「おいおい、嘘だろバケモノやんけ…」ロクマル増加中? 60cm超えのブラックバスを狙って釣る方法が存在した!

ロクマル増加中?な相模湖で「ロクマル率」を高める方法は存在するのか!? 関東のフィールドでこれまでに釣った60cmオーバーの数は「5本」を誇る宇佐見さんに解説していただいた。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

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宇佐見素明(うさみ・もとあき)
1994年、東京都出身。ライブソナーの使い手としてアマチュア時代から名を馳せ、昨年のジャパンスーパーバスクラシックではJB戦初年度にして栄冠を勝ち取った。今シーズンからJBトップ50に参戦する規格外のルーキーだ。

相模湖で「ロクマル率」を高める方法は存在するのか!?

相模湖はロクマル増加中?

今年30歳を迎える宇佐見さんが、関東のフィールドでこれまでに釣った60cmオーバーの数は「5本」。内訳は相模湖で3本、豊英ダムで1本、そして河口湖が1本だ。

「どれも最近の魚で、2020年から2023年のあいだにキャッチしました」

つまり、高性能魚探の恩恵によってロクマル捕獲率が向上したのか? そんな勘ぐりをしてしまうが、意外にもライブシューティングで釣ったのは2本だけだという(豊英ダム&河口湖)。相模湖でキャッチした3本は、ブラインドおよび目視でのサイトフィッシングによる釣果だった。

今回の記事ではこの3本に注目してみたい。

「最初の1尾は、2020年の8月9日に相模湖の秋山川で釣った62cmです。この日はノリーズプロスタッフの山口敦史さんと同船して、サイトの練習をテーマにやっていました」

宇佐見さんがエレキを踏んでいる際に「岡堂」というポイントで見えバスを発見。オーバーハング下に浮いており、サイズまでは判別できなかったが、かなりディスタンスを取ってレインズスワンプスキニー6.5inをノーシンカーワッキーで投入。

ルアーをバンクに当ててから落とす、いわゆる「壁ドン」でアプローチするとあっさりバイトしてくれたという。

「真夏の秋山川にでかバスが多いかどうかはその年にもよるんですけど、昨シーズンは夏以降にロクマル級がかなり見えたそうです」

6.5″レインズスワンプスキニー(レイン)

サイコロラバー(フィールドサイド)+ショットリグ ワーム10 #5(デコイ)

年間で5本のロクマル捕獲。圧巻の釣果はライブソナーの恩恵ではなかった。

62cm!

2020年8月9日@相模湖
秋山川で夏の盛りにサイトでしとめた62cm。宇佐見さんにとって相模湖初のロクマルだったが、50cm台後半は何度も釣ったことがあったので「やっと超えた! という感じでした」

61cm!

2021年4月25日@相模湖
相模湖本湖南岸のワンドは、スポーニングの後期にデカバスを捕捉しやすい傾向があると宇佐見さん。この1尾は推定4.5kgのモンスターだった。

2時間を費やした10lb級

相模湖での2本めのロクマルは、またしてもサイトフィッシングによる釣果だ。2021年4月25日、スポーニングシーズンも中盤に差し掛かった本湖南岸のワンド内での出来事だった。

「春にサイトででかバス」はよくある話だが、宇佐見さんがこの1尾に費やした労力が尋常ではない。

「発見してから、口を使わせるまでに2時間掛かりました。諦めが悪いタイプなので…(笑)。普段はトーナメントを想定した釣りがメインなので、サイトでもここまで粘ることはあまりないです」

さまざまなアプローチを試したが、浅いレンジをクルーズするでかバスはそのたびにルアーを嫌って去り、また戻ってくる、の繰り返し。チャンスを探るうち、魚がバンクのくぼみに落ち葉が溜まるスポットに定位したのを宇佐見さんは見逃さなかった。

「バスは沖側を向いていたので、葉っぱの上にサイコロラバーを落として気づかれないように水に入れました。そこからルアーのレンジをバスに合わせて、視界の外から目の前に『ぽんっ』と出したら急に反応を示してくれて。ワームをチョチョチョッと逃してやると、ゆったりと追いかけてきて吸い込みました」

努力と創意工夫のすえ手にしたのは、すでに何度か産んだと思われる半プリのメス。長さは61cm、ウエイトは未計測だったが、宇佐見さんの体感では「4kgを超えていたのは間違いない、おそらく10lbオーバー(≒4536g)」とのこと。

レイジースイマー(イマカツ)

腹側のフックは外して背中側にフェザー付きのアシストフックを装着、オダに当ててロクマルを食わせた。ネイルシンカーで沈下速度を微調整している。

62cm!

2022年2月21日@相模湖
冬もシャローからディープまでなんでもやるという宇佐見さん。この日は2mレンジのスイムベイトが大正解だった。この1尾以外に限らず、冬の相模湖ではスイムベイトがよく効くという。

「普通」の延長線上のロクマル

「2017年の艇王で伊藤巧さんがロクマルを食わせたレイダウンがありますよね? 3本めのロクマルは、そのすぐ近くで2月に釣りました」

この場所は相模湖にあるレンタルボート店・日相園の下流右岸側で、宇佐見さんいわく「カレントが巻く一等地」

水深2m前後に沈むオダにレイジースイマーをコンタクトさせると、「ガツッ!」と明確なバイトが出たという。サイズは62cm。

実はこの前日にも大雨の豊英ダムで63cmを釣っており(右下の写真)、2日連続のロクマル捕獲はSNSを中心に大きな話題になった。

「たまたまだと思います(笑)。ただ、2月後半から3月頭にかけてのこの時期は、たしかにでかい魚が動きはじめる印象があります」

真夏のバックウォーター、春のワンド、そして冬のシャロー。

相模湖でのロクマル事例を並べると、共通点が薄いようにも感じるが、いずれも「その時期ごとの一級の場所」だと宇佐見さんは言う。

「相模湖でロクマルを釣る方法を僕なりに提案するとしたら、まずはサイトフィッシングですね。バスのサイズを確認しながら、なおかつポジションや向きも把握したうえで狙える。『普通の釣り』の延長線上でロクマルの可能性が出てくるわけです。この雑誌が出るころから、相模湖上流の境川に毎週通えば、確実にロクマルを目撃できると思いますよ」

エリー 95SD(ニシネルアーワークス)

63cm!

2022年2月20日@豊英ダム
左上のロクマルの前日に豊英ダムでキャッチしたロクマル。バンクを流しているとライブスコープで沖側を通る魚影を発見し、「エリー95SDのジャークで気づかせて、岸に追わせて、最後はシェイクするような操作で食わせました」

TGブロー 1/2oz(エバーグリーンインターナショナル)+ワイルドダディ(ワイルドポーク)

60.5cm!

2023年6月5日@河口湖
JB河口湖Aのプラクティス中、水深7〜8mレンジで食わせた1本。トレーラーはワイルドダディを縦半分にカットしたもの。
「長く河口湖に住んでいますが、ちゃんと釣り込みはじめたのは2023年からです」


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