテンションが軽くなった)ときのバイトが多い釣りだけに、貫通力のあるフックが有利になる。

マジックジャーク®では、ハリ先を前向き(内向き)にセットする。(ルアーが急浮上するときの)魚が食い上げてくる状況(角度)に合わせよう。「朝夕の高活性時など、ミノーを潜らせている最中にバイトがあるときは、後ろ向き(外向き)にしたりもしますが、通常は前向き(内向き)でOKです」とうえまんJAPANさん。なお、フッキングは向こう合わせが基本。バラシが多いときは、軽めに追い合わせを入れるのもあり。

下から魚が突き上げるようにバイトしてくるのが特徴。そのためフックは内向きにしておくといい。写真のヒットカラーはヘルウィン。

ラプラスD61L戦鬼丸(アンデッドファクトリー)

水間さんが手掛けた伝説の名竿・百鬼丸を、10年の時を経て、現代的に進化させたのがこちら。軽量ルアーにも対応するLアクションに汎用性抜群のレギュラーテーパーを合わせ、バットに4軸カーボンを組んでいるのが特徴。さらにDAIWAのAGSガイドを採用することで、軽量化+高感度化、そして粘り強さを獲得。ミノーはもちろん、スプーン、クランクベイトなど多彩なルアーに対応。コルクグリップ、EVAグリップの2種類が発売。

◎全長:6ft1in
◎適合ウエイト:0.3〜5g
◎適合ライン:1.5〜4lb
◎グリップ:コルク、EVA
◎価格(2023年):6万500円(税込)

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  • 発売日:2023年12月21日
  • 定価:1980円(税込)

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