他の趣味やスポーツなどと同様、バス釣りにもルールやマナーが存在する。これを守れないと、バス釣りのイメージが悪くなるだけでなく、釣りそのものができなくなってしまう可能性もある。最低限、ここで紹介するマナーだけでもしっかり覚えてしっかり守ろう。
●文:ルアマガプラス編集部
外来種「ブラックバス」を取り巻く現状
ブラックバス(ラージマウス・スモールマウス共に)はいわゆる外来種と呼ばれる存在であり、元々の日本の環境に影響を与えるため環境省によって「特定外来生物」という指定を受けている。そのため、生きたままの移動、飼育、放流、譲渡・販売は原則禁止されている。
また、法的にバス釣りそのものが禁止になっている地域は無いのだが、地域によっては釣ったバスのリリースを禁止(つまりキャッチ&リリースができない)している場所がある点に注意したい。
バス釣りのマナー
キャッチ&リリース:釣ったバスを元気に逃す
ブラックバスは比較的大型に成長する肉食魚であり、水中に生息している個体数は決して多くはない。
そこで、バス釣り誕生の地・アメリカで提唱されたのが「キャッチ&リリース」という考え方だ。釣った魚を持って帰って食べるのではなく、可能な限り元気な状態で逃してあげる。こうすることで、釣り場のバスがいなくなる要素を極力減らせば、より長い期間、バス釣りが楽しめるというわけだ。
再放流禁止の場所で釣り上げたバスは自分自身の手で殺処分する必要があり、殺さずに逃がすのであればそれはれっきとしたルール違反。バスアングラーやブラックバスの立場をさらに悪化させることに繋がりかねない。リリース禁止地域でバス釣りをする際にはそのことを十分に理解していただきたい。
ゴミを残さない:捨てないのはもちろん拾うくらいのつもりで
釣りに限らない一般常識の範囲ともいえるが、釣り場にゴミを残さないことは非常に大切だ。
ルアーのパッケージやライン、食べ物・飲み物の容器はしっかりと持ち帰りたい。釣り場にゴミがあると気持ちよく釣りができないばかりか、「釣り人がゴミを捨てている」という悪い印象を一般の人に与えかねない。ゴミを見かけたら自分のものでなくても拾うくらいの心がけが大切だ。
近年は有志アングラーによる釣り場のゴミ拾い活動も行われている。
根掛かりは手元で切らない:二次被害を生み出さないためにも
釣りをしているとルアーは水中陸上問わず色々な場所に引っかかってしまう。この「根掛かり」と呼ばれる状態に注意したい。大切なルアーを失ってしまうばかりか、釣り場に回収できないゴミを残してしまうからだ。こうしたゴミは新たな根掛かりを生み出し、釣り場に残されたラインが鳥の足や羽に絡みついてしまう事例が社会問題となっている。
どうしても外れない根掛かりに遭遇した際は手元でラインを切ることは絶対にせず、ルアーとの結束部分から切れるように、ルアーとラインが一直線になるように引っ張ってラインを切って欲しい。市販の道具で根掛かりを外すのも有効だ。
釣り場のルールを守る:本当に釣りをしても大丈夫なのか?
日本の様々な水辺でバスは釣れるかもしれないが、その場所は果たして本当に釣りをしてもよいのだろうか? 例えば、釣り禁止の看板が立っているのであれば当然、そこで釣りをするべきではない。立入禁止と書いてあるのなら釣り以前にそこに入るのも避けるべきだろう。
また、フィールドによっては釣りをしていい時間や期間が限られている場合もあるし、釣りをするために遊漁券と呼ばれる許可証を購入する必要があることもある。破ってしまうと最悪の場合、その場所で釣りができなくなってしまうかもしれないので気をつけたい。
近隣住民に迷惑をかけない:釣り人=不審者にならないために
釣り人にとってはたまに訪れる場所であっても、周囲には日々の生活を送っている近隣住民がいることを忘れてはいけない。特に釣り人は朝が早いことが多いため、物音や大きな声は出さないように注意。
黙ってウロウロしていると不審者と間違えられかねないので、近隣のひとに声をかけられる機会があるのなら、積極的に挨拶をしていこう。その際には偏光グラス(サングラス)を外して笑顔を忘れずに。
車で移動する場合は駐車場所にも気を使いたい。違法駐車など厳禁だ。
アングラー同士も仲良く:他の釣り人にもひと声かけて!
バスが釣れるフィールドに行けば、同じくバスフィッシングを楽しむ他の人をみかけることがあるかもしれないが、そういった人に対して、邪魔になるようなことをしてはいけない。近くで釣りをする際には必ずひと声かけて、どのあたりまで近づいたりルアーを投げていいのかを聞くべきだし、そうできないなら別の場所で釣りをしよう。狭いフィールドであれば、反対岸で釣りをしているひとの存在にも気をつけたい。
また、バス釣り以外にも、釣り場にはコイの投釣りやヘラブナ釣りなど、他の釣りを楽しんでいるひともいるので、そちらにも注意を払おう。
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