テンリュウの人気ジギングロッド『ホライゾンMJ』に2024年初夏、6機種が追加される。ハイピッチからスロー系まで幅広い速度域に対応し、マルチジギング(MJ)を提唱するシリーズの追加モデルはどんなロッドなのか? その実力をテンリュウ・フィールドテスターの渕上さんが実釣解説する。
●文:ルアマガプラス編集部
アングラー紹介
渕上大輔(ふちがみ・だいすけ)
三重県出身。奈良県在住。伊勢湾をホームに全国各地への遠征も積極的に取り組むオフショアゲームのエキスパート。とくにジギング、タイラバを得意とし、ショアのシーバスやライトソルト、エリアトラウトなどルアー釣りを幅広く愛好するマルチアングラーでもある。テンリュウ・フィールドテスター。
使用ロッド/ホライゾンMJ(テンリュウ)
ホライゾンMJ 追加モデルスペック表
品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) | 継数 (本) | 調子 | 仕舞寸法 (cm) | ルアーウェイト (g) | ライン (PE/号) | 最大ドラグ (kg) | リアグリップ (mm) | 先径 (mm) | 自重 (g) | 使用繊維カーボン/グラス (%) | 本体価格 |
HMJ642B-LL | B | 1.93[6’4″] | 2* | R | 148 | High40-100Slow80-200 | MAX2 | MAX2/0° | 405 | 1.7 | 111 | 96/4 | ¥41,000 |
HMJ642B-L | B | 1.93[6’4″] | 2* | R | 148 | High60-120Slow100-250 | MAX2 | MAX3/0° | 405 | 1.8 | 114 | 96/4 | ¥41,500 |
HMJ642B-ML | B | 1.93[6’4″] | 2* | R | 148 | High80-150Slow120-300 | MAX2 | MAX3/0° | 405 | 2.0 | 119 | 96/4 | ¥42,000 |
HMJ642B-M | B | 1.93[6’4″] | 2* | R | 148 | High100-180Slow150-350 | MAX2.5 | MAX4/0° | 405 | 2.1 | 121 | 96/4 | ¥42,500 |
HMJ642B-MH | B | 1.93[6’4″] | 2* | R | 148 | High120-200Slow180-400 | MAX3 | MAX5/0° | 405 | 2.3 | 128 | 97/3 | ¥43,000 |
HMJ642B-H | B | 1.93[6’4″] | 2* | R | 148 | High150-250Slow200-450 | MAX3 | MAX5/0° | 405 | 2.4 | 131 | 97/3 | ¥43,500 |
初めてのフィールドで大型ブリをジギングで狙う!
テンリュウ・フィールドテスターの渕上さんが訪れたのは愛媛県西部の宇和海。ターゲットはブリ。2023年の晩秋、温暖な宇和海はジギングの好シーズンというタイミングで、実釣は行われた。
渕上「私自身、初めて釣りをする海域ですが、船長の情報によると青物はまあまあ好調らしいです。宇和海は豊後水道に隣接し、潮の流れも速い。どんな釣りになるか楽しみですね」
ホライゾンMJの追加6機種を船に持ち込み、実釣のスタートを切る。
手始めはホライゾンMJ 642B-Mで釣り場の状況を探る
まず渕上さんが手にしたロッドは、ホライゾンMJ 642B-Mだ。
渕上「初めての宇和海で、潮の速さなどわからないことが多い。朝はそんなに潮が重くなさそうで、使うジグも200gがメイン。ホライゾンMJの追加機種の中でど真ん中のモデルといえる642B-Mを選びました。最初はハイピッチで反応するかを探ります」
するとジグを追うターゲットの姿が魚探に移るがバイトまでには至らない。しかもメタルジグを上げすぎるとフォール中や回収中にサバが猛攻。
渕上「ハイピッチに青物の反応はあるけど、口を使わない。中層のサバを避ける意味でも底付近をスローにネチネチやったほうが良さそうですね」
重くなる潮。スロー系ジャークでジグをしっかり飛ばすためにホライゾンMJ 642B-MHをセレクト
水深100m前後のボトム付近をスロー系ジャークでネチネチ探る戦略に切り替えた渕上さん。「潮が重くなった」と感じるとロッドをホライゾンMJ 642B-Mから642B-MHに持ち替えた。
渕上「思いのほか潮が重くなってホライゾンMJ 642B-Mではロッドが負け出しました。642B-MHでジャークして、ロッドの復元力を使ってジグをしっかり飛ばしたほうが青物の反応は良いはずです」
この狙いが見事にハマり、ワラサクラスだが青物の連発劇に結びつけた。
6ft4inでハイピッチもスロー系ジャークも自由自在!
潮が重くなったタイミングでロッドをホライゾンMJ 642B-MHに替え、スロー系ジャークでメタルジグをしっかり飛ばすことで、青物の反応は明らかに上がった。追加モデルのレングスは6ft4in。既存のホライゾンMJは5ft10in。長さによる操作感の違いもあるのだろうか?
渕上「ホライゾンMJ 642B-Mも642B-MHも素の状態で振ると張りが強そうに感じます。でもジグをシャクると従来のホライゾンMJと同じようにハイピッチもスロー系も気持ち良くジャークできます。浅くて潮が緩めで、使うジグを200g以下に落としたときは642B-MLも使いました」
実釣時のアタリパターン“ボトム付近のスロー系ジャーク”でゲストにマダイ。サイズアップも達成!
順調に青物の釣果を上げ、次はブリとマダイが狙えるエリアに移動。水深100mを切り、潮が緩いと感じると渕上さんはロッドをホライゾンMJ 642B-Mをセレクト。
渕上「マダイ狙いというわけではなく、ジグを200gに落としたので。642B-Mでもスロー系ジャークでジグをしっかり飛ばせる海況だからです」
そして、この日のアタリパターン、ボトム付近のスロー系ジャークで良型のマダイを仕留める。
実釣終盤、狙うは青物のサイズアップあるのみ。船は水深100m強の重い潮が流れる海域に移動。
渕上「使うジグは300gでロッドは642B-H。ホライゾンMJシリーズで最強のパワークラスです。300gくらいのジグと非常に相性が良く、私はトンボジギングにもこの番手を使っています」
宇和海のように潮が速い海域にも対応しやすいということだ。そして狙いどおりにホライゾンMJ 642B-Hで300gのメタルジグをボトム付近でしっかり飛ばすと5kg超がバイト。ブリクラスには届かなかったが丸々と太った良型で実釣の終わりを飾る。
スロー系ジャークに寄せた対応幅の向上が追加モデル最大の特徴
実釣は“ボトム付近のスロー系ジャーク”が終始有効。
渕上「そういう意味でも6ft4inの追加モデルの日でした」
というのは?
渕上「スロー系ジャークの場合、ロッドが長いとフォール幅が取りやすいです。あと例えばトンボジギングのようにドテラ流しでラインを長く出すときは、6ft4inのレングスでシャクり、サオの復元力を利用したほうがジグを飛ばしやすい。5ft10inの既存モデルもスロー系ジャークに対応できますが、よりスロー系に軸足を置くのが6ft4inの追加モデルと言えます」
5ft10inの既存モデルよりスロー系ジャークが効く状況で活躍しますね?
渕上「はい。逆にハイピッチが効くときは既存の5ft10inモデルという形で私は使い分けます」
前述のように追加モデルは全6機種。アナタのホームフィールドにぴったりのスロー系寄りマルチジギングロッドが見つかるはずだ。
実釣時の使用タックル
今回、実釣で使用したタックルを紹介。ホライゾンMJによる青物ジギングの道具立ての参考にどうぞ!
ホライゾンMJ HMJ642B-ML(テンリュウ)
- リール : ソルティガIC300(DAIWA)
- ライン : PE2号
- リーダー : 40lb
- ルアー : メタルジグ200g~250g
ホライゾンMJ HMJ642B-M(テンリュウ)
- リール : ソルティガ15HL(DAIWA)
- ライン : PE2号
- リーダー : 40lb
- ルアー : メタルジグ200g~250g
ホライゾンMJ HMJ642B-MH(テンリュウ)
- リール : ソルティガ15HL(DAIWA)
- ライン : PE2号
- リーダー : 40lb
- ルアー : メタルジグ200g~250g
ホライゾンMJ HMJ642B-H(テンリュウ)
- リール : ソルティガ15HL(DAIWA)
- ライン : PE2号
- リーダー : 40lb
- ルアー : 200g~300g
取材協力:UWAKAZE
今回、渕上さんが利用した船はUWAKAZE。ジギング、タイラバ、キャスティング、メタルスッテなど宇和海のオフショアゲームはおまかせ。入門者大歓迎の遊漁船だ。
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